【事例1333】自閉症スペクトラム障害・社交不安障害|障害基礎年金2級(自分で申請して不支給になった事例)

自閉症スペクトラム障害・社交不安障害|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 自閉症スペクトラム障害・社交不安障害
性別
支給額 年額 約80万円
障害の状態
  • 就労は困難
  • 精神障害に加えて神経症を発症している
  • 日常生活は家族の支援があって成り立っている
申請結果 障害基礎年金2級

当事務所スタッフによる事例紹介動画

当事務所のスタッフが実際に申請した流れを動画で詳しく説明しています。

当事務所の雰囲気を感じて頂けると思いますので、是非ご覧ください。

ご相談までの経緯

ご相談者様は小学校高学年の頃から周りの友達や些細なことに過度に影響を受けやすくなり、中学生になった頃から不登校になりました。

自宅内に引きこもって生活をするようになり、ご家庭内でのご家族との交流も乏しくなられたとのことです。

こだわりが強く、ルーティーンが崩れると大きく乱れてしまい、周りに当たり散らすなどの症状から通院を開始されました。

その後、病院のソーシャルワーカーからのアドバイスを受け、ご自身で障害年金の請求(認定日請求)を行いました。

しかし結果として不支給の通知が届いたことから、当事務所にご相談に来られました。

申請結果

① 社交不安障害との関連の明確化(傷病混在)

複数の精神障害を発症するケースというのはよくあります。

なかでも今回のように対象外(神経症)の傷病が含まれる場合は注意が必要となります。

障害を全体で見ると2級相当であっても、対象外の病気の影響が大きいと見られてしまうと請求者様に不利な認定に繋がる可能性があるためです。

そこで再請求の診断書では、自閉症スペクトラムによる日常生活や対人関係への影響や制限を詳細に記載し、その影響を強調するようにしました。

② 障害の評価について

うつ病と発達障害はどちらも同じ精神障害にカテゴライズされていますが、その障害の現れ方は全く異なります。

障害年金は障害ごとの特徴に合わせた請求を行っていく必要があります。

③ 診断書の表現について

前回の診断書で一番気になった内容が「時に応じての支援が必要」という表現でした。

ご本人様は就労することは出来ず、ご家族とさえコミュニケーションが難しい状況であるにも関わらず、この表現では日常生活の多くは自分の力で出来るというように軽く見られる可能性がありました。

④ 日常生活への具体的な影響の説明

ご依頼者様はコミュニケーションが苦手なため、ご自身の障害の状況を先生に伝えられていないことが多くありました。

そこで、主治医の診断書の参考になるよう食事、着替え、対人関係など、日常生活の各側面における具体的な支障や制限を詳しい補足資料を作成し情報提供を行いました。

⑤ 不支給から短期間での再請求であることについて

前回の申請から期間が短い場合、「この短期間で症状が大きく変わることはない」という理由から認めてもらえなかったケースがあります。

今回は10ヶ月が空いていたものの、同様の不安があったため、病歴就労状況等申立書に発達障害による症状や日常生活の制限についてを詳しく主張することとなりました。

結果

再請求により、障害基礎年金2級のとして認定されました。

障害年金は一度不支給になると諦めている方が多くおられます。

そのような中で、障害に対する評価の理解と、それに基づいた請求戦略が成功の鍵になった事例となりました。

【ポイント1】一度不支給となっていても受給の可能性あり

過去に不支給となっても、障害年金を再度申請することは可能です。

大切なのは「なぜ不支給となったか」原因を見つけることです。

原因を見つけるのは慣れていないと難しいこともありますので、ぜひ専門家にご相談ください。

【ポイント2】強迫性障害などの神経症

強迫性障害、PTSD、パニック障害などを神経症と呼びます。

これらの神経症は、原則として障害年金の対象外となります。

但し、うつ病、統合失調症のような症状がある場合は、障害年金の対象となることもあります。

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