【事例76】うつ病|障害基礎年金2級(20歳より前に初診日がある事例)

うつ病|障害基礎年金2級 

対象者の基本データ

病名 鬱病(うつびょう)
性別 男性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • 他人への恐怖感が強く人間関係の構築ができないため、就労できない
  • 日常生活は両親の支援で成り立っている
  • 医療保護入院
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

平成17年に、専門学校に入学されました。

ある日、通学の電車内で、突然、強い不安に襲われパニックとなり転倒し救急搬送されたそうです。

その後も、同じような症状が続き、その都度、短期入院を繰り返されていました。

しかし、症状が改善せず、専門学校を中退しご実家に帰省されました。

ご実家で2か月ほど休養を取られたことで病状も軽減されました。

そこで、少し不安はありましたがお仕事をする決断をされました。

ところが、職場での人間関係がうまくいかず、再び、以前のような症状が出現し、ご実家の近くの医療機関への通院されることになりました。

お仕事も短期間で転々とされましたが、どの職場でも人間関係がうまくいかず、他人への恐怖感、息苦しさや動悸、倦怠感、疲労感は強まるばかりで、イライラ感がつのり、やがて、家庭内でも暴れるようになりました。

今では、就労もできず部屋に引きこもり無為に1日を過ごす生活が続いてるとのことです。

ご本人の将来を心配されたご両親から障害年金のお話を聞かれ、ご自身の受給についてのご相談を受けることになりました。

 

申請結果

ご相談様からのヒアリングで、初診日が20歳前であること、そして、障害認定日(ポイント②)の頃は受診されていないことが分かりました。

そこで、事後重症請求での手続きを始めました。「初診の証明(受診状況等証明書)」に続いて、「診断書」の依頼をしました。

主治医の先生には、前もって、ご相談者の日常生活の状況や他者とのコミュニケーション等につき詳細にお伝えしましたが、完成した診断書は想定より軽い内容になっていました。

20歳前傷病は障害基礎年金の対象になりますので2級以上に該当しなければなりません。

このまま申請すれば、3級には該当しても2級は難しいと考え、再度、ご相談者様へヒアリングを行いました。

その結果、医療保護入院されていた事実が判明しました。

そこで、診断書に医療保護入院についての追記をお願いしました。同時に「病歴・就労等申立書」において、医療保護入院に至った経過などを細かく記載して申請しました。

その結果、2か月というスピード審査で、障害基礎年金2級に認定されました。

 

【ポイント1】20歳より前に初診日がある場合の障害等級

初診日が10代の場合などは「20歳前傷病」となります。

20歳前傷病は、年金未加入のため障害等級「2級以上」に該当する必要があります。

3級はありませんのでご注意ください。

 

【ポイント2】障害認定日とは

障害の程度の認定する日を『障害認定日』と言います。

障害認定日は原則として、初診日から1年6ヵ月後の日です。(※特例もあります)

障害認定日の状態が障害等級に当てはまると、障害年金が支給されます。

また障害認定日に等級に該当しない場合でも、今後症状が悪化して等級に当てはまるようになった時には請求することが可能です。

なお、何らかの理由で障害年金の請求が遅れてしまったり、手続きを忘れていたときには認定日請求(遡及請求)という方法にて、最大5年間分の貰い忘れていた障害年金を受け取れる可能性があります。

 

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