目次
対象者の基本データ
病名 | 末期腎不全(まっきじんふぜん) |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約154万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金2級 |
ご相談までの経緯
20年程前に健康診断で蛋白尿が出ていることの指摘を受けた事があったそうです。
しかし、当時は自覚症状も殆どなく、すぐに医療機関へ受診することはありませんでした。
指摘を受けてから数年後、身体の不調を感じ、以前健康診断で指摘を受けたことを思い出し、親戚の紹介でA病院受診後すぐに腎生検を実施し「ネフローゼ症候群」と診断を受け、治療を受けるようになりました。
治療を始めてからしばらくすると自覚症状は消え、治療の必要もないだろうと自己判断で通院治療を中断。
15年程経過し、突然全身倦怠感が出現し、食事量が極端に減り、2ヶ月で20kg程体重が減ったため、不安になり、再びA病院を受診されました。
「末期腎不全」の診断で、すぐに透析導入が必要とされ、即日入院となりました。
入院となったことで、今後の将来への不安から障害年金申請のため社労士を探していたところ、Youtubeより当事務所を知り、ご本人様を支えるご家族様よりご相談をいただきました。
申請結果
ご相談いただいた時点で、今回の申請のポイントは初診日の証明に限ると考えました。
受診された医療機関はA病院のみでしたが、初診日が20年程前であったことと、途中自己判断で通院していない期間があったことから、20年前の初診日時点のカルテは破棄されていることが想定されました。
初診病院と現在通院中の病院が同じ場合は、初診日の証明となる受診状況等証明書は必要ありません(ポイント①)ので、手続きを始め、すぐにA病院へ診断書の作成依頼を行いました。
完成した診断書を確認すると、ご本人様の状態は的確に記載されていましたが、肝心の初診日についての記載は20年程前の初診日時点のカルテが破棄されていることから、初診日が不詳とされていました。
障害年金では初診日の証明ができなければ、障害の状態が等級に該当していても、受給することが出来ません。
医療機関で初診日に関する医証を取得することが出来ない場合は他の客観的な証拠書類等により、初診日を証明する方法を検討する必要があります。
そこで最初にご相談いただいた際にお伺いしていた医療機関への受診契機となる健康診断の結果記録が初診日証明とならないか検討しました。(ポイント②)
早速、当時の健診結果を取り寄せ、結果内容を確認すると、すぐにでも治療が必要な程度の結果が出ていたため、健診日を初診日として申立て書類を作成し、申請を行いました。
結果、申し立てた健診日が初診日として認定され、障害厚生年金2級として支給が始まりました。
【ポイント1】初診病院と現病院が同じ場合の医証
障害年金では医師に記載して貰う書類(医証)は下記のとおり複数枚あることが基本です。
①初めて受診した病院で記載してもらう『受診状況等証明書』が1枚
②現在の病院で書いてもらう『診断書』が1枚
一方、初診から現在まで同じ病院で、今後の障害年金のみを請求する場合は、①が不要となり、②の1枚でOKです。
(※)認定日請求といって過去にさかのぼって申請を行うときはさらにもう1枚必要となることがあります。
【ポイント2】医証が取得できない場合の健診日の取扱いについて
初診日は原則として初めて治療目的で医療機関を受診した日であり、健康診断を受けた日は初診日として認定されることはありません。
ただし、初めて治療目的で医療機関を受診した日の証明を取得することが出来ない場合で、医学的見地からただちに治療が必要と認められる健診結果である場合については、健診日を初診日とするよう申立てがあれば健診日を初診日として認定される可能性があります。
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