【事例189】統合失調症|障害基礎年金2級(病識欠如の事例)

統合失調症基礎年金2級事例

対象者の基本データ

病名 統合失調症(とうごうしっちょうしょう)
性別 男性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • 日中は家に引きこもった生活をしている
  • 外出は2週間に1度の通院の時だけ
  • 陽性症状(妄想、幻覚、幻聴)は抑えられている
  • 精神科デイケアに通っている
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

20歳の頃、自分の体臭が過度に気になりクリニックへ通院をされました。

この頃より、周りが自分の悪口を言うように聞こえたり監視をされているような妄想が現れました。

自分では病気という認識はなく、家に引きこもって生活をしていました。

昼夜は逆転した生活で、家族との会話もほとんど無かったとの事です。

25歳の頃、「環境を変えれば良くなる」と考え家族の反対を押し切り、一人暮らしをはじめました。

しかし、その後も体調は悪化していったと言います。

ある日、統合失調症からくる妄想から警察沙汰を起こしてしまい、親元で治療を再開することとなりました。

数回の入院治療を繰り返し、少し症状が安定したタイミングでご家族を通じて当事務所へとご相談に来られました。

 

申請結果

ご本人には、自分が病気という認識がありませんでした。

これは統合失調症によく見られる「病識の欠如」と言われるものです。

このような場合、ご本人からヒアリングを行っても正しい状況を掴むことが困難な為、ご両親よりヒアリングをさせて頂く事としました。

幻聴や幻覚といった陽性症状に家族が気づいた時のエピソードや現在までの経過なども詳しくお伺いさせて頂きました。

また、病識の欠如から、通院時には主治医に正しく症状を伝えることが出来ていない可能性もあったため、ご両親に同行して頂く事としました。

とはいえ、限られた問診時間で適切に症状を伝えることは難しいと判断し、日常生活の様子について先生へのお手紙を作成して持参してもらいました。

その結果、適切な診断書を取得することが出来、障害基礎年金2級として認定されました。

 

【ポイント1】統合失調症の特性に注意

統合失調症には「病識欠如」といった特性があります。

自身が病気であるという認識が乏しい場合、症状や状況を正確に伝えることが難しくなってしまいます

そのため障害年金の申請には、ご家族や職場といった周囲の支援が必要です。

統合失調症にて障害年金の申請を検討されている場合は、身近な方が窓口となることでよりスムーズに申請できる可能性があります。

 

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