【事例192】膀胱機能障害・直腸機能障害(人工肛門、尿路変更)|障害厚生年金2級(障害認定日の特例の事例)

膀胱機能障害・直腸機能障害(人工肛門、尿路変更)|障害厚生年金2級

対象者の基本データ

病名 膀胱機能障害・直腸機能障害(人工肛門、尿路変更)
性別 男性
支給額 年額 約120万円
障害の状態
  • 人工肛門を造設
  • 尿路変更術
  • 術後は軽労働であれば可能
  • 日常生活に大きな支障は無い
  • 身体障害者手帳3級
申請結果 障害厚生年金2級

 

ご相談までの経緯

40歳の頃、自転車に乗っているとサドルの接地面に違和感を感じるようになりました。

その後、排尿困難な症状が半年ほど続いたため、泌尿器科を受診しました。

検査をしたところ会陰部腫瘍と診断を受けました。

腫瘍は骨盤や肛門周辺にも広がっていたため人工肛門の造設・膀胱瘻造設の手術を行いました。

職場復帰を目前としていましたが、給料が減額となることが決まっており生活に不安を感じておられたとのことです。

副業も考えていた中で障害年金を知り、相談にこられました。

 

申請結果

今回のケースの時系列をまとめると以下のようになりました。

  • 初診:1月
  • 手術:7月上旬
  • 相談:9月上旬

通常であれば初診日から1年6ヶ月が経過しなければ障害年金を請求することは出来ません。

しかし今回は障害認定日の特例に該当すると判断し手術から6ヶ月を経過するのを待ちながら、受診状況等証明書などの附属書類の準備を進めていきました。
(※以下ポイント1参照)

事前準備のかいもありムダ無く手続きを進める事が出来ました。

今回は人工肛門と尿路変更術を同時に行っていたということもあり、障害厚生年金2級として認定を受けることが出来ました。

 

【ポイント1】障害認定日の特例(泌尿器系)

障害認定日は、原則『初診日から1年6ヵ月を経過した日』を言います。

しかし泌尿器系の疾患で尿路変更などを行った場合は『障害認定日の特例』が使える可能性があります。
この『障害認定日の特例』とは条件が揃えば1年6ヶ月を待たずして障害年金を請求が出来るという制度です。

以下のように、それぞれの基準日と、原則通りの1年6ヶ月を比べて早い日を障害認定日とし、障害年金の請求が可能となります。

□人工膀胱・尿路変更
新膀胱造設の日又は尿路変更術から6ヵ月経過日

□人工肛門+人工膀胱
人工肛門造設日から6ヵ月経過日又は新膀胱造設日のうち遅い日

□人工肛門+尿路変更
術施行が遅い日から起算して6ヵ月経過日

□人工肛門+完全排尿障害状態
術施行が遅い日から起算して6ヵ月経過日

 

【ポイント2】人工肛門、新膀胱の等級について

人工肛門又は新膀胱を造設したもの若しくは尿路変更術を施したものは、3級と認定されます。

以下のように、これらを合わせて手術をした場合は、2級と認定する。

  • 人工肛門+新膀胱
  • 人工肛門+尿路変更
  • 人工肛門+完全排尿障害(カテーテル留置又は自己導尿の常時施行を必要とする)

なお、手術をしてもなお症状が悪い場合には、全身状態、術後の経過及び予後、原疾患の性質、進行状況等により総合的に判断し、さらに上位等級として認定されることもあります。

 

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