軽度知的障害(療育手帳 B2、C、4度)でもらえる障害年金の金額はいくら?

障害年金に関してよくある「軽度知的障害(療育手帳 B2、C、4度)でもらえる障害年金の金額はいくら?」という質問にお答えします。

軽度知的障害(療育手帳 B2、C、4度)でもらえる障害年金の金額

障害年金は、大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2つがあります。

障害年金が支給される障害の状態に応じて、法令により、障害の程度(障害等級1級~3級)が定められています。

障害等級3級の場合、初診日が国民年金に該当する方は障害年金の受給対象にはなりません。

障害認定基準の中で、知的障害は以下のように定義されています。

D 知的障害
(1) 知的障害とは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常 生活に持続的な支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるものをいう。「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第8節 精神の障害」

つまり先天性知的障害の方は20歳前傷病となりますので、受給できる可能性のある障害年金は「障害基礎年金1級」又は「障害基礎年金2級」となります。

障害基礎年金に3級はありませんので、3級相当する障害の状態の場合は障害年金の受給はできません。

障害年金1級の受給金額は、2024年は障害基礎年金は「1,020,000円」、障害厚生年金は「1,020,000円+報酬比例の年金額の1.25倍」です。

障害年金2級の受給金額は、2024年は障害基礎年金は「816,000円」、障害厚生年金は「816,000円+報酬比例の年金額」です。

報酬比例部分の年金額は、年金の加入期間や過去の報酬等に応じて決まります。(報酬比例部分の詳しい計算方法は、日本年金機構ホームページ『報酬比例部分』をご参照下さい。)

知的障害の障害の程度

障害認定基準の中で、各等級に相当すると認められるものは以下のように例示されています。

障害の程度障害の状態
1級知的障害があり、食事や身のまわりのことを行うのに全面的な援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が不可能か著しく困難であるため、日常生活が困難で常時援助を必要とするもの
2級知的障害があり、食事や身のまわりのことなどの基本的な行為を行うのに援助が必要であって、かつ、会話による意思の疎通が簡単なものに限られるため、日常生活にあたって援助が必要なもの
3級知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの
「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第8節 精神の障害」

受給額を以下に詳しくご説明します。

障害年金の金額

令和6年障害年金受給金額

障害年金の支給額は、毎年4月分から翌年3月分まで同一額が支給されます。

2024年度の年間支給額は以下の通りです。

2024年1級2級
障害基礎年金1,020,000円816,000円
障害厚生年金1,020,000円+報酬比例の年金額の1.25倍816,000円+報酬比例の年金額

(障害年金の金額に関しましては『障害年金の金額は?』のページでも詳しくご説明していますのでご参照下さい)

軽度知的障害での障害年金の受給金額の事例

当事務所で、軽度知的障害での障害年金申請をサポートさせていただいた方の受給が決まったケースをご紹介します。

※年間受給金額は、支給決定された時点の金額です。

【事例1】年間受給金額:約78万円(障害基礎年金2級)

病名軽度知的障害
性別男性
支給額年額 約78万円
障害の状態・対人関係では被害的に受取りやすく、トラブルが多い
・就労支援員によるサポート体制があるため、就労が成り立っている
・意思表現がうまく出来ない為、ストレスや不安を抱えやすく、希死念慮など二次障害を生じることもある
・IQ61
申請結果障害基礎年金2級

事例の詳細ページ:【事例880】軽度知的障害|障害基礎年金2級

【事例2】年間受給金額:約131万円(障害基礎年金2級)

病名軽度知的障害
性別女性
支給額年額 約131万円
障害の状態・家事、育児ともに遂行能力が低く夫の介助・支援が必要
・小学校から高校まで普通学級に在籍
・パートで電子部品の組立作業に従事している
・療育手帳 なし
申請結果障害基礎年金2級

事例の詳細ページ:【事例744】軽度知的障害(小学校から高校まで普通学級に在籍していた方の事例)|障害基礎年金2級

【事例3】年間受給金額:約78万円 遡及金額:約97万円(障害基礎年金2級)

病名自閉症スペクトラム・軽度知的障害
性別男性
支給額年額 約78万円
遡及金額 約97万円
障害の状態・小・中学校は普通学級で過ごす(高校には進学せず)
・引きこもり傾向が強く就労していない
・日常生活のほとんどのことに家族のサポートが必要
・療育手帳 B2
申請結果障害基礎年金2級

事例の詳細ページ:【事例706】自閉症スペクトラム・軽度知的障害|障害基礎年金2級(療育手帳B2の方の事例)

知的障害で障害年金の申請を検討されている方はお気軽にご相談下さい。

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