目次
対象者の基本データ
| 病名 | 左不全麻痺 |
|---|---|
| 性別 | 女性 |
| 支給額 | 年額 約５９万円 遡及金額 約２９万円 |
| 障害の状態 |
|
| 申請結果 | 障害厚生年金３級 |
ご相談までの経緯
平成30年春頃、突然、左足に力が入らなくなったそうです。
当初は一時的なものとお考えでしたが、翌日、症状が悪化したため救急搬送されました。
検査の結果、脳梗塞と診断され、即日、入院となりました。
薬物処方による保存的加療、リハビリを経て退院となりましたが、現状維持目的のリハビリを今も継続されています。
現在は、左半身の麻痺と痛みのため、杖が無いと歩行も困難であり、日常生活にも支障があり、就労も困難な状況が続いています。
収入の目処も立たず、将来への不安をお持ちでした。
そんな時、医療関係の仕事をされているお子様から障害年金の話を聞き、申請をお考えになりました。
ただ、外出も困難な状況で、とてもご自身では準備ができないとのことで、ネットで当事務所のホームページをご覧になり、ご相談を頂きました。
申請結果
まず、ご相談者様から今迄の経緯と現在の状況を伺いました。
まず請求方法は、障害認定日から1年以内での本来請求となります。
病院から取り寄せる書類は、脳梗塞で初めて受診した病院から「受診状況等証明書」、そして、現在受診している病院からの「診断書」のみとなります。
（請求方法につきましてはポイント①をご参照ください。また、本事例は該当しませんが、脳血管障害による機能障害につきましては、障害認定日につきまして特例があります。詳しくはポイント②をご参照ください。）
「受診状況等証明書」は、初診日が2年ほど前ということもあってカルテも残っておりスムーズに入手することができました。
次に診断書です。
ご相談者様は脳梗塞が原因で左半身に障害がありますので、「肢体の機能の障害」として申請することになり、審査では「日常生活における動作」がポイントになります。
そこで、診断書を依頼する前に、ご相談者様から、【手指の機能】、【上肢の機能】、【下肢の機能】について詳細にヒアリングをしました。
そして、主治医の先生には、ヒアリングの内容をまとめた資料を添えて診断書の記載をお願いしました。
完成した診断書では、「日常生活における動作」の多くが、「一人でできてもやや不自由」、「一人でできるが非常に不自由」となっており、認定されることを確信して申請することができました。
結果は、『障害厚生年金3級』に認定されました。
【ポイント１】障害認定日から1年以内の請求方法
障害認定日から1年以内に障害年金を請求する方法を本来請求（障害認定日請求）と言います。
診断書は、原則『障害認定日から3ヵ月以内のもの』を用意します。
認定された場合は、障害認定日の翌月から障害年金が支給されます。
なお、障害認定日から1年以上経過してから障害認定日請求を行う場合は、下記の2枚の診断書が必要となります。
- 原則、障害認定日から「3ヵ月以内」のもの：1枚
- 請求日から「3ヵ月以前」のもの：1枚
【ポイント２】障害認定日の特例（脳血管障害）
障害認定日は、原則『初診日から1年6ヵ月を経過した日』です。
しかし脳梗塞などの脳血管障害の場合は、特例として以下を全て満たすと1年6ヵ月を待たずに障害年金の申請ができます。
①初診日から6ヵ月経過している
②医学的にこれ以上の改善が見込めない
③症状固定と判断されている
これを障害認定日の特例と言います。
その他の肢体の障害の事例
