障害者手帳に更新は必要ですか?

回答:手帳の種類によって異なります

障害者手帳の「更新が必要かどうか」は、手帳の種類で決まります。

「障害者手帳」は、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の3種類の総称で、制度の根拠や運用がそれぞれ異なります。

そのため、更新(期限の到来に伴う継続手続き)が必要かどうかも、手帳の種類ごとに結論が変わります。

手帳の種類有効期限(期限の考え方)原則の結論例外的に「再認定・再判定」が関係するケース
身体障害者手帳原則として期限なし原則、更新は不要状態が軽くなる等の変化が見込まれる場合に、一定期間後の「再認定」が行われることがあります
精神障害者保健福祉手帳有効期限あり(2年)更新が必要更新により等級が見直されることがあります(審査の結果による)
療育手帳自治体運用(多くは「次の判定年月」等の指定で管理)「次の判定年月」など指定がある場合は手続きが必要判定機関で障害の程度確認(再判定)が行われます。次回判定時期は原則2年後を目安に指定し得る旨の国通知があります

※この整理は、厚労省の案内(身体は原則更新なし・療育は自治体運用・精神は制度別)に沿った考え方です。
※療育手帳の「次の判定年月」や程度確認の扱いは、厚労省の通知(制度の実施要領)でも示されています。

手帳の種類別「更新ルール」

更新が必要かどうかは、手帳そのものに「期限」または「次回判定」に相当する記載があるかがポイントです。

手帳の種類手帳で確認しやすい欄・言葉そこに書かれていたら何を意味する?
身体障害者手帳「有効期限」欄がそもそもないことが一般的期限による更新は通常不要。ただし「再認定」の対象になるケースがあり得ます
精神障害者保健福祉手帳「有効期限」期限が来る前に更新申請をしないと、期限後は手帳としての利用に支障が出ます
療育手帳「次の判定年月」「次回判定」などその時期までに再判定(更新に相当する手続き)を行う運用である可能性が高いです

療育手帳は自治体が運用方法を定めているため、同じ「療育手帳」でも細部が自治体で異なり得る点が重要です。

【身体障害者手帳】原則「更新不要」

身体障害者手帳は、厚労省の案内でも「原則、更新はありません」とされています。

ここでいう「更新」は、精神手帳のように期限が来たら必ず継続手続きをする、という意味の更新です。

身体障害者手帳は基本的に期限がないため、そのタイプの更新は通常発生しません。

一方で、厚労省は「障害の状態が軽減されるなどの変化が予想される場合には、一定期間後に再認定を実施することがある」とも明記しています。

さらに通知では、「障害が永続的に一定程度に該当すると認定できる場合は再認定は原則不要」だが、「更生医療や機能回復訓練などで軽減が予想される場合には再認定を実施する」という趣旨が示されています。

つまり、身体障害者手帳で心配になるのは「更新」よりも、「自分は再認定の対象として指定されているのか」「障害の状態が変わった場合に等級変更の手続きが必要か」という点です。

手帳に関する具体的な手続きは自治体窓口で案内されるため、気になる場合はお住まいの窓口に確認するのが確実です。

【精神障害者保健福祉手帳】有効期限(2年)で更新が必要

精神障害者保健福祉手帳は、有効期限があるタイプの手帳です。

有効期限は「交付日から2年が経過する日の属する月の末日」で、2年ごとに更新手続きが必要です。

ただし、国の通知では、次回の障害程度確認の時期は「原則として2年後」としつつ、障害の状況からみて差し支えない場合は「2年を超える期間」ののちに確認する時期を指定してもよい旨も示されています。(参考:厚生省児童家庭局長通知『療育手帳制度の実施について』)

そのため、手帳の「次の判定年月」の記載をまず確認し、自治体の案内に従って早めに動くのが安心です。

なお、手帳に記載される「交付日」は、実務上「市区町村の窓口が申請書を受理した日」とされています。

そのため、有効期限は「交付日(=市区町村の窓口が申請書を受理した日)から2年が経過する日の属する月の末日」となります。

手帳を受け取った日が起点だと誤解しやすいので注意してください。

更新は、診断書を添える方法のほか、障害年金(精神障害を支給事由とする年金給付等)を受給している場合、更新申請では「年金証書」と「直近の年金振込通知書または年金支払通知書」など、年金受給を証する書類の写しを添付して手続きします。

