【事例187】癲癇(てんかん)|障害厚生年金3級

癲癇(てんかん)|障害厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 癲癇(てんかん)
性別 女性
支給額 年額 約58万円
障害の状態
  • 転倒する程度のてんかん発作が月に1~2回、意識を失う発作が月に1回程度ある。
  • 発作が起こっても対処できるよう、誰かと共に過ごす必要がある。
  • 発作時以外は通常の生活を送れるが、いつ発作が起こるか常に不安がある。
  • 職場での支援を受け、正社員として就労中。
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

35歳頃、突然夜中に全身が大きく痙攣し始め意識を失いました。

翌日、もともと別の疾患で通院していたかかりつけ医を受診したところ、要検査として即日入院になりました。

検査の結果、てんかんと診断され、薬物治療が開始されました。

しかし薬を服用しても、てんかん発作で転倒するなど生活や仕事にも支障が出ていたとのことです。

職場では一部業務を免除してもらう等の支援を受けましたが、その分給与が下がってしまい、経済的な問題から障害年金を受給したいと考え、当事務所にご連絡くださいました。

 

申請結果

初めててんかん発作が起きたとき、別疾患でもともと通っていた病院を受診したとの事でしたが、あくまでも『てんかん発作の初診日』を特定する必要があります。

そこで病院にお願いして『てんかん発作で初めて受診した日』をカルテの中から特定して貰いました。

続いて診断書でも工夫が必要となりました。

障害年金ではてんかん発作を重症度別にA~Dの4つのタイプに分類します。

ヒアリングしたところ、BタイプとDタイプのてんかん発作があるとの事でした。

ただ、てんかん発作は診察時に確認できるものではない為、日々の診察で発作状況を詳しく伝える必要があります。

軽度の発作についてはあまり伝えていなかったそうで、主治医にてんかん発作の症状・頻度・状況などをグラフにまとめお渡ししました。

また精神の障害は、就労の有無や就労状況などが重要視されるため、職場で受けている支援内容なども診断書に反映して貰いました

審査の結果は無事に『障害厚生年金3級』と認定され、無理なく生活できるようになったとの事です。

 

【ポイント1】てんかん発作の種類

障害年金では、てんかん発作を重症度別に下記の4タイプに分類します。

A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作

当てはまるタイプによって等級も変わりますので、ご自身の発作がどれに該当するか確認しましょう。

 

【ポイント2】 小さなてんかん発作でも、必ず医師に伝える

てんかん発作は、診察時に確認することができません。

そのため日頃から発作の頻度や状況をしっかりと医師に伝える必要があります。

障害年金でもてんかん発作の『意識障害の有無・発作の頻度・発作時の状況』が審査に影響します。

よって、たとえ小さな発作であっても必ず医師に伝えるようにしましょう。

 

【ポイント3】 精神疾患と就労

必ずしも「就労している=不支給」とは限りません。

とはいえ、精神疾患の場合は、審査上、就労の有無が重要なポイントとなってきます。

就労している継続年数や、就労形態についても審査では見られます。就労している場合は、会社から受けている配慮や、帰宅後や休日の体調などを申し立てることも必要です。

たとえば、体調が悪化した場合の早退、通院のための遅刻や、その他、業務を行う上での配慮を受けていれば、そのあたりも記載します。

また、なんとかがんばって会社に行けても、帰宅した途端どっと疲れが出て寝込んでしまう場合や、休日は家事も一切できない場合なども、医師にしっかり伝え、診断書に反映していただくことも大切です。

 

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