目次
対象者の基本データ
病名 | 自閉症スペクトラム・知的障害・学習障害 |
---|---|
性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約78万円 遡及金額 約26万円 |
障害の状態 |
|
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
間もなく20歳を迎えるお子様の障害年金について、お母様よりご相談がありました。
ご本人様は幼少期より健診で言葉の遅れ等を指摘されており、小学校に入学以降は学習に遅れが目立ち始めたそうです。
担任の先生と相談し検査を受けた結果「広汎性発達障害」と診断されるに至りました。
以降、家族はもちろん、医療機関や学校からのサポートを受けながら過ごしていたという事です。
間もなく20歳を迎えるという事で、税金等の義務が発生してくることに不安を感じ、お母様が市役所に相談へ行ったところ「障害年金申請」を進められたそうです。
申請を決意し主治医に相談したところ専門家に依頼することを勧められ、お母様より当事務所へご相談の連絡を頂きました。
申請結果
お母様からご本人様の詳細な状況をお伺いしたところ、日常生活に支障が大きいものの「現在就労中である」という事でした。
本ケースは初診日が20歳よりも前のため、今回は「2級以上」に該当することが認定の条件となります。(ポイント①)
そして精神障害での申請では、就労状況も審査で重要視される項目ですので、就労している場合は不支給となる可能性もあります。(ポイント②)
よって「どのような環境下で就労が成り立っているか」がきちんと把握できる内容にて申請することと致しました。
そこで、診断書依頼時には医師にも就労状況を把握頂けるよう「就労内容」や「職場から受けている支援・配慮」「就労時の支障」などをまとめた書類を参考資料として添付いたしました。
完成した診断書には、日常生活の状況だけでなく、就労状況についても、職場でのコミュニュケーションをとることができないので共同作業ができず、指定された場所で単純な単独作業のみに従事していると正確にご相談者様の状況が反映されていました。
また病歴就労状況申立書に、診断書だけでは把握しきれない詳細な就労状況を記載するとともに生活での支障もしっかりと主張しました。
本事例では、ご本人様が意思疎通が不得手という事でしたので、全てお母様を通じてお手続きを進めさせて頂き申請することができました。
結果は、「障害基礎年金2級」に認定され、障害認定日の翌月分から障害年金が受給されることになりました。
【ポイント1】20歳前傷病の等級
障害年金では、先天性の疾患や初診日が20歳より前にある場合を『20歳前傷病』と言います。
20歳前傷病の場合、受け取れる障害年金の種類は『障害基礎年金』です。
障害基礎年金には、3級が無いため、必ず障害等級2級以上に該当する必要があります。
【ポイント2】精神疾患と就労
必ずしも「就労している=不支給」とは限りません。
とはいえ、精神疾患の場合は、審査上、就労の有無が重要なポイントとなってきます。
就労している継続年数や、就労形態についても審査では見られます。
就労している場合は、会社から受けている配慮や、帰宅後や休日の体調などを申し立てることも必要です。
たとえば、体調が悪化した場合の早退、通院のための遅刻や、その他、業務を行う上での配慮を受けていれば、そのあたりも記載します。
また、なんとかがんばって会社に行けても、帰宅した途端どっと疲れが出て寝込んでしまう場合や、休日は家事も一切できない場合なども、医師にしっかり伝え、診断書に反映していただくことも大切です。
障害年金と就労に関しては以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。
【ポイント3】診断書(精神の障害用)
精神疾患での障害年金を申請する際は、病状だけでなく、日常生活及び就労の状況もポイントとなります。
診察時に日常生活及び就労状況をうまく伝えられていない場合は、実際の状況と不釣合いな診断書となってしまう可能性があります。
診断書作成前に医師から詳しく状況を聞かれることもありますが、ヒアリングがない場合などは自ら伝えることが大事です。
伝え方は様々ですが、限られた診察時間では全てを伝えることが困難、医師を目の前にするとうまく伝えられないなどの場合はメモなどに記載してお渡しするのがよいでしょう。
以下の動画でも、精神の障害用の診断書に関する説明をしておりますので、宜しければご覧ください。
その他の精神の事例
精神の障害の新着事例
よく読まれる精神の障害の事例