目次
対象者の基本データ
病名 | 自閉症スペクトラム・軽度知的障害 |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
出生後、3カ月検診時に発達の遅れが出る可能性を指摘されたそうです。
その後、見守っていましたが、発語に遅れが見られました。
一旦は、様子を見ることとなり特に医療機関を受診することはなかったそうです。
幼稚園に入るころには、発達の遅れが顕著となり、多動や強いこだわりも見られるようになったため、医療機関を受診することにしました。
小学校、中学校は特別支援学級で過ごし、高校は特別支援学校へ入学しました。
パニックを起こしたり、多動が見られることもあり、対人交流は乏しく集団生活に馴染めずにいました。
卒業後の進路については手厚いサポートがあり、実習を経て障害者枠にて就職が決まりました。
20歳を目前にしてご家族様は障害年金の申請を考え始めましたが、知的障害については軽度ということもあり、障害年金を受給できるのか不安に感じ、当事務所にお問い合わせをいただきました。
申請結果
幼少期に通院歴はあったものの、その後、通院の必要性を感じず、医療機関を受診されていませんでした。
1日6時間の就労もしており、知的障害に関しては軽度であったため、ご家族様は障害年金を受給できるのかご不安でいらっしゃいました。
知的障害の申請は、IQのみで判断されると思われがちですが、そうではありません。
日常生活におけるさまざまな場面での支援の必要性をしっかりと訴えていくことが重要です。(ポイント①)
今回、知的障害がありますので、初診日の証明書である受診状況等証明書は不要です。
通院に関しては幼少期に受診をしていたものの、その後は通院をしていませんでした。
そのため、診断書を作成いただくために医療機関への受診が必要でした。
知的障害の場合、20歳のお誕生日を挟んで前後3カ月以内の診断書を取得することになります。(ポイント②)
かかりつけの病院でない場合は、診断書作成のための事前面談が行われることが多いです。
これから20歳を迎えるお子様の障害年金をお考えの場合は、診断書を作成してもらえる病院を探して、予約を取る必要があるのか等を確認しておかれることをおススメします。
今回の事例でも、障害年金申請のために受診をして診断書を作成いただきました。
事前に病院にて面談があり、幼少期や現在の日常生活、就労についてしっかりとヒアリングが行われ、その内容を診断書に反映していただきました。
もちろん、弊社からも日常生活への支障についてまとめた資料を橋渡ししました。
病歴就労状況等申立書では、就労にあたり手厚いサポートを受けていることや、職場での配慮のもとで就労可能となっていることを記載いたしました。
結果、障害基礎年金2級と認定されました。
【ポイント1】知的障害はIQのみで判断しない
精神発達遅滞(知的障害)は、IQのみで判断されると思いがちです。
しかし障害年金では、IQに加えて『日常生活のさまざまな場面における援助の必要度』が重視されます。
そのためIQレベルが軽度に分類される場合であっても、支援状況などによっては障害年金の受給が認められる場合があります。
【ポイント2】知的障害の障害認定日
知的障害の場合は出生日が初診日となります。
そのため、障害認定日は他の20歳前傷病と同様に「20歳の誕生日の前日」となります。
そして、認定日請求や遡及請求の際には、障害認定日前3ヵ月から障害認定日以降3ヵ月以内の診断書が必要になります。
なお、知的障害の場合、他の傷病と違い「受診状況等証明書」(初診日の証明)は不要です。
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