目次
対象者の基本データ
病名 | 高次脳機能障害 |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約130万円 遡及金額 約230万円 |
障害の状態 | ・事故の後遺症(高次脳機能障害)により、記憶障害や遂行機能障害が著明。 ・肢体にも後遺症があり、歩行時は杖を使用。 ・身寄りが無く単身での生活であったが、症状により自立した生活は困難、ヘルパー等を利用。 ・就労は困難 |
申請結果 | 障害厚生年金2級 |
ご相談までの経緯
電車と接触して転倒され、救急で運ばれ、しばらく入院されました。
脳への損傷があり「高次脳機能障害」の後遺症が残ってしまいました。
退院後は身寄りもなく一人暮らしをされていましたが、生活困難であったため近隣の福祉施設を利用し生活支援を受けられていました。
福祉施設の担当者を通じて、当事務所へのご依頼をいただきました。
申請結果
福祉施設の担当者様より簡単の情報を聞いたうえ、面談を実施しました。
ご本人様との意思疎通は高次脳機能障害により、大変困難でした。
後遺症は肢体にもあり、歩行時は杖が必須でした。
各症状等から認定の可能性が高いと考え、すぐに請求準備に入りました。
まずこれまでの経過等をヒアリングしようと試みるも、記憶障害のため事故後の記憶は一切ないご様子でした。
また身寄りが無く単身生活であったことから、他から聞き取りすることもできませんでした。
よって、これまでかかった全病院よりカルテを取り寄せ「当時の症状など」を確認。
またリハビリ目的で付けていた日記なども情報を収集しました。
加えて「高次脳機能障害」は症状が多岐に渡ることから、「複数傷病を併せて申請するか」「一部を主として請求を行うか」をご本人様にとって最も良い選択を行うことにも悩みました。
記憶障害や遂行機能障害の程度が重いと判断し「精神の障害」に絞り、「認定日請求および事後重症請求」を実施。
また今回は電車との接触による事後であることから「第三者行為事故状況届」等、各種書類を添付したうえ提出。
結果「認定日請求・事後重症請求」ともに2級に認められました。
【ポイント1】症状が多岐に渡る場合の請求方法
高次脳機能障害などの場合、症状は精神や身体等多岐に渡ります。
このような場合「どの症状」で「どの診断書」を使用して「どのような請求方法を行うか」を検討する必要があります。
まずは全ての症状を確認して「等級目安」をつけましょう。
複数の診断書を提出することで等級が上がるのか、併合認定表を見ながらチェックします。
全ての症状で申請しようとすると診断書の枚数は増え、労力や費用もかさみます。
よって、むやみやたらに診断書を取得するのではなく、最も良い請求方法を検討することがおススメです。
【ポイント2】事故の場合は、提出書類が増える
ご本人様は「電車との接触」といった事故により、後遺症が残りました。
今回のように「事故」がもとで病気やケガとなったケースは、賠償金等との調整が入ることから『事故関連専用の書類』を提出する必要があります。
書類は年金事務所等で取得することが可能です。
その際「事故証明」などの一定の書類が手元にあると、記載項目を省くこともできます。
【ポイント3】カルテや入院記録は請求可能
ご本人様は高次脳機能障害により「記憶障害」があり、また意思疎通も難しい状態でした。
単身ということもあり、他の方からヒアリングすることも出来ない状況でしたが、その際に役立つのは「カルテ」等です。
カルテや入院記録は、病院の窓口にて申請を行うことでコピーを貰うことが可能です。
各病院により請求方法や費用等が異なりますので、まずはお電話などで病院にお問い合わせするのがおススメです!