うつ病|障害厚生年金2級(傷病手当金を受給されていた事例)

うつ病の障害厚生年金2級

対象者の基本データ

病名 鬱病(うつびょう)
性別 女性
支給額
障害の状態 ・以前は公務員でバリバリ働いていたが、現在は休職中
・一日横になっていることが多く、外出は通院程度
・家事などができず、夫に支援して貰っている
申請結果 障害厚生年金2級

 

ご相談までの経緯

公務員として働く女性のHさんは、仕事が出来るとして職場でも頼りにされる存在でした。

責任感が強いHさんは、周囲の期待に応え、バリバリと仕事をこなし多忙な日々を送っていたそうです。

一昨年、これまでの実績が認められ、栄転し部署異動となりました。

異動先の部署はこれまで以上に多忙で、右も左もわからない状況にさすがのHさんも困惑。

必死になっていたところ、なかなか寝付けない・眠っても途中で目が覚めてしまうなどの睡眠障害が出始めました。

徐々に酷い頭痛に悩まされるようになり、あまりの痛みに病院を受診。

痛み止めを処方され服用を続けましたが、頭痛は酷くなる一方で「めまい・低音性難聴・不眠」といった症状も出始め、うつ病と診断され、休職となりました。

症状はなかなか改善せず、当初は1ヵ月間としていた休職期間もどんどん延期されました。

その間は『傷病手当金』を申請し受給していました。

しかし、初診日から1年以上経過しても、復職の目途が立たず退職を検討するようになったそうです。

間もなく傷病手当金の受給も終わり、退職すると収入が無くなってしまう為、経済的な不安から当事務所にご相談がありました。

 

申請結果

Hさんは「傷病手当金」を受けていました。

傷病手当金は健康保険制度の1つで、ケガや病気などで休職せざるを得ないとき、要件を満たせば給与補填が行われます。

傷病手当金には、受給期間が決められていて『最大で1年6ヵ月間』です。

Hさんがご相談に来られたとき、受給期間は残り5ヶ月ほどでした。

また「復職は難しい」と主治医からも言われていたHさんは退職を間もなく予定していました。

そのような状況から、すぐにでも請求すべきと判断、申請準備にかかりました。

傷病手当金の受給期間中に、障害年金を請求し、傷病手当金が終了する頃に障害年金を受け取ることができるよう計画。

すぐにHさんが加入している共済組合へ書類を取り寄せ、診断書は、主治医に事情を説明し迅速にご対応頂きました。

なお、Hさんの場合は、退職後も傷病手当金の受給が可能だったため、申請準備中に退職に至っています。

結果、障害等級「2級」と認定され、傷病手当金が終了してすぐより年金を受給することができました。

 

【ポイント1】傷病手当金

傷病手当金は健康保険制度の1種です。

一方、障害年金は年金制度であり、傷病手当金とは目的も全く違いです。

ただ、いずれとも『病気やケガで働けない方』が主な対象者となり、2つの制度が重なることもよくあります。

傷病手当金と障害年金は同時に満額受け取れません。

同時に受け取ることはできますが、それぞれ満額が貰えるわけではなく、受給額の高い方が限度となり調整がなされます。

 

【ポイント2】『年金一元化』に要注意!

H27年10月1日より、共済年金の年金制度は、厚生年金に統一されました。(年金一元化)

障害年金を「受け取る権利がいつ発生した」で、審査機関が異なります

Hさんの場合は、H27年10月1日より「前」に受給権が発生していたため、審査機関は共済組合です。

申請書類も加入していた共済組合から貰います。

一方、H27年10月1日より「後」に受給件が発生した場合、申請書類は「日本年金機構と加入の共済組合」のどちらに相談してもOKです!

 

【ポイント3】公務員には原則、失業手当なし

民間企業にお勤めの方は、退職しても「就労可能」であれば、失業手当が貰える可能性があります。

一方、Hさんのように地方公務員の方には失業手当はありません。

そのため退職後は「今の状態で働けるか」を考える余裕もなく、収入が0になります。

よって、退職を決断するときは『主治医によく相談、就労不可がどうかを確認』、退職前から準備に取り掛かりましょう。

 

その他の精神の事例

 

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