片目を失明した場合にもらえる障害年金の金額はいくら?

障害年金に関してよくある「片目を失明した場合にもらえる障害年金の金額はいくら?」という質問にお答えします。

片目を失明した場合は障害手当金相当の障害の程度に該当し、2024年の場合、以下の金額が受給できる可能性があります。

※ただし、片目だけでなく、両眼に障害がある場合はさらに上位等級に該当するケースもあります。

障害の程度障害基礎年金障害厚生年金
1級相当1,020,000円
+子の加算
報酬比例の年金額×1.25
+配偶者の加給年金額
2級相当816,000円
+子の加算
報酬比例の年金額
+配偶者の加給年金額
3級相当無し報酬比例の年金額(最低保証額612,000円)
障害手当金(片目失明の場合、受給要件に該当)無し1,224,000円(一時金)

「眼の障害」の認定基準

障害年金の受給の基準は「障害認定基準」に定められています。

眼の障害で障害年金を受給する場合の認定基準は令和4年1月1日より以下のように一部改正されました。

※厚生労働省・日本年金機構リーフレット:令和4年1月1日から「眼の障害」の認定基準を一部改正します

視力障害の等級は、矯正が不能のもの等を除き、メガネやコンタクトを着用した状態で測定した結果をもとに判断します。

よって、メガネ等を装着することで認定基準を上回る場合は障害年金は受給できません。

障害の程度障害の状態
1級視力の良い方の眼の視力が0.03以下のもの
視力の良い方の眼の視力が0.04、他眼の視力が手動弁以下のもの
2級視力の良い方の眼の視力が 0.07 以下のもの
視力の良い方の眼の視力が0.08、他眼の視力が手動弁以下のもの
3級視力の良い方の眼の視力が 0.1 以下のもの
障害手当金視力の良い方の眼の視力が 0.6 以下のもの
一眼の視力が 0.1 以下のもの
視力障害の認定基準
障害の程度障害の状態
1級両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が20点以下のもの
2級両眼開放視認点数が70点以下かつ両眼中心視野視認点数が40点以下のもの
3級両眼開放視認点数が70点以下のもの
障害手当金両眼開放視認点数が100点以下のもの
両眼中心視野視認点数が40点以下のもの
自動視野計に基づく認定基準
障害の程度障害の状態
1級両眼のⅠ/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下かつⅠ/2視標による両眼中心視野角度が28度以下のもの
2級両眼のⅠ/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下かつⅠ/2視標による両眼中心視野角度が56度以下のもの
求心性視野狭窄又は輪状暗点があるものについて、Ⅰ/2の視標で両眼の視野がそれぞれ5度以内におさまるもの
3級両眼のⅠ/4視標による周辺視野角度の和がそれぞれ80度以下のもの
障害手当金Ⅰ/2視標による両眼中心視野角度が56度以下のもの
両眼による視野が2分の1以上欠損したもの
ゴールドマン型視野計に基づく認定基準

片目を失明した場合にもらえる障害年金の金額

「眼の障害」の認定基準に定められたそれぞれの障害等級の障害の状態に該当する場合、受給要件を満たしていれば、その等級の障害年金又は障害手当金が受給されます。

片目を失明した場合、障害手当金の認定基準である「一眼の視力が 0.1 以下のもの」という障害の状態に該当しますので、受給要件を満たしていれば障害手当金を受給できます。(※障害手当金の受給要件などに関しては『【社労士が解説】障害手当金とは|申請方法と注意点』をご参照下さい。)

2024年の障害手当金の金額は1,224,000円(最低保証)です。

受給要件を満たしていて、かつ「眼の障害」の認定基準の1級から3級に該当する場合は、その等級の障害年金が受給できます。(※障害年金の受給要件に関しては『障害年金を受給するための3つの要件』をご参照下さい)

障害年金は、大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2つがあります。

障害等級3級の場合、初診日に国民年金に加入されていた方は障害年金の受給対象にはなりません。

障害手当金の場合も、初診日に国民年金に加入されていた方は障害手当金の受給対象にはなりません。

それぞれの受給額を以下にご説明します。

障害年金の金額

令和6年障害年金受給金額

障害年金の支給額は、毎年4月分から翌年3月分まで同一額が支給されます。

2024年度の年間支給額は以下の通りです。

1級2級3級
基礎年金1,020,000円
+子の加算
816,000円
+子の加算
無し
厚生年金1,020,000円
+子の加算
+報酬比例の年金額×1.25
+配偶者の加給年金額
816,000円
+子の加算
+報酬比例の年金額
+配偶者の加給年金額
報酬比例の年金額(最低保証612,000 円)

※報酬比例部分の年金額は、年金の加入期間や過去の報酬等に応じて決まります。(報酬比例部分の詳しい計算方法は、日本年金機構ホームページ『報酬比例部分』をご参照下さい。)

子の加算

障害基礎年金の受給権者によって生計を維持されている子がある場合は、 子の人数に応じて、加算が行われます。

生計の維持とは

「生計を維持されている」とは、原則次の要件をいずれも満たす場合をいいます。

  • 生計を同じくしていること。(同居していること。別居していても、仕送りをしている、健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められます。)
  • 収入要件を満たしていること。(前年の収入が850万円未満であること。または所得が655万5千円未満であること。)

日本年金機構ホームページ:生計維持

対象となる子

  • 受給権者によって生計を維持されている 「18歳到達年度の末日までにある子」
  • 受給権者によって生計を維持されている 「20歳未満で障害等級の1級または 2級に該当する程度の障害の状態にある子」

子の加算金額

1人目・2人目(1人につき)3人目以降(1人につき)
2024年
(令和6年)
234,800 円
(月額 19,566円)
78,300 円
(月額 6,525 円)

※各期支払額の1円未満の端数は切り捨て、切り捨てた端数の合計を2月期の支給額に加算して支払われます。

配偶者の加算(障害厚生年金の1級・2級のみ)

障害厚生年金1級又は2級の受給権者によって生計を維持されている65歳未満の配偶者がいれる場合、配偶者の加算がおこなわれます。

障害基礎年金の受給権者と障害厚生年金3級の受給権者には配偶者の加算はありません。

配偶者の加算金額

1級・2級
2024年
(令和6年)
234,800 円
(月額 19,566円)

(障害年金の金額に関しましては『障害年金の金額は?』のページでも詳しくご説明していますのでご参照下さい)

眼の障害での障害年金の受給金額の事例

当事務所で、眼の障害で片目がほぼ見えない状態の方の障害年金申請をサポートさせていただいて、受給が決まったケースをご紹介します。

※年間受給金額は、支給決定された時点の金額です。

【事例1】年間受給金額:約158万円 (障害厚生年金1級)

病名開放隅角緑内障
性別男性
支給額年額 約158万円
障害の状態・矯正視力 片目:0.06 片目:光を感じるのみ
・中心視野角度 :0
・ほぼ見えないため、外出は一人ではできない
・身体障害者手帳 視覚障害 2級
申請結果障害厚生年金1級

事例の詳細ページ:【事例115】開放隅角緑内障|障害厚生年金1級(カルテが既に破棄されていた事例)

【事例2】年間受給金額:約78万円(障害基礎年金2級)

病名両未熟児網膜症
性別男性
支給額年額 約78万円
障害の状態・視力:右 視力矯正不能 / 左0.4
・視野角度は両眼とも0度
・身体障害者手帳2級
申請結果障害基礎年金2級

事例の詳細ページ:【事例66】両未熟児網膜症|障害基礎年金2級

片目を失明されて障害年金の申請を検討されている方はお気軽にご相談下さい。

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