目次
対象者の基本データ
病名 | 直腸癌・転移性肝癌 |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約59万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金3級 |
ご相談までの経緯
2年ほど前、癌検診の便潜血検査で陽性だったため、精密検査を受けられたところ、直腸癌が見つかったそうです。
すぐに手術を受け、その後も抗がん剤治療を続けられていましたが、肝臓への転移を指摘されました。
肝癌の手術も終えられましたが、体調は元のように回復せず、職場では病気への配慮を受けているものの欠勤が多くなり、いつまで仕事が続けられるかわからず将来への不安を強くお持ちでした。
そんな時、知人より、障害年金の話を聞き、ご自身の認定の可能性について、当事務所にお問い合わせ頂きました。
認定の可能性についてご説明したところ、チャレンジすることを決断され、当事務所に代行を依頼されることになりました。
申請結果
ご相談者様からのヒアリングにより、癌そのものによる局所の障害や全身の衰弱、機能の障害は見られないものの、抗がん剤治療による強い副作用が出ていることが分かり認定の可能性が高いと判断し準備に着手しました。
請求方法は障害認定日から1年以内での請求ですので本来請求となります。
また、初診と現在が同じ病院を受診されていますので、「受診状況等証明書」は不要です。従いまして、病院から取り寄せる書類は現在の診断書のみとなります。<ポイント①参照>
そこで現在受診されている病院へ「診断書」の依頼から始めました。
癌の場合、診断書は「様式第120号の7(その他の障害用)」を使いますが、具体的な検査数値や治療の結果としての外部障害を明らかにするために「様式第120号の7(その他の障害用)」に加えて「様式第120号の6(肝疾患の障害用)」も依頼しました。
主治医の先生には、抗がん剤の副作用で食欲不振や倦怠感、手の震えがあり日常生活に支障が出ている事、就労はしているが、軽作業への配置転換、残業の免除などの配慮を受けていることを詳細にお伝えしました。
また、ステージや余命などの記載もお願いしました。(ステージや余命については、ご本人様がご存じない場合もありますので取り扱いには注意が必要です。)
完成した診断書では、抗がん剤による副作用による日常生活への影響、就労は軽作業に限定、ステージ、余命について正確に記載されており、自信をもって提出できました。(診断書は120号の7、120号の6の2枚提出しました。)
結果は、2か月のスピード審査で『障害厚生年金3級』に認定されました。
【ポイント1】障害認定日から1年以内の請求方法
障害認定日から1年以内に障害年金を請求する方法を本来請求(障害認定日請求)と言います。
診断書は、原則『障害認定日から3ヵ月以内のもの』を用意します。
認定された場合は、障害認定日の翌月から障害年金が支給されます。
なお、障害認定日から1年以上経過してから障害認定日請求を行う場合は、下記の2枚の診断書が必要となります。
- 原則、障害認定日から「3ヵ月以内」のもの:1枚
- 請求日から「3ヵ月以前」のもの:1枚
【ポイント2】がんによる障害とは?
がんは、全身のほとんどの臓器に発生するため、現れる病状は様々で、それによる障害も様々です。
そのため次のように症状を区分して評価されます。
①癌よって生じる局所の障害
②癌による全身の衰弱又は機能の障害
③抗がん剤などの副作用として生じる全身衰弱又は機能の障害
特に注目すべきは③の「治療の過程における副作用」も障害年金の対象となるという点です。
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