目次
対象者の基本データ
病名 | 双極性障害(そうきょくせいしょうがい) |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約120万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金2級 |
ご相談までの経緯
15年程前、誘因なく気持ちが落ち込むようになりました。
職場のメンタルヘルスチェックを実施した際に「抑うつ状態となっているため至急専門医を受診するように」との結果が出た為、家族に病院を探してもらい、医療機関の受診に至りました。
A病院では「うつ病」と診断され、薬物療法を始めましたが、主治医の先生になかなか自身の状況を伝えることが出来ない為、症状改善は乏しく、転院することとなりました。
その後はうつ状態と躁状態を繰り返すようになり、「双極性感情障害」へと傷病名は変更されました。
症状の波が激しいことや家庭の事情もあり、転院を繰り返したり、自身の体調把握が出来ず体調が優れないにも関わらず無理をして職に就く等、不安定な状況が続きました。
現在も治療を継続していますが、気分変動が続いており、一人では自発的に行動を起こすことが出来ない為、日常生活は母と訪問看護師の支援により成り立っている状況です。
精神障害者保健福祉手帳の更新手続きの為に役所を訪れた際、障害年金が受けられる可能性がある旨を説明いただき、その足で年金事務所を訪れました。
しかし、難しい話に年金事務所の窓口での対応がうまく出来ず、パニック発作を起こしてしまいました。
以降、窓口へ赴いての手続きは出来ないとして諦めかけていましたが、ネットで遠隔サポートが可能な当事務所を見つけ、LINE@よりご相談いただきました。
申請結果
現在までの経過や日常生活状況などをヒアリングさせていただき、受給の可能性が高いことからすぐに手続き着手となりました。
電話や対面でのやり取りは負担が大きい為、書面やLINEで全てやり取りを行い進めていきました。
現在まで7か所の医療機関を受診しており、初診日は15年程前とのことでしたので、初診日証明が取得できるかどうかが請求のポイントとなりました。
まず初診病院へ問い合わせを行いましたが、既にカルテが破棄されており、初診証明を取得することが出来ませんでした。
取得可能な限り受診歴の古い医療機関で受診状況等証明書を取得する必要があるため、第2病院、第3病院へと順に問い合わせを行いました。
第2病院ではカルテが破棄されていましたが、第3病院でカルテが残っており、受診状況等証明書を作成していただくことが出来ました。
また作成していただいた受診状況等証明書、前医(第2病院)からの紹介状の内容から初診病院の受診時期を確認することが出来たため、何とか初診日の証明書類を整えることが出来ました。(ポイント①)
初診日が確定し、保険料の納付要件も問題なく満たしていることを確認し、診断書の作成依頼へと進めました。
診断書の依頼に当たっては、取得した受診状況等証明書の内容を間違いなく診断書にも反映していただく為、受診状況等証明書の写しを添付し、その他現在までの発育教育歴や治療歴、事前にヒアリングした日常生活状況などを参考資料としてまとめて主治医の先生に橋渡ししました。
初診日証明書類や診断書の内容だけではわからない発病から現在までの約15年程の経過について病歴就労状況等申立書に記載し、申請しました。
申請の結果、「障害厚生年金2級」として認定されました。
【ポイント1】初診日の証明が出来ない場合の対処法
障害年金では初診日の証明がとても重要です。
この証明に使う書類を受診状況等証明書といいます。
これが取得出来なければ、最悪、請求ができなくなります。
特に、初診日がかなり昔の場合、当時の病院が廃院になっていたり、カルテがなく「受診状況等証明書」を書いてもらえないといった事が起こります。
この時は、古い順に「受診状況等証明書」が取れるまで病院に作成を依頼していきましょう。
また、紹介状があれば忘れずに頂きましょう。
それと同時に、初診の病院を受診していた証拠になる物(診察券や領収書、お薬手帳など)なども探して下さい。
こういった資料を「受診状況等証明書が添付できない申立書」と一緒に提出すれば初診日として認定される可能性があります。
また、カルテがないという理由で「受診状況等証明書」作成を断られても、病院のパソコンに通院記録が残ってる場合もありますので、確認して下さい。
このように、すぐに諦めず、いろいろな方法を探っていきましょう。
なお、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
【ポイント2】診断書(精神の障害用)
精神疾患での障害年金を申請する際は、病状だけでなく、日常生活及び就労の状況もポイントとなります。
診察時に日常生活及び就労状況をうまく伝えられていない場合は、実際の状況と不釣合いな診断書となってしまう可能性があります。
診断書作成前に医師から詳しく状況を聞かれることもありますが、ヒアリングがない場合などは自ら伝えることが大事です。
伝え方は様々ですが、限られた診察時間では全てを伝えることが困難、医師を目の前にするとうまく伝えられないなどの場合はメモなどに記載してお渡しするのがよいでしょう。
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