【事例23】双極性障害|障害厚生年金2級(面会や電話のやりとりが困難な事例)

双極性障害厚生年金2級事例

対象者の基本データ

病名 双極性障害(そうきょくせいしょうがい)
性別 男性
支給額 年額 約107万円
障害の状態
  • 家族以外との関わりが持てない
  • 家族からの介助が必須
  • 自傷行為を伴う
  • 精神保険福祉手帳:なし
申請結果 障害厚生年金2級

 

ご相談までの経緯

元々家族関係で悩むことが多いほうでした。

20歳の頃に就職したのがブラック企業で毎月の残業が100時間を超えていたとのことでした。

それに加えて、上司からのプレッシャーもあり次第に出勤が出来なくなりました。

症状は悪化し、不眠や自傷行為がみられるようになったため、父親に連れられて初診となりました。

医師からも仕事は退職を進められたこともあり、自宅療養となりました。

あまりにも改善が見られないことから自暴自棄になり、23歳の頃、自己判断で通院を中断し、ODにより救急搬送をされたこともありました。

途中、社会復帰が出来ないかもという不安から幾度かアルバイトを試みましたが、集中力が持たずイージーミスを繰り返し長続きが出来なかったといいます。

日に日に症状が悪化する中で、将来への不安からご連絡を頂きました。

 

申請結果

まず、最初の連絡の時点で、かすかな力を振り絞ってお電話を頂いておりました。

その位に症状は思わしくなく、社労士との会話も負担が大きいことが伝わってきました。

当事務所ではそういった場合、無理な面談は行わず体調第一に考え遠隔サポートを行っています。

連絡もTELではなく、体調の良い時に返信を頂けるLINEやメールを使うようにしています。

ご本人様から頂く必要情報についても極力負担の掛からない形を意識した独自のアンケートを使って進めていきました。

うつ病などの精神疾患による障害年金の審査で重要となるのが、診断書の裏面にある日常生活能力の判定です。

例えば、その中に「食事は出来るか?」という項目があります。

当然、生きているということは少なからず、食事を取っているという事になります。

ただし、この診断書のチェックで注意しなければならないのは単に食事を摂っていることではなく、一人暮らしを想定して栄養バランスなどを考え、1日3食を適切に食べることが出来るかという事です。

ご依頼者様の場合、1日1食、お祖母様が作って部屋まで運ぶ御飯をかろうじて半分食べれるかどうかという状態でした。

これは到底、単身生活は出来る状態ではありません。

こういった、日常生活の背景も重要なポイントとなるため、審査担当者に伝わりやすいように資料を組み立てました。

ご本人様のペースを優先した関係上、少し時間は掛かってしまいましたが、結果的に障害厚生年金2級として認定されることが出来ました。

 

【ポイント1】障がい者手帳と障害年金の関係

障がい者手帳と障害年金は異なる制度の為、両者の等級は必ずしも一致するとは限りません。

障がい者手帳を持っていなくても、障害年金を受給できる可能性があります。

 

【ポイント2】診断書(精神の障害用)

精神疾患での障害年金を申請する際は、病状だけでなく、日常生活及び就労の状況もポイントとなります。

診察時に日常生活及び就労状況をうまく伝えられていない場合は、実際の状況と不釣合いな診断書となってしまう可能性があります。

診断書作成前に医師から詳しく状況を聞かれることもありますが、ヒアリングがない場合などは自ら伝えることが大事です。

伝え方は様々ですが、限られた診察時間では全てを伝えることが困難、医師を目の前にするとうまく伝えられないなどの場合はメモなどに記載してお渡しするのがよいでしょう。

 

その他の精神の事例

 

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    遠方の事務所への依頼がご心配の方へ

    障害年金の審査の一元化 以前に障害年金の障害認定に地域差があることが問題となり、2017年4月より日本全国から申請される障害年金の審査業務は全て東京の障害年金センターに一元化されました。
    現在では日本全国どこの年金事務所へ提出しても、東京の障害年金センターで審査をされます。
    そのため遠方の方が当事務所にご依頼いただいても、遠方だから審査に違いが出るというようなことはございませんので、ご安心下さい。
     

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