目次
対象者の基本データ
病名 | 変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう) |
---|---|
性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約85万円 遡及金額 約90万円 |
障害の状態 | ・痛みのため「現場仕事」から「内勤」への配置転換を余儀なくされた。 ・歩行には痛みが伴うため、杖を使用。 ・階段の上り下りのは痛みが伴う。 ・家庭内では手すり、シャワーチェアなどの補助器具を使用。 |
申請結果 | 障害厚生年金3級 |
ご相談までの経緯
大手企業に勤務するGさんは転勤が多く、現在は家族とともに暮らしていますが、何年も単身赴任をしていたのとこです。
初めて症状を自覚したのは趣味で行ったスキーで、その際「膝」に違和感と痛みを感じたそうです。
しばらく経過しても痛みは治まらず、不安に思ったため単身赴任先の住まいから近い「整形外科」を受診しました。
詳しく検査を行うべく大学病院へと転医。
結果は「膝」が原因では無く「股関節」で『変形性股関節症』と診断されました。
その後、人工関節置換術を実施。
病院から「人工関節だと障害年金3級が支給されますよ」と言われたため、年金事務所に相談。
しかし担当者より「もっと昔の怪我が原因の可能性が高いため障害年金の受給は困難」と言われました。
確かに大学生の頃、事故に遭い股関節を骨折していました。
しかし、今回痛みが出るまでの10数年間、痛みも支障も無くかったため「まさかそんな事を言われるとは」と混乱。
とにかく他にも意見を聞いてみたいと、ネットで見つけた当事務所にご相談がありました。
申請結果
今回のケースおいての課題は「初診がいつなのか」という点です。
人工関節は原則3級、「大学時代の怪我が原因」であれば「初診日も大学時代」となります。
当時は当然厚生年金には加入しておらず、このままでは年金事務所に言われていたように3級受給は困難です。
そこで『社会的治癒』を利用できないか、検討しました。
社会的治癒が認められると、ご本人様は厚生年金加入中であった「今回の痛みで初めて受診した整形外科」を初診病院とすることが可能です。
しっかりヒアリングしたうえで、社会的治癒が認められる可能性が高いことが判断でき、すぐに申請準備に着手。
聞き取りした情報の信ぴょう性を高めるため、証拠なるなる資料も添付。
ご本人様が転勤を繰り返していたことで、病院等から資料取得には若干時間を要しましたが、整合性のとれた信ぴょう性の高い申請内容となりました。
結果は無事に「社会的治癒」が認められ、3級認定となりました。
【ポイント1】人工関節は原則3級
人工関節は「原則3級」と決められています。
ただし症状によって上位等級(2級以上)に認定される可能性もあります。
また3級に該当するためには『初診日に厚生年金や共済年金などに加入』が条件です。
つまり、初診日に加入していた年金が「国民年金」の場合、3級はありません。
【ポイント2】 社会的治癒
社会的治癒が認められると、初診日が変わります。
社会的治癒とは、「症状無し・生活に支障無し・就労可能な状態」が一定期間続いている場合などは、医学的には治癒とは言えなくとも治癒していると認めましょう!という制度です。(※詳しくは『社会的治癒とは』をご参照下さい。)
今回のケースのように「一度ケガや病気」となったが、しばらくの間問題なく生活していた後に「再度、症状が悪化・支障が出た」とき、最初のケガや病気は「治癒」その後「再発した」ものとして取り扱います。
障害年金上、再発した場合は「再発した後に初めて診察を受けた日」が初診日になります!
その他の肢体の障害の事例
肢体の障害の新着事例
よく読まれる肢体の障害の事例