【事例1049】気管支喘息|障害厚生年金3級

気管支喘息|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 気管支喘息
性別 女性
支給額 年額 約58万円
障害の状態
  • 在宅酸素吸入はしていない
  • 1日4時間の短時間勤務を続けている
  • 少しの労作で息苦しくなるため、家事は家族の支援が必要
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

突然、咳込むようになり、しばらく様子を見ていましたが、咳は治まらず、息苦しさも強くなり受診されました。

気管支喘息と診断されて、吸入薬を処方されました。

しかし、薬が合わず症状が悪化したため転院しました。

その後も、症状は一進一退で、転院を繰り返します。

現在も、吸引薬を服薬していますが、少しの労作で息苦しくなり、就労も時短で軽作業がやっとの状態です。

このまま仕事が続けられるかも分からず、将来への強い不安をお持ちでした。

知人から障害年金のことを聞き、すぐに、手続きをするため年金事務所に行きました。

そして、自分で手続きを始めましたが、最後まで完結できず、弊社に手続き代行のご相談を頂くことになりました。

 

申請結果

気管支喘息の申請では、常時、在宅酸素療法をしていて、日常生活や就労に支障があれば、原則、障害厚生年金3級に認定されます。

ご相談者様は、在宅酸素療法による治療は受けておられません。

この場合は、症状が安定している時期の症状の程度、使用する薬剤、検査所見、具体的な日常生活状況が審査のポイントになります。

まず、ご相談者様が前もって取得されていた「診断書」を拝見させて頂きました。

「診断書」の内容は、検査項目が全て正常、薬剤もステロイドは使用しているものの低用量で、その他の薬剤についての記載もほとんどされておらず、等級に該当する内容ではありませんでした。

そこで、受給が困難なことをご相談者様お伝えしますと、症状が一向に改善せず、病院の治療方法にも疑問を感じているので、転院してみて、その後、申請にチャレンジしたいとのことでした。

転院後、お薬手帳を拝見するとステロイドも中用量になり、その他の薬剤についても認定基準に該当することが確認でき、転院先の病院に診断書を依頼しました。

完成した診断書では使用している薬剤や薬剤投与の方法については認定基準を満たす内容になっていましたが、検査結果はギリギリですが正常値を示すものとなっていました。(ポイント①)

このまま申請すると不支給の可能性があると考え、発作の程度や頻度、発作が日常生活や就労に及ぼす支障について、「病歴就労状況等申立書」に詳述し申請しました。(ポイント②)

診断書の内容が認定基準を満たすものではなく不安はありましたが、結果は、「障害厚生年金3級」に認定されました。

ご相談者様も、半分、諦めてたということもあり、認定されたことにとてもビックリされていました。

「諦めない!」ことの大切さを改めて実感させられた事例でした。

 

【ポイント1】障害の程度の認定

障害認定基準において障害の程度の認定は”第2の「障害の程度」に定めるところに加え、第3の第1章「障害等級認定基準」に定めるところにより行うものとする”と規定されています。

障害年金では障害の程度を認定する場合の基準となるものとして障害等級認定基準が定められており、請求者の障害の程度に最も近似している認定基準に照らして認定が行われます。

しかし、必ずしも障害等級認定基準に照らして認定をすることが適切でないケースも本事例のように少なからずあると考えられます。

このようなケースの場合は、通常の請求書類だけでは認定医にうまく障害の状態が伝わらない可能性がありますので、対策を講じることで障害の程度を主張していくことが大切になります。

障害認定基準を熟知していることが前提となりますので、判断や請求の組み立てに困った場合はぜひ専門家にご相談いただければ幸いです。

 

【ポイント2】 病歴就労状況等申立書

医証(受診状況等証明書、診断書など)には、ある一定の時点の情報しか記載されておらず、発症から現在までの全体の流れを読み取ることはできません。

これを補うために、「病歴就労状況等申立書」に、現在までの「病歴・治療歴」、「就労の状況」、「日常生活の状況」などを、5年ごとに区切って記載します。(転院した場合は、医療機関ごとに記載します。)

また、作成後は、医証との整合性も確認しましょう。

 

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