目次
対象者の基本データ
病名 | 両側感音性難聴 |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約59万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金3級 |
当事務所スタッフによる事例紹介動画
当事務所のスタッフが実際に申請した流れを動画で詳しく説明しています。
当事務所の雰囲気を感じて頂けると思いますので、是非ご覧ください。
ご相談までの経緯
ご依頼者様は、両側感音性難聴を患っており、聴力レベルと語音明瞭度から障害等級3級に該当する可能性がありました。
ご本人様で年金事務所に訪問され、申請の準備を進めていましたが、初診病院は廃業しており、初診日証明が取得出来ず、手続きに難航していました。
どのように進めればよいのか、年金事務所や複数の社労士事務所にご相談をされていましたが、明確な回答が得られない中で、当事務所にメールでご相談をいただきました。
申請結果
このケースの最も困難な点は、初診日が証明できないことでした。初診日が10年以上前であり、初診病院は廃業している為、カルテが存在せず、受診状況等証明書も取得できない状況でした。
そんな中で、ご本人様は第2病院であるB病院で受診状況等証明書を取得されており、また、初診病院の診察券を準備されていました。
B病院の受診状況等証明書の内容を確認すると、傷病の発病時期が初診病院を受診した平成22年頃ということの確認ができましたが、初診病院の受診歴についての記載はなく、平成24年6月からB病院にて治療を受けている旨の記載があり、この証明書だけでは、初診日証明としては不十分なものでした。
次に初診病院の診察券を確認すると、次のことが確認出来ました。
- ご本人様が被保険者である健康保険(厚生年金)加入時の診察券であること
- 平成17年4月5日に作成されたご本人様の診察券であること
- 医療機関の診療科は耳鼻咽喉科であること
これらの情報から、初診病院の診察券と第2病院の受診状況等証明書を組み合わせて、以下の1)もしくは2)のいずれかの時点を初診日として認めてほしいと申立てを行うこととしました。
1)平成22年を初診日とする。
2)上記(1)が認められない場合は、平成17年4月から平成24年6月の間に初診日がある
結果として、平成22年が初診日として認められ、障害厚生年金3級の認定を受けることができました。
今回のケースでは、ご依頼者様が初診病院の診察券を保管していたことがまず1つ目のポイントとなりました。
保管されていた診察券の記載内容から、初診日は平成17年4月5日以降にある可能性が高いこと、診察券を使用している間は厚生年金加入時であった可能性が高いこと、請求傷病での受診である可能性が高いと判断できる診療科であること、これらの情報が確認できる診察券であったことは客観的な初診日証明としての強みとなりました。
更に、申立てを行う1)もしくは2)のいずれの日においても厚生年金の加入期間であり、保険料の納付要件を満たしていたことも重要なポイントとなりました。
明確な初診日の証明が難しい場合でも、諦めずに必要な証拠を集め、適切な方針で申請を進めることが重要です。
ご依頼者様の勇気ある一歩と当社の粘り強いサポートが結実した結果でした。
【ポイント1】聴覚の障害認定基準
聴力に関する認定基準は、原則『両耳』の聴力レベルが基準を満たす必要があります。
なお、一耳のみ聴力レベルが低下している場合は、障害手当金(4級相当)という一時金に該当する可能性があります。
また障害手当金相当であっても『症状が治っていない』と判断された場合、3級と認定される可能性があるため、分からないときは、ぜひ専門家へご相談ください。
【ポイント2】 初診日の証明が出来ない場合の対処法
障害年金では初診日の証明がとても重要です。
この証明に使う書類を受診状況等証明書といいます。
これが取得出来なければ、最悪、請求ができなくなります。
特に、初診日がかなり昔の場合、当時の病院が廃院になっていたり、カルテがなく「受診状況等証明書」を書いてもらえないといった事が起こります。
この時は、古い順に「受診状況等証明書」が取れるまで病院に作成を依頼していきましょう。
また、紹介状があれば忘れずに頂きましょう。
それと同時に、初診の病院を受診していた証拠になる物(診察券や領収書、お薬手帳など)なども探して下さい。
こういった資料を「受診状況等証明書が添付できない申立書」と一緒に提出すれば初診日として認定される可能性があります。
また、カルテがないという理由で「受診状況等証明書」作成を断られても、病院のパソコンに通院記録が残ってる場合もありますので、確認して下さい。
このように、すぐに諦めず、いろいろな方法を探っていきましょう。
なお、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。