目次
対象者の基本データ
病名 | 直腸がん |
---|---|
性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約59万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害厚生年金3級 |
ご相談までの経緯
血便があり、受診したところ精査したところ、直腸癌と診断されました。
すぐに、直腸切除術を受け、人工肛門造設となりました。
その後は、抗がん剤治療を受けていますが、副作用が強く1日の半分は横たわって過ごしています。
仕事にも復職できず、経済的な不安をお持ちでしたが、知人から人工肛門を造設していると、障害年金を受け取れると聞き申請を考えます。
ただ、外出も困難で、とても自分では手続きを進めることはできないと思い、ネットで障害年金に実績のある社会保険労務士事務所を探し、弊社にお問い合わせいただくことになりました。
申請結果
障害年金では、障害認定日から申請ができます。(ポイント①)
本来の障害認定日は、初診日から1年6ヵ月経過した日です。
しかし、人工肛門の場合は、初診日から1年6ヵ月経過していなかったとしても特例として、装着日から6ヵ月経過していれば障害年金の申請は可能です。(ポイント②)
そこで、特例に当てはまるかどうかご相談者様にお尋ねしたところ、該当することが分かりました。
しかも、初診日から、まだ7ヵ月しか経過していないので、本来よりも1年ほど早く申請できて、その分、早く障害年金を受け取れることをお伝えしたところ、ご相談者様からは、「本当ですか! とても助かります!」という喜びの言葉を頂きました。
手続きの過程で、等級について考えました。
人工肛門を入れている場合は、原則として3級に認定されますが、ご相談者様は倦怠感が強く1日の大半は横になって過ごされています。
そうであれば、2級の可能性はないのか。
現在の状態が、「日常生活において、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力での外出がほぼ出来ない」程度であれば、2級の可能性があります。
ご相談者様は、確かに日中の大半は横たわっておられますが、日常生活では介助を必要とするほどでもなく、買物や通院も一人で出来ています。
医師の意見も、「日常生活動作には問題がなく、就労も肉体労働以外は可能」とのことでした。
また、下痢などの自覚症状も軽減しており、検査数値も全て正常範囲内であり、2級のハードルは高いと判断しました。
審査の結果は、想定通り「障害厚生年金3級」となり、障害認定日の翌月分からの障害年金が支給されることになりました。
本事例のように、原則としての障害認定日(初診日から1年6ヵ月経過した日)前に申請できる場合がございます。(ポイント③)
ご自身の傷病が、該当するかどうかお分かりにならない場合は、ぜひ、弊社にご相談ください。
【ポイント1】障害認定日とは
「障害認定日」とは、原則「請求する傷病の初診日から1年半経過した日」または「1年半経過前にその傷病が治った日(症状固定した日も含まれます。)」のことを言います。
傷病が治った日、症状固定した日とは、医学的に傷病が治ったとき、または、その症状が安定・固定し、これ以上治療の効果が期待出来ない状態に至った場合のことを言います。
ただし、医師が症状固定とした場合でも障害年金では症状固定として認められないこともありますのでご注意ください。
【ポイント2】障害認定日の特例(人工肛門)
障害認定日は、原則『初診日から1年6ヵ月を経過した日』を言います。
しかし人工肛門を造設した場合は、特例として『造設した日から6ヵ月を経過した日』または『初診日から1年6ヵ月を経過した日』のいずれか早い方が障害認定日となります。
これを障害認定日の特例と言い、その日以降であれば障害年金の申請ができます。
【ポイント3】障害認定日の特例
次の日が、初診日から1年6ヵ月を経過する前にある時は、その日が障害認定日となります。
- 咽頭全摘出・・・摘出した日
- 人工関節、人工骨頭挿入置換・・・挿入置換した日
- 切断、離断・・・切断、離断した日
- 脳血管障害による機能障害・・・初診日から6ヵ月経過後の症状固定した日
- 在宅酸素療法・・・在宅酸素療法開始の日(常時使用の場合)
- 人工弁、ペースメーカー、ICD・・・装着した日
- 心臓移植、人工心臓、補助人工心臓・・・移植日または装着日
- CRT,CRT-D・・・装着日
- 人工血管(ステントグラフトも含む)・・・挿入置換した日
- 人工透析療法・・。透析開始日から3ヵ月経過した日
- 人工肛門造設、尿路変更術・・・造設日または手術日から起算して6ヵ月を経過した日
- 新膀胱造設・・・造設日
- 遷延性植物状態・・・植物状態に至った日から起算して3カ月経過した日以後
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