【事例1910】甲状腺がん|障害基礎年金2級(永久認定された事例)

甲状腺がん|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 甲状腺がん
性別 男性
支給額 年額 約80万円
遡及金額 約93万円
障害の状態
  • 会話による意思疎通を図る事はできない
  • 身体障害者手帳3級
  • 抗がん剤治療も継続しており、倦怠感、易疲労感などの症状もある
申請結果 障害基礎年金2級

当事務所スタッフによる事例紹介動画

当事務所のスタッフが実際に申請した流れを動画で詳しく説明しています。

当事務所の雰囲気を感じて頂けると思いますので、是非ご覧ください。

ご相談までの経緯

ご依頼者様は、甲状腺がんを患い、令和5年4月に初診を受けられました。

病状が進行しているため、初診の翌月には咽頭全摘出手術を受ける必要がありました。

手術後、ご依頼者様は言葉を発することができなくなり、言語障害が残りました。

声が出ない状態で窓口などで自力で手続きを進めることはとても出来ない、どのように障害年金の申請を進めれば良いのか不安を抱えられていたご依頼者様は、メールでのやり取りが可能な当社にご相談いただきました。

年金制度についての理解が進む中で、「障害年金の申請ができるかもしれない」という希望を見出されたとのことです。

申請結果

今回の申請での1つ目のポイントは、「障害認定日の特例」が適用されたことです。

通常、障害年金の請求には初診日から1年6ヶ月が経過する必要があります。

しかし、ご依頼者様は初診日から1ヶ月以内に咽頭全摘出手術を受けられたため、特例が適用され、手術を受けた日が認定日とされました。これにより、早期の申請が可能となったのです。

また、申請内容を検討する上での難しさは、「がんの全身症状で申請を行うのか、咽頭摘出による言語障害で申請を行うのか、両方合わせて更に上位等級に認定される可能性があるのかどうか」という点でした。

がんの全身症状で申請を行う場合は治療内容や経過、抗がん剤治療による副作用の状況等を考慮し検討することとなりますが、日常生活に著しい支障をきたしている程度ではなかったため、最終的には「発声ができない」という言語障害のみで申請を進めることに決定しました。

この選択が、申請成功の大きな鍵となりました。

さらに、今回のケースでは、「永久認定」が得られたことも重要なポイントです。

咽頭全摘出によって、声を発することができない状態が今後変わることなく、生涯にわたって続くため、更新手続きの不要な永久認定が認められました

更新の負担を考えずに、安心して年金を受け取っていただける点は、ご依頼者様にとっても大きなメリットとなりました。

結果

令和6年5月に申請を行った結果、無事に障害基礎年金2級の認定が下り、永久認定としての扱いを受けることができました。

これにより、長期的な経済的支援が確保され、ご依頼者様は少しでも日常生活において安心できる時間を過ごしていただけるようになりました。

感想

今回のケースでは、咽頭摘出後、言語障害で申請するのが最も確実と判断しました。

早期に特例を活用し、認定を受けるための手続きがスムーズに進んでよかったです。

また、永久認定が認められたため、今後の更新の心配がない点も、ご依頼者様にとっては大きな安心材料だったと思います。

がんの治療過程で声を失うことは非常に大きな精神的負担だったかと思いますが、少しでも生活の支えになる年金の受給が叶って、本当に良かったです。

今後の治療の状況により、もしご依頼者様の状態が変わることがあれば、額改定請求も視野に入れながらサポートを続けていきたいです。

【ポイント1】障害認定日の特例

次の日が、初診日から1年6ヵ月を経過する前にある時は、その日が障害認定日となります。

  • 咽頭全摘出・・・摘出した日
  • 人工関節、人工骨頭挿入置換・・・挿入置換した日
  • 切断、離断・・・切断、離断した日
  • 脳血管障害による機能障害・・・初診日から6ヵ月経過後の症状固定した日
  • 在宅酸素療法・・・在宅酸素療法開始の日(常時使用の場合)
  • 人工弁、ペースメーカー、ICD・・・装着した日
  • 心臓移植、人工心臓、補助人工心臓・・・移植日または装着日
  • CRT,CRT-D・・・装着日
  • 人工血管(ステントグラフトも含む)・・・挿入置換した日
  • 人工透析療法・・。透析開始日から3ヵ月経過した日
  • 人工肛門造設、尿路変更術・・・造設日または手術日から起算して6ヵ月を経過した日
  • 新膀胱造設・・・造設日
  • 遷延性植物状態・・・植物状態に至った日から起算して3カ月経過した日以後

【ポイント2】がんによる障害とは?

がんは、全身のほとんどの臓器に発生するため、現れる病状は様々で、それによる障害も様々です。

そのため次のように症状を区分して評価されます。

①癌よって生じる局所の障害
②癌による全身の衰弱又は機能の障害
③抗がん剤などの副作用として生じる全身衰弱又は機能の障害

特に注目すべきは③の治療の過程における副作用もまた障害年金の対象となるという点です。

その他の癌(がん)の事例

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