【事例165】双極性障害|障害厚生年金3級(社会的治癒の事例)

双極性障害|障害厚生年金3級 

対象者の基本データ

病名 双極性障害(そうきょくせいしょうがい)
性別 男性
支給額 年額 約58万円
障害の状態 ・職場や地域で対人トラブルを頻回に起こしてしまう
・単身で生活
・障がい者雇用で正社員にて就労中
・精神障害者保健福祉手帳2級
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

10代の頃に一度精神疾患となり、入院歴もあったそうです。

約半年の治療の後、一旦は完治して社会復帰も果たしましたが、30歳頃に就労中にパニックを起こしたことを機に再発。

再び治療を開始しましたが、症状は安定せず、職場も退職して障がい者雇用にて簡単な就労への変更を余儀なくされたとのことです。

そのような状態の中、ずっと支援してくれていた交際相手との婚約が持ち上がり、将来への経済的な不安感から、障害年金を受給しようと考え、ご連絡を頂きました。

 

申請結果

障がい者雇用であっても就労ができている場合、障害年金の認定がどんどん難しくなっている傾向があります。

今回も最も懸念されるのがこのポイントでした。

そこで少しでも有利な申請となる為に、再発時(障害厚生年金)を初診として請求が出来ないかを検討しました。

ただ、ご本人様の記憶が非常に曖昧で、これまでの経過をほとんど覚えていない状況でした。

身近に当時の状況などを知っている人もいなかった為、通院していた病院にてカルテ開示を実施。

それにより、これまでの病歴などが明らかとなりました。

病歴を把握することで、社会的治癒という方法を使い「初診日を再発時」として申請をすることとしました。

就労している事についても職場の上司にご協力いただき、就労に支援が必要なことを証明して頂きました。

お陰で診断書および申請内容にしっかりと就労の様子について反映して請求することができました。

結果、無事に社会的治癒が認められ「障害厚生年金3級」が認められました。

 

【ポイント1】社会的治癒とは

社会的治癒とは社会保険特有の考え方です。

一度受診した後に社会復帰し、通常の日常生活を送っていたところ、その病気が再び悪化した時、一定の要件を満たすと悪化後、最初に受診日した日を初診日とすることを認めるケースがあります。

 

【ポイント2】精神障害と就労

精神障害の場合、「就労している」と不支給になったり、本来より低い等級になる可能性があります。

理由としては、等級を定める認定基準に「労働への制限の有無」が記載されているためです。

ただし、働いていていても会社から受ける支援や配慮の内容をしっかり伝えることで、認定されるケースもあります。

 

【ポイント3】障がい者手帳の等級と障害年金の関係

「障がい者手帳」と「障害年金」はそれぞれ別々の制度です。

そのため、手帳が〇級だからといって、障害年金も同じ等級になるとは限りません。

 

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