目次
対象者の基本データ
病名 | 関節リウマチ |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約121万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金2級 |
当事務所スタッフによる事例紹介動画
当事務所のスタッフが実際に申請した流れを動画で詳しく説明しています。
当事務所の雰囲気を感じて頂けると思いますので、是非ご覧ください。
ご相談までの経緯
今回は、リウマチにより四肢(上肢・下肢)に障害がある方からの申請でした。
リウマチの症状が徐々に進行し、日常の生活における動作にも大きな支障が出るようになりました。
そして、今後、就労もできなくなると家族に経済的な負担をかけてしまうことを心配しておられました。
そんな時、ネットで弊社のホームページをご覧になり、障害年金を受給する可能性についてご相談を頂く事になりました。
申請結果
ご相談者様からは遡及請求での申請を希望されていました。
障害年金を遡及して申請には、「障害認定日の診断書」と「現在の診断書」の2通を提出する必要があります。
しかし、ご相談者様は認定日の頃に関節の可動域や筋力を測定をしておられず、「障害認定日の診断書」では関節の可動域、筋力を記載する欄が空欄となっていたため今回は遡及を諦め、今後の障害年金の認定を目的として手続き(事後重症請求)を進めることにしました。
まず、ご相談者様に病院での関節可動域と筋力の測定をお願いし、測定後に「現在の診断書」を依頼しました。
なお、審査では日常生活における動作も重要になりますので、ご相談者様の上肢、下肢の動作の状況をまとめた資料を作成し診断書依頼の際に医師に橋渡しをしました。
完成した診断書には関節の可動域と筋力の記載の他にもご相談者様の日常生活の動作の不自由さについてもご相談者様の状態が的確に反映された内容になっていました。
最後に、病歴就労状況等申立書に診断書では伝わらない日常生活や就労の状況について詳述し申請しました。
審査では、想定通り訴求は認められませんでしたが、事後重症請求については無事2級に認定となりました。
感想
このケースから学んだことは、障害が上肢及び下肢の広範囲に及ぶ場合は、関節の可動域や筋力だけでなく、日常生活の動作が審査に大きな影響を与えるということです。
もちろん、日常生活の動作と関節の可動域や筋力との間に整合性があることも見逃せないポイントになります。
障害認定日頃に関節の可動域と筋力の測定がされていなかったため、日常生活動作との整合性について審査することができず、残念ですが、遡及請求は認められませんでした。
今回の事例で、肢体の障害の場合、日常生活動作と関節の可動域や筋力ともに重要であることを再認識しました。
【ポイント1】肢体障害の症状が広範囲に渡る場合の認定方法
肢体の障害が四肢全体の広範囲にわたるケースで認定は『日常生活における動作』がポイントになります。
参考とされる日常生活動作は、以下のとおりです。
手指の機能
(ア) つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
(イ) 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
(ウ) タオルを絞る(水をきれる程度)
(エ) ひもを結ぶ
上肢の機能
(ア) さじで食事をする
(イ) 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
(ウ) 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
(エ) 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
(オ) 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
(カ) 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)
下肢の機能
(ア) 片足で立つ
(イ) 歩く(屋内)
(ウ) 歩く(屋外)
(エ) 立ち上がる
(オ) 階段を上る
(カ) 階段を下りる
【ポイント2】病歴・就労状況等申立書
医証(受診状況等証明書、診断書など)には、ある一定の時点の情報しか記載されておらず、発症から現在までの全体の流れを読み取ることはできません。
これを補うために、「病歴・就労状況等申立書」に、現在までの「病歴・治療歴」、「就労の状況」、「日常生活の状況」などを、5年ごとに区切って記載します。(転院した場合は、医療機関ごとに記載します。)
また、作成後は、医証との整合性も確認しましょう。