【事例486】両側感音難聴|障害基礎年金2級

両側感音難聴|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 両側感音難聴
性別 女性
支給額 年額 約78万円
障害の状態
  • 両耳の聴力レベルが90dB以上
  • 補聴器をしていても十分に聴こえず、話が理解出来なかったり、呼びかけにも気づかない事がある
  • 外出時は危険を音で察知することが出来ない
  • 身体障害者手帳4級
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

幼少期に周囲の声掛けに反応しないことがあり、難聴の疑いがありました。

小学校の頃の聴力検査で指摘を受けたことで医療機関への通院を始められました。

医療機関で検査を受けたところ「両側感音難聴」と診断を受け、補聴器装用を勧められ、それ以降、1年~5年の頻度で定期的に通院を継続されるようになりました。

成人し、就労の場面では障害のため職業選択に制限があり、自立への焦りと将来への不安を抱えていました。

そんな中、ネットで障害年金の制度を知り、制度について調べるようになりましたが、受給要件に該当するのかも分からず、また初診日がかなり前ということもあり、手続きに不安があるため、当事務所にメールでご相談をいただきました。

 

申請結果

これまでの通院歴をお伺いし、初診日の証明が取得できるかどうかが今回の請求のポイントになると考えました。

通院歴はA病院→B病院→10年程受診なし→A病院→C病院でしたので、A病院で最初に受診した際のカルテが残っているかどうか、残っていなかった場合の対応も事前に検討し、手続きに着手しました。

A病院に初診日の証明となる受診状況等証明書の作成のため連絡を取ったところ、直近受診時のカルテが残っていることはすぐに確認いただけましたが、最初に受診した当時は紙カルテであったため、作成出来るかどうかカルテの確認を含めて、少し時間が欲しいとお返事をいただきました。

カルテが残っていなかった場合に備え、身体障害者手帳申請時の診断書の取り寄せの準備も始め、祈るような思いで連絡を待ちました。

結果的には初診時の紙カルテが残っていたため、問題なく受診状況等証明書を作成いただけることとなりました。

初診日の証明が完成したため、現在通院中の病院で診断書を作成していただき、診断書だけでは伝わらない日常生活や就労の状況等は病歴就労状況等証明書で申し立て、申請を行いました。

結果、障害基礎年金2級として認定されました。

 

【ポイント1】 初診日の証明が出来ない場合

障害年金は初診日主義とも言われており、初診日の証明が出来ないと障害年金を受給することが出来ません。

初診日の証明は受診状況等証明書という様式を用いて行います。

この受診状況等証明書は、本来であればカルテに基づいて記載をしてもらう必要がありますが、初診病院が廃院している場合や既にカルテが破棄されている場合等は受診状況等証明書が取得できないこととなります。

そこで受診状況等証明書が取得できない場合に使用するのが、受診状況等証明書が添付出来ない申立書です。

この受診状況等証明書が添付出来ない申立書はご自身で最初に受けた医療機関名や場所、受診期間等を記載する書類です。

ただし、この書類を作成するだけでは、客観的証拠が不十分として、申請する初診日を認めてもらうことは出来ません。

申請する初診日が明らかに確認できる客観的な証拠書類を添付して、初めて有効とされます。

客観的な証拠書類としては以下のようなものがあります。

  • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳
  • 身体障害者手帳等の申請時の診断書
  • 生命保険、損害保険、労災保険の給付申請時の診断書
  • 事業所等の健康診断の記録
  • 母子健康手帳
  • 健康保険の給付記録
  • お薬手帳、領収書、診察券
  • 盲学校、ろう学校の在学証明・卒業証書
  • 第三者証明

など

受診状況等証明書が取得できない場合でも、証拠書類を積み上げ認められたケースも多くありますので諦めないことが大切です。

なお、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

【ポイント2】 聴覚障害の測定方法

聴覚障害では、両耳それぞれの聴力で判定されます。

測定方法としては、オージオメーターという機械を使用し「純音聴力レベル値の測定・語音明瞭度の検査」を行います。

また、測定時は補助器具(補聴器等)なしの状態で測定します。

 

その他の精神の事例

 

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