【事例351】うつ病|障害基礎年金2級(審査請求・再審査請求をした事例)

うつ病|障害基礎年金2級 

対象者の基本データ

病名 鬱病(うつびょう)
性別 女性
支給額 年額 約79万円
障害の状態
  • 就労は困難で生活にも見守り、支援が必要
  • 障害状態は2級相当と考えられる
  • 障害認定日(20歳当時)も現在と同程度のため認定日請求を合わせて実施
  • 当初の申請にて『不支給』となった
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

ご相談者さまは中学生の時に『うつ病』と診断され、以降薬物治療を中心に治療を継続してきましたが、症状は改善することなく変化がないまま23歳となりました。

著しい意欲低下により自宅にずっと引きこもった状況で、食事や風呂等も声かけや支援が必要な状態が続いており、心配した祖父母が市役所にて相談したところ、障害年金申請を勧められ当事務所にご依頼がありました。

ご依頼を受け申請することとなり、等級は2級相当であると判断出来ました。

またお話から20歳当時の状態も現在と変化がない事から、認定日請求を合わせて実施。

ところが審査結果は『不支給』となり、これを不服として不服申し立てを行いました。

 

申請結果

当初の申請で不支給となった際、すぐさま不服として審査請求を実施しました。(ポイント①)

しかしその結果も『棄却』となったため、そのまま再審査請求を行う事となりました。

今回の決定では、障害認定日・現在ともに同程度の障害状態で、その程度は明らかに2級相当といえる状態にも関わらず『基準を満たしていない』とされていました。

うつ病のようなメンタル疾患の場合、就労状況や生活状況、支援状況などを総合的に見たうえで判断する事となっていますが、ご相談者さまの場合、労働は困難、生活も家族の支援があり何とか成り立っている状況でした。

よって、再審査請求ではご相談者さまの障害状態と生活等への支障・制限、周囲から受けている支援内容などを障害認定基準に照らし合わせつつ等級を満たすことを主張していきました。

また参考となる資料を添付し、主張内容が事実であることを証明する証拠としました。

再審査請求から約半年後、電話にて『原処分を変更する』との連絡があり、『不支給』とされていた決定が認定日、現在ともに『2級』に変更されることが決まりました。(ポイント②)

当初の申請から約1年6ヵ月と長い月日が経ちましたが、再審査請求が認められたことで20歳時点から発生していた約4年分の障害年金を一括で振り込まれ、今後も障害年金を受給できることとなりました。

 

【ポイント1】不服申立てについて

障害年金申請の結果、不支給となった場合や想定していた等級よりも低い等級で認定された場合など、決定に納得できない時は『ちょっと待った!』と不服であると申し立てることが出来ます。

これを『不服申立て』と言い、障害年金の不服申立て制度は以下のとおりの『二審制』となっています。

①審査請求(社会保険審査官が審査)
②再審査請求(社会保険審査会が審査)

審査請求で認められなかった場合、次の再審査請求を行うことが出来ます。

審査請求は社会保険審査官が一人で審査する一方、再審査請求は複数人の専門家が集まった『会』で審査されます。

【ポイント2】不服申立て後の裁決(決定)の種類とは?

審査請求や再審請求などの不服申立てによって、以下のような裁決(決定)がなされます。

■容認(ようにん)

不服申立ての内容を社会保険審査官や社会保険審査会が認め、不支給決定等を取り消すことです。

■棄却(ききゃく)

不服申立ての内容が認められず、不支給決定等が取り消されないことです。

■却下(きゃっか)

審査請求や再審査請求の要件を満たしていないため、不服申立てを受け付けないことです。

これに加えて『取下げ』というものがあります。

■取下げ

保険者(日本年金機構)が「不支給等とした決定は誤っていた」と認め、不支給決定等は撤回され皆さんが求める決定に変更されます。

この場合、審査請求や再審査請求は意味が無くなる為「不服申立てを取り下げ」中止となります。

 

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