【事例528】知的障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)|障害基礎年金2級

知的障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 知的障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)
性別 女性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • 感情のコントロールができない
  • 場所や状況に関わらず多弁・多動になる
  • 音に対しての感覚過敏
  • 意思疎通は簡単な内容に限られる
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

小学生の頃から、算数や国語の読解が苦手で、小中学校は支援学級で過ごしていました。

高校も特別支援学校に通っていましたが、集団になじめず周りと良好なコミュニケーションをとることができない状況でした。

家庭でもイライラして暴れまわることがあったそうです。

卒業後は、就労継続支援A型事業所に通所していました。

周囲の人とトラブルになることがあり、仕事がなかなか覚えられないなどの支障があったため、事業所の職員様より障害年金の対象になるのではないかと代理でお問い合わせをいただきました。

 

申請結果

今回、ご本人様がちょうど20歳になられたのを機に、障害年金の制度をご存じだった事業所の職員様から代理でご依頼をいただきました。

知的障害の場合は、20歳の誕生日の前日が障害認定日となります。(ポイント①②)

診断書を医師へ依頼するにあたり、主な書類のやり取りは事業所様を通じて行いました。

ご本人様への症状の聞き取りなどもご協力いただきました。

事業所での様子については、周囲との関係性、仕事での支障の大きさなど、職員様がしっかりと見てくださっており詳細を教えていただくことができました。

それらの内容をまとめた資料を作成し、主治医の先生に診断書の作成を依頼しました。

しっかりと症状についてご確認いただき、ご依頼者様の状態を反映した診断書を作成いただけました。

結果、無事に障害基礎年金2級と認定されました。

 

【ポイント1】20歳前傷病による障害認定日請求

20歳前傷病の場合の障害認定日は初診日から1年6ヵ月を経過した日が20歳到達日より前にあるか、後にあるかによって取り扱いが変わります。
(※20歳到達日:20歳の誕生日前日のことを言います)

  • 初診日から1年6ヵ月経過した日が20歳到達日よりも前にある場合:20歳到達日が障害認定日
  • 初診日から1年6ヵ月経過した日が20歳到達日よりも後にある場合:原則通り初診日から1年6ヵ月経過した日が障害認定日

20歳前傷病による障害認定日請求を行う場合、上記障害認定日の前後3ヵ月以内現症の診断書が必要となります。

 

【ポイント2】知的障害の初診日

精神発達遅滞(知的障害)は、知的機能の障害がおおむね18歳までに現れることが多いとされています。

そのため、初診日が20歳未満であると推定されます。

よって、原則として初診日を証明する必要が無く、申請に必要な『受診状況等証明書』も不要です。
(※)軽度の知的障害の場合は、初診日の証明を必要とする場合があります。

 

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