自治体によっては年金事務所等への照会同意書の提出を求める場合もあるため、必要書類は窓口で確認してください。

そして実務的に重要なのが「いつから動くべきか」です。

精神障害者保健福祉手帳の更新申請は、制度実施要領上「有効期限の日の3か月前から行うことができる」とされています。(参考:厚生労働省『精神障害者保健福祉手帳制度実施要領について』)

実際の窓口運用(予約の要否、必要書類の細部、受け取り方法など)は自治体で異なるため、手帳の有効期限を確認したうえで、早めにお住まいの窓口へ確認しておくと安心です。

精神障害者保健福祉手帳の更新

タイミングやることなぜ大事?
有効期限の3か月前を目安更新申請の準備を開始(主治医への相談、必要書類の確認)多くの自治体で3か月前から受付の例があり、余裕を持つほど安心です
申請後審査・確認(自治体/都道府県等)書類不備や確認が入ると時間が延びることがあります
更新決定後交付・受け取り受け取り方法や必要物は自治体の案内に従います

更新にかかる期間の目安として、大阪市は「申請から1か月~2か月程度」と案内しており、神戸市も「約2か月」としています(いずれも不備があると延びる旨の注意付きです)。

有効期限が過ぎてしまっても、制度実施要領上は更新申請を行うこと自体は可能です。

期限が切れている期間は各種割引やサービスの利用に支障が出ることがあるため、原則は期限前の更新が安全です。

更新後の有効期限は原則として「更新前の有効期限の2年後」とされているため、申請が遅れるほど使えない期間が生じ得ます。

自治体によっては一定条件で遡って交付できる取扱いを案内している例もあるので、期限切れの場合はお住まいの窓口に確認してください。

【療育手帳】多くは「次の判定年月」までに再判定(更新に相当)が必要

療育手帳は、厚労省も「判定基準等の運用方法を各自治体が定めて実施」と説明しており、全国一律で「何年ごとに必ず更新」と断言しにくい手帳です。

ただし、厚労省の通知(制度の実施要領)では、交付後の手続として「障害の程度の確認」を行い、前回判定の際に示された「次の判定年月」の時期に確認する運用が示されています。

このため、実務としては「手帳に次回判定が書かれているなら、その時期までに手続きが必要」という自治体案内が多く見られます(例:西宮市など)。

受付開始の目安は自治体で異なりますが、「次回判定月の約3か月前から更新手続きができる」と案内する自治体もあります。

療育手帳の再判定は、判定機関の日程が絡むため、想像より時間がかかることがあります。例えば大津市の案内では、判定を受けに行く期間が「約3~6か月」とされ、その後の交付・送付にも追加で期間がかかる流れが示されています。

さらに自治体によっては、更新時期を過ぎると障害福祉サービスや各種手当等に影響が出る可能性がある旨を注意喚起しています。

全国共通の一言でまとめるなら、療育手帳は「次回判定が指定されているか」を早めに確認し、指定があるなら前倒しで動くのが安心、ということになります。

「更新」と混同しやすい手続き

更新の有無とは別に、次のような場合は手続きが必要になることがあります。療育手帳については、厚労省通知でも「記載事項の変更の届出」や「再交付」などが整理されています。
身体障害者手帳・精神手帳も、具体的な手続きは自治体が担っているため、変更があったら窓口確認が基本です。

こういうとき代表的に起こる手続きの方向性
氏名・住所が変わった記載事項変更の届出(手帳を添えて手続き)
手帳を紛失・破損した再交付(再発行)の手続き
障害の状態が変化した(悪化・改善)等級変更の申請、再認定・再判定の対象確認

まとめ

まとめ

「障害者手帳に更新は必要ですか?」という疑問は、実は「どの手帳を持っているか」で答えが変わります。

身体障害者手帳は原則として期限による更新は不要ですが、状態の変化が見込まれる場合には再認定が行われることがあります。

精神障害者保健福祉手帳は有効期限が2年で、継続して使うなら更新が必要です。多くの自治体で期限の3か月前を目安に更新申請ができ、審査・交付まで1~2か月程度かかる例もあるため、早めの準備が安心です。

療育手帳は自治体運用ですが、国通知でも「次の判定年月」に合わせて障害の程度確認を行う仕組みが示されており、手帳に次回判定が記載されている場合は期限までの手続きが重要になります。

いずれの手帳でも、最終的な必要書類や窓口、処理期間は自治体の運用が関わるため、手帳の「有効期限」や「次の判定年月」を確認したうえで、お住まいの担当窓口に早めに相談するのがいちばん確実です。

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