【事例704】双極性障害|障害基礎年金2級

双極性障害基礎年金2級事例

対象者の基本データ

病名 双極性障害(そうきょくせいしょうがい)
性別 女性
支給額 金額 約78万円
障害の状態
  • うつ状態ではセルフネグレクト状態に陥り、周囲の経常的な見守り支援が必要となる
  • 躁状態では過活動、多弁、他者に依存的となり、基本的な日常生活動作も疎かとなる
  • 傷病が原因で退職に至り、現在は就労していない
  • 精神障害者保健福祉手帳3級
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

ご相談者様は、幼少期から多動、衝動性の症状がありました。

ただ、成績も優秀で、障害があるという認識はなく、受診には至らなかったそうです。

しかし、大学入学後、急激に憂うつ感や不安感、イライラ、不眠といったうつ症状が現れ、何に対しても意欲や気力が湧かなくなり、受診することになります。

病院で検査の結果、注意欠如多動症と診断されて薬物療法、精神療法を受けます。

大学卒業後、就職しましたが、仕事に集中できず同じミスを繰返すなど支障が大きく、1年足らずで退職します。

部屋の中はゴミ屋敷状態で、日常生活も破綻しており、一人暮らしに限界を感じ、帰省して実家で静養することになりました。

その後、症状が安定したため、再就職するものの、以前と同じような状態となり、やはり1年足らずで退職に追い込まれます。

薬物療法を継続していますが、症状が安定せず、躁状態とうつ状態を繰り返しています。

現在は、双極性障害と診断され、薬物療法、精神療法を受けていますが、症状は安定せず、就労もできない状況です。

いつまでこのような状況が続くのか考えると、不安で夜も眠れない日が続いていました。

そんな時、知人から障害年金の申請を勧められます。

自分で手続きをしようとしても何から始めればよいかもわからず、弊社にご相談を頂く事になりました。

 

申請結果

障害年金の申請ではまず初診日の特定が大切になります。(ポイント①)

今回のご相談者様の場合、初診時は限界を迎えた中で病院に駆け込んだ状況であった為、どの医療機関を受診したかはっきりとした記憶がない状況で手続きを始めることとなりました。

初めて受診した医療機関は全く検討が付かなかったため、まずは受診した記憶のある2番目に受診した病院へ問い合わせを行いました。

当事務所より事情を説明したところ、2番目の病院のカルテ上に初診病院の名前の記載があったことから、初診病院の特定に至りました。

改めて初診病院へと連絡を取り、初診日の証明となる受診状況等証明書の作成をしていただき、時間はかかりましたが初診日を特定することが出来ました。

初診日の特定後は診断書の取得もスムーズに進み、結果的に着手から2か月程で提出に至りました。

申請の結果、「障害基礎年金2級」として認定されました。

障害年金の申請はご相談者様の病歴によって必要となる書類が異なります。

診断書には有効期限があるため、時間がかかってでも初診日の証明取得から順を追って書類を集めていく方がより正確に早く申請出来ると思います。(ポイント②)

そのためご自身で請求を考えられている場合は年金事務所や役所のご案内に沿って手続きを進められることをお勧めいたします。

 

【ポイント1】初診日が大切な理由

障害年金では、初診日が最も重要とされています。

なぜ重要なのかというと、初診日は以下のように様々な『基準』となる為です。

 

①制度加入要件

初診日にどの制度に加入していたかで、受けられる年金が決まります。

 

②保険料納付要件

障害年金を申請するには、初診日の前々月から数えて一定期間の保険料を納めている必要があります。

 

③障害認定日の起算点

原則として『初診日から1年6ヵ月経過した日』に障害の程度を認定します。

これを障害認定日と言い、この日以降で無ければ障害年金の請求が出来ません。

初診日が大切な理由に関しては、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

【ポイント2】診断書の期限

障害年金の診断書には「現症日」を記載する欄がございます。

現症日とは、診断書に記載されている障害の状態がいつの時点のものかを示すものです。

事後重症請求の場合は、「診断書の現症日から3ヵ月以内」に申請を行わなければ申請時点の障害の状態が確認できないとして、受け付けてもらうことが出来ません。

診断書が期限切れとなった場合、内容の再評価・訂正または障害によっては一から診断書を再発行する必要があります。

他の書類を作成している間に診断書が期限切れ、、ということにならないためにも障害年金では書類を準備する手順も重要であると言えます。

診断書の有効期限に関しましては以下の動画でも説明していますので、ご参照下さい。

 

その他の精神の事例

 

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