【事例26】感音性難聴|障害厚生年金3級

感音性難聴|障害厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 感音性難聴
性別 男性
支給額 年額 約62万円
障害の状態
  • 左76.3db(25%)/右103.8db(0%)※( )内はを最良語音明瞭度
  • 補聴器着用でも語音明瞭度が非常に悪いため生活に支障あり
  • 会社からの支援を受けつつ正社員として就労中
  • 身体障がい者手帳4級
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

35歳のとき、突然耳鳴りや閉塞感で耳が聞こえづらくなったそうです。

翌日になっても症状が治まらなかったので、耳鼻科を受診したところ『突発性難聴』と診断を受けました。

すぐに入院が必要だったため、即日転医し入院加療となりました。

退院後も外来にて投薬治療等を続けた結果、耳の聞こえは少し改善したものの、
それ以上の改善は見込めないとの事で、通院は中断しました。

以降は、難聴を抱えたまま生活を送っていたそうで、その間も聴力レベルは徐々に低下していきました。

発症から約10年経過した頃には、会話で聞き返す事が頻繁になり、職場では営業から事務職に異動となる等支障が出ていたとの事です。

明らかな聴力低下があった為、一度検査を行おうと耳鼻科を受診すると『中等度の難聴』であることが分かり身体障がい者手帳も取得。

聴力はその後も低下し続け、55歳のときに手帳更新のため病院にて聴力検査をしたところ『重度難聴』となっていたそうです。

その際、医師から「障害年金も受給出来るかも知れないよ」と教えて貰い、当事務所にご相談がありました。

 

申請結果

最初のヒアリング時に直近の聴力検査結果を見せて頂いたところ、片耳は2級相当でしたが、もう一方は3級相当でした。

聴力に関する障害年金の等級は、原則『両耳』が基準を満たす必要があったため、現時点で申請した場合、3級相当となります。(ポイント①)

3級にて障害年金を受給するには、初診日に厚生年金・共済年金に加入していることが要件ですが、ご相談者さまは当時からずっと厚生年金に加入していらしたので、そのまま申請お手続きへ着手することになりました。(ポイント②)

しかし初診時の病院に医証の記載依頼を行ったところ、「カルテは残っているが、作成できない」との返答がありました。

理由は「診断書を記載できる程の情報がない」との事でした。

作成して頂きたい書類が初診証明書(受診状況等証明書)であることをお伝えしたうえ、証明する内容をご説明したところ、無事に書類を取得することが出来ました。(ポイント③)

病歴就労状況等申立書は、ヒアリングをしっかりと行い、通院していない期間の症状や状況なども詳細に反映した内容に仕上げました。

証明書を取得できないかも知れないといった事態もありましたが、無事にクリアでき『障害厚生年金3級』と認定を得ることが出来ました。

 

【ポイント1】 聴覚の障害認定基準

聴力に関する認定基準は、原則『両耳』の聴力レベルが基準を満たす必要があります。

なお、一耳のみ聴力レベルが低下している場合は、障害手当金(4級相当)という一時金に該当する可能性があります。

また障害手当金相当であっても『症状が治っていない』と判断された場合、3級と認定される可能性があるため、分からないときは、ぜひ専門家へご相談ください。

 

【ポイント2】 初診日と障害年金

障害年金では初診日に「国民年金・厚生年金」のいずれに加入していたかで、請求する障害年金種類が異なります。
(※)初診:国年=障害基礎年金、厚年=障害厚生年金

障害厚生年金の方が、基礎にはない(3級、配偶者加算、給与による支給額の増加)など、有利な点があります。

 

【ポイント3】診断書を発行して貰えない

障害年金の申請を行う中で、稀に診断書等の作成を断られるケースがあります。

基本的には「医師は患者から発行を求められた場合、正当な理由が無い限り診断書の作成を断ることが出来ない」とされています。

そのため作成できない理由は、カルテの保存義務が過ぎており既に破棄している場合が大半となります。

またカルテがあっても作成を断れた場合は『必要な書類の種類』や『証明して貰いたい内容』『診断書の使途』などをきちんとお伝えすることで、作成して貰えることがほとんどです。

 

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