目次
対象者の基本データ
病名 | 右変形性股関節症(人工関節) |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約69万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金3級 |
ご相談までの経緯
突然、右臀部に痛みが走り、同じような症状を繰返すようになり受診することになります。
右変形股関節症と診断され、保存的加療を受けていましたが、痛みは徐々に酷くなり、医師より手術を進められ人工関節を入れることになります。
手術後に今まで通り働くことができるか不安に思っていたところ、病院で人工関節を入れれば障害年金を受給できると教えてもらいました。
そこで、手術後すぐに申請したいとのことで、弊社にお問い合わせいただくことになりました。
申請結果
障害年金では、人工関節を入れた場合は、初診日に厚生年金若しくは共済年金に加入していれば、原則、3級に認定されます。(ポイント①)
また、初診日から1年6ヵ月経過した日までに人工関節が入っていれば、最大5年間遡って障害年金を申請することができますが、ご相談者様は、初診日から7年経過しており、人工関節の手術もまだ済んでおらず遡っての請求はできず、これからの障害年金を請求する事後重症請求で手続きを進めることになりました。(ポイント②、③)
事後重症請求では申請月(人工関節を入れた月)の翌月分から障害年金が支給されますので、スピードを意識して手続きを進める必要があります。
医師には、人工関節の手術前に診断書を手配し、手術当日に診断書を作成をしていただくように依頼しました。
また、診断書が完成するまでに、年金請求書や病歴就労状況等申立書などの他の必要書類も整えておきました。
診断書は手術当日に完成し、提出書類の内容をチェックした後、速やかに申請することができました。
結果は、「障害厚生年金3級」に認定され、人工関節を入れた月の翌月分から障害年金が支給されることになりました。
【ポイント1】人工関節は原則3級
人工関節は「原則3級」と決められています。
ただし、症状によって上位等級(2級以上)に認定される可能性もあります。
また3級に該当するためには初診日に厚生年金や共済年金に加入していることが条件となります。
つまり、初診日が国民年金・20歳未満・第3号といった障害基礎年金が対象の場合は人工関節の手術のみでは障害年金の受給は出来ないというものになります。
【ポイント2】「事後重症請求」と「遡及請求」
本来、障害年金は障害認定日(原則初診日から1年6ヵ月後)より請求することが出来ますが、何らかの理由で請求しないまま現在に至った場合は『今後の障害年金』に加えて『過去の障害年金』を請求することも可能です。
『これからの年金』を請求する方法を事後重症請求、『過去の年金』を請求する方法を遡及請求と言い、審査の結果は、上記請求を同時に行った場合であっても、それぞれに別個に結果がでます。
つまり「これからの年金は支給」するけれど、「過去の年金は不支給」という結果もあり得ます。
注意点としては『遡及請求』は事後重症が認められて初めて認定されるため、必ず事後重症請求を『最初または同時』に行う必要があります。
遡及請求を行う時は通常よりも診断書代等の費用がかかりますので、認定の可能性や費用等を考慮しつつ、検討してみてください。
以下の動画でものポイントをご説明していますので是非ご覧ください。
【ポイント3】人工関節はいつから請求できる?
原則的には障害年金は初診日から1年6ヶ月経過後に障害年金が請求できる様になります。
しかし、人工関節は障害認定日の特例が認められています。
初診日から1年6ヶ月以内に手術を行った場合はその日以降であれば障害年金の請求が可能となります。
また、障害年金を貰えたのを知らずに長年来た場合であっても、この特例に該当する場合であればもらい忘れていた障害年金を最大5年分まで遡って受給出来る可能性があります。
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