【事例233】うつ病|障害厚生年金2級(別居の家族の加算が認められた事例)

うつ病の障害厚生年金2級

対象者の基本データ

病名 鬱病(うつびょう)
性別 男性
支給額 年額 約155万円
障害の状態
  • 自殺願望や自傷行為、抑うつ気分が続いている
  • 対人恐怖からほとんど引きこもり状態
  • 自殺に危険性があるため常に見守りが必要。よって家族と別居し実家にて療養
  • うつ症状のため就労出来ていない
  • 精神障がい者保健福祉手帳なし
申請結果 障害厚生年金2級

 

ご相談までの経緯

45歳の時、部署異動を機に職場にてパワハラを受け、頭痛やめまい睡眠障害などに悩まされるようになったそうです。

次第に症状が悪化し始め、自殺願望を持つようになったことから、心配した家族に付き添われ、近くの内科を受診。

うつ病・適応障害と診断を受け、就労は困難と言われ休職することになったそうです。

治療を開始してもなお、強い自殺願望があったため、専門の病院にて治療するようにと精神科を紹介されて転医。

その後も症状が改善しなかったことから、退職を余儀なくされました。

働けない状況に強い焦りを感じ、ネットなどで経済的な支援を調べていたところ、障害年金の存在を知ったそうで、当事務所にご連絡がありました。

 

申請結果

発症した時に会社に勤務していたため、ご相談頂いた時点では傷病手当金を受給中でした。

傷病手当金と障害年金は、ダブル受給できる訳ではありません。(ポイント①)

そのため傷病手当金を受給している期間に、障害年金申請の準備を行い、受給期間満了後に途切れることなく障害年金を受け取ることができるよう、計画的に申請を行うことにしました。

診断書には有効期限があるため、早く取得し過ぎても期限切れの恐れがあります。

この点に注意し、まずは申請の課題となる問題からクリアしていくことにしました。

今回の申請での一番の課題は『ご家族との別居』です。

ご相談者さまのケースでは2級以上に該当した場合『加算』が付きます。

ただ加算には『生計維持関係にあること』という条件があり、別居中の場合はこの生計維持関係が問題となってきます。(ポイント②)

この問題を解決するために使用したのが『生計同一関係に関する申立書』です。

この申立書は、別に住んでいるが家計等が同じである旨を第三者に証明して貰う書類です。

ご相談者さまのお話によるとご友人が諸事情をご存知の事でしたが、ただ「自身で伝えるのは難しい」とのことでした。

よって、私どもから事情をわかりやすくご説明させて頂いたところ、快く承諾してくださり無事証明を得ることが出来ました。

申請は当初の計画通りに完了し、結果『障害厚生年金2級』+『子の加算』+『奥様の加算』と認定されました。

 

【ポイント1】傷病手当金と障害年金の関係

傷病手当金とは社会保険のうち健康保険に設けられた制度です。

病気やケガで、お仕事が出来ない場合に最大で1年6ヶ月間の生活を保障する事を目的としています。

障害厚生(共済)年金を受給している人が、同じ傷病で傷病手当金を受けることが出来るケースでは、障害厚生(共済)年金が優先して支給され、傷病手当金は支給停止されます。

ただし、受給する障害厚生年金の額を360で割った額が、傷病手当金の1日当たりの額より少ないときは、その差額が傷病手当金として支給されます。

 

【ポイント2】加算の条件、生計維持関係とは

生計維持とは「生活(家計)が同じ」ということです。

障害年金を受けることができるようになったと時、要件を満たすことで『子の加算』や『配偶者の加算』が付くことがあります。

原則として同居していることが条件ですが、もし住民票の登録地が異なる場合でも、家計等が同じであることを証明できれば加算が付く可能性があります。

 

その他の精神の事例

 

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