目次
対象者の基本データ
病名 | 完全房室ブロック |
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性別 | 女性 |
支給額 | |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金3級 |
当事務所スタッフによる事例紹介動画
当事務所のスタッフが実際に申請した流れを動画で詳しく説明しています。
当事務所の雰囲気を感じて頂けると思いますので、是非ご覧ください。
ご相談までの経緯
ご依頼者様は中学生の頃、学校の健康診断で心臓に異常を指摘され、経過観察のため定期的に通院されていました。
しかし、自覚症状も全くなく、医師から治療の指示もなかったため高校卒業時に受診を中断されました。
高校卒業後は、正社員として就職されます。
職場での健診で異常を指摘されたこともなく支障なく働くことができていました。
また、結婚し家事や子育ても支障なく日就生活を送ることができていましたが、37歳の頃に、突然、倦怠感やふらつきなどの症状が現れ受診することになります。
完全房室ブロックと診断されペースメーカーを入れる事になりました。
ネットで、ペースメーカを入れると障害年金が支給されることを知り弊社にお問合せいただくことになりました。
申請のポイント
ご依頼者様は初診日が中学生頃ですので障害基礎年金の対象になり2級以上に該当すれば障害基礎年金が支給されます。
しかし、ペースメーカーを入れた場合、原則、障害厚生年金3級に認定されますのでご依頼者様の場合は不支給となってしまいます。
ただ、ご依頼者様は20年ほどにわたって、自覚症状もなく就労、日常生活ともに全く支障なく過ごしておられました。
もちろん、循環器での受診や服薬等もありませんでした。
そこで、「社会的治癒」の法理(ポイント①参照)によって、初診日を社会的治癒後の厚生年金加入の日として申請することにしました。
申請においては、「社会的治癒」を立証する客観的な証拠がありませんでしたので、病歴就労状況等申立書に、20年間、自覚症状がなく、フルタイム勤務をしていたこと、家事・育児にも問題なく取り組んでいたことを詳述しました。
また、年金請求書や診断書の初診年月日も社会的治癒後の初診日に整備し申請しました。
結果
社会的治癒を証明する客観的資料は添付しませんでしたが、病歴就労状況等申立書の内容により社会的治癒が認められ、ご依頼者様は無事に障害厚生年金3級に認定されました。
これにより、今後の生活において経済的な安心感を得ることができるようになりました。
感想
今回の事例から、社会的治癒の認定が重要な要素であることを再確認しました。
特に、心臓疾患のケースでは、詳細な申立書の内容がなくても、社会的治癒が認められる可能性があることが示されました。
ただし、精神疾患の場合は、より詳細な記述が求められることが多いため、ケースごとに適切な対応が必要です。
心臓疾患のケースでは、客観的な証拠となる資料がなくても、社会的治癒が認められる可能性があることが示されました。
【ポイント1】社会的治癒
社会的治癒が認められると、初診日が変わります。
社会的治癒とは、「症状無し・生活に支障無し・就労可能な状態」が一定期間続いている場合などは、医学的には治癒とは言えなくとも治癒していると認めましょう!という制度です。
今回のケースのように「一度ケガや病気」となったが、しばらくの間問題なく生活していた後に「再度、症状が悪化・支障が出た」とき、最初のケガや病気は「治癒」その後「再発した」ものとして取り扱います。
障害年金上、再発した場合は「再発した後に初めて診察を受けた日」が初診日になります!
【ポイント2】心臓にペースメーカーを装着すると原則3級認定
心臓にペースメーカーやICDを装着した場合は、原則として3級として認定をされることとなります。
もし、装着後の検査結果や就労状況、日常生活の状況によっては2級以上に認定される可能性もあります。