【事例112】うつ病|障害基礎年金2級(初診時と現在の傷病が違う事例)

うつ病|障害基礎年金2級 

対象者の基本データ

病名 鬱病(うつびょう)
性別 女性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • 意欲低下顕著で日常生活上にも多くの援助が必要
  • 思考力低下により、話の内容を理解したり、意思伝達が困難
  • 就労はできる状態にない
  • 精神障害者保健福祉手帳2級
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

中学生の頃より対人緊張や不安症状があり、動悸、呼吸苦、発汗などの身体的症状があったそうです。

高校を卒業し、専門学校に進学しましたが、強度の不安症状の出没が繰り返しあった為、医療機関を受診するようになりました。

不安障害と診断を受け、治療を続けていましたが症状は改善せず、通学が困難となり、専門学校は退学。

その後も治療を継続しながら、アルバイトへ挑戦しましたが、体調が優れず、入退職を繰り返し、いずれも1年以上継続して働く事が出来ない状況が続いていました。

社会不安が強くなり、自宅にひきこもる日が増え、状況を変えるために発病から10年程経過した頃に転院し、転院先では神経症からうつ病へ診断名が変わり、加療を続けていました。

自殺企図しかけたため、3ヶ月程入院することとなりました。

今後の経過に不安があり、ご本人さまのお父様より当事務所にご相談を頂きました。

 

申請結果

ご本人さまは入院中であり、他人とは会話ができる状態に無かった為、症状や通院歴などのヒアリングなどは全てご家族を介して行いました。

ご相談いただいた時点で初診日から15年以上経過しており、初診病院のカルテが残っていない可能性がありました。

すぐに病院へ確認を取ったところ当時のカルテは残っており、問題なく初診日の証明をしていただけました。

初診日が確定したため、遡っての請求が可能かどうか検討するために、初診日から1年半経過した頃の状況の確認を行いましたが、当時は「不安障害」と診断を受けており、神経症で精神病の病態を伴っていない状態であった為、遡りは難しいと判断し、今後の年金の請求を行うこととしました。

申請方針が決まり、すぐに現在入院中の病院へ診断書の作成依頼を行いましたが、既に退院予定日が決まっており、症状は安定傾向にあるとのことで診断書を作成いただくことができませんでした。

ご家族と相談し、退院後の経過・様子をみて退院後の転院先の病院で診断書を記載してもらう事となりました。

転院先の病院で「うつ病」で診断書を作成いただき、請求した結果、無事『障害基礎年金2級』として認められました。

 

【ポイント1】初診日の証明

障害年金は初診日主義とも言われています。

つまり、障がいがどんなに重たくても初診日の証明が出来なければ障害年金を受給することが出来ないということです。

カルテの法定保存期間が5年と定められている為、初診日の証明が出来ず悔しい思いをする方が多くおられるのも事実です。

そんな時でも証拠を積み上げて、間接的に初診日を証明出来たケースが多くありますので諦めない事が大切です!

 

【ポイント2】初診時と現在の傷病が違う場合

初めて病院で診察を受けた日を初診日と言いますが、初診日の病名と現在の病名が異なるケースがあります。

とくに精神疾患の場合はよくあり、障害年金の手続き上はとくに問題はありません。

病名が違うということで心配される方も多いですが、ご安心ください。

 

【ポイント3】強迫性障害などの神経症

強迫性障害、PTSD、パニック障害などを神経症と呼びます。

これらの神経症は、原則として障害年金の対象外となります。

ただしうつ病、統合失調症のような症状がある場合は、障害年金の対象となることもあります。

 

その他の精神の事例

 

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