
はじめに
障害者手帳とは、障害のある方が各種の支援サービスを受けやすくするために自治体から交付される手帳です。
一般に「障害者手帳」と呼ばれますが、実際には以下の3種類の手帳の総称です。
- 身体障害者手帳(体の障害向け)
- 療育手帳(知的障害向け)
- 精神障害者保健福祉手帳(精神障害向け)
3種類の障害者手帳は、障害福祉サービスや各種優遇制度の利用において重要な根拠になります。
ただし、障害福祉サービスの利用可否や内容は、市区町村の支給決定(受給者証の交付等)によって決まります。
また、障害の内容によっては手帳がなくても利用できるサービスがあるため、詳細は自治体窓口で確認しましょう。
この記事では、障害者手帳の基本概要から種類ごとの特徴、得られるメリット、そして申請方法まで専門家の視点でやさしく解説します。
障害のあるご本人はもちろん、ご家族や支援者の方にとっても「悩みが解決し疑問が解消できる」詳しくわかりやすい内容を目指しました。
日本では、厚生労働省の調査(令和4年)で在宅の障害者手帳所持者は推計610.0万人とされています(身体415.9万人、療育114.0万人、精神120.3万人)。(※手帳種別は重複して所持する場合があるため、集計上の重複が生じます。)
障害者手帳制度の起点の一つとして、昭和24年(1949年)に身体障害者福祉法が制定され、身体障害者手帳制度が整備されました。
その後、精神障害者保健福祉手帳や療育手帳の制度も順次創設され、現在に至ります。
本記事を読むことで、障害者手帳についての基本と活用方法がしっかり理解できるでしょう。
それでは詳しく見ていきます。
障害者手帳の種類と等級
障害者手帳には上述のとおり3つの種類があります。
それぞれ対象となる障害の分野や制度の根拠法、等級区分などが異なります。
以下に3種類の手帳の特徴を比較表にまとめました。
| 手帳の種類 | 対象となる主な障害 | 制度の根拠 | 等級区分 | 有効期間 |
|---|---|---|---|---|
| 身体障害者手帳 | 視覚障害、聴覚・平衡機能障害、音声・言語機能障害、肢体不自由、心臓・じん臓・呼吸器・ぼうこう・直腸・小腸機能障害、HIVによる免疫機能障害、肝臓機能障害など | 身体障害者福祉法(昭和24年法律第283号) | 1級~6級(数字が小さいほど重度) | 原則なし※ |
| 療育手帳(知的障害者手帳) | 知的障害(発達年齢が遅れている状態と判定された場合) | 「療育手帳制度について」(昭和48年厚生省通知) ※自治体ごとに名称が異なる場合あり | (各自治体で異なる区分例:重度〈A〉・中度〈B〉など) | 原則なし※(成長段階に応じ定期判定あり) |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 精神障害(統合失調症、うつ病等の気分障害、てんかん、発達障害、高次脳機能障害など) ※初診から6か月以上経過した方が対象 | 精神保健福祉法(昭和25年法律第123号) | 1級~3級(数字が小さいほど重度) | 2年(2年ごとに更新) |
※身体障害者手帳・療育手帳には基本的に有効期限はありません。ただし障害の状態が将来変化する可能性がある場合、一定期間後に再認定(程度の見直し)が行われることがあります 。特に療育手帳の場合、成長に伴う変化を確認するため2~数年ごとに判定・更新を行う自治体が多いです。
▲表:障害者手帳の主な種類と特徴の比較(障害の種類や等級区分の詳細は各制度の定めによります)
身体障害者手帳とは
身体障害者手帳は、視覚や聴覚、言語、手足のまひ、心臓や腎臓など身体機能に永続的な障害があると認められた方に交付される手帳です。
都道府県知事または指定都市・中核市の市長が認定・交付を行っており、その根拠は身体障害者福祉法に定められています。
障害の程度に応じて1級から6級までの等級が設定され(1級が最重度)、手帳に明記されます。身体障害者手帳には有効期限がなく基本的に更新不要ですが、障害状態が改善する可能性がある場合には一定期間後に再認定が行われることがあります。
対象となる障害範囲は幅広く、視覚障害、聴覚や平衡機能の障害、音声・言語機能の障害、そしゃく機能の障害、肢体不自由(手足の障害)、心臓・腎臓・呼吸器など内部障害、膀胱・直腸機能障害、小腸機能障害、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能障害、肝臓機能障害など多岐にわたります。
比較的高齢で障害を負った方(例えば視力や聴力の低下、脳卒中後のまひなど)も多く取得しており、日本の障害者手帳所持者の中では身体障害者手帳の所持者が最も多い傾向があります。
療育手帳とは
療育手帳は、先天的な知的発達の遅れなど知的障害があると判定された方に交付される手帳です。
主に18歳未満の場合は児童相談所、18歳以上は知的障害者更生相談所(地域によって名称が異なる)で知能検査や面接による判定を受け、知的障害と認められれば手帳が発行されます。
法令上は療育手帳そのものの根拠法律はなく、昭和48年の厚生省通知に基づき各自治体が制度を運用しています。
療育手帳は自治体により名称や区分が異なることがあります。
例えば、東京都では「愛の手帳」という名称で運用されており、重い順に1度・2度(重度)、3度・4度(中軽度)といった区分を用いています。
多くの自治体では重度障害をA判定、軽度障害をB判定といった2区分または細分したランク分け(A1・A2・B1・B2など)を採用しています。
身体障害者手帳との違いとして等級に全国統一の基準がない点が挙げられます。
有効期限は明記されていないものの、定期的な再判定(更新)があります。
特に成長過程の子どもについては2年に1回程度の頻度で知能や発達状況の再評価を行い、判定区分の見直しや継続確認が行われます。
成人後や障害の程度が固定した後は再判定期間が長く設定されたり、状況によっては更新が不要になる場合もあります。
精神障害者保健福祉手帳とは
精神障害者保健福祉手帳は、精神疾患により長期にわたり日常生活または社会生活に制約がある方を対象とする手帳です。
対象となり得る疾患の例として、統合失調症、気分障害、てんかん、発達障害等が挙げられますが、等級は診断名だけでなく生活への影響も含めて総合的に判定されます。
ただし知的障害のみで精神疾患がない場合は療育手帳の対象となるため、精神障害者手帳の対象にはなりません(知的障害と精神障害の両方がある場合は両方の手帳を取得できます)。
精神障害者手帳には1~3級の等級があります。
等級判定は疾患による症状の状態と、それによる日常・社会生活上の障害の程度の両面から総合的に判断されます。
1級が最も重度で日常生活がほぼ全面的に困難な状態、2級は生活に著しい制限を受け支援が必要な状態、3級は生活に一定の制限がある状態と定義されています。
精神障害者手帳を申請するには、対象となる精神疾患について初めて医師の診療を受けた日から6か月以上経過している必要があります。
これは症状が継続していることを確認するための条件で、初診から半年未満の場合は原則申請できません。
また手帳の有効期限は2年間で、2年ごとに更新手続き(診断書または障害年金証書の提出による再認定)が必要となります。
有効期限は交付日から2年後の月末までと定められており、更新時も初回と同様に医師の診断書等で障害状態の継続を証明する必要があります。
なお、精神障害者手帳を持っていることで受けられる支援は多岐にわたりますが、精神障害者保健福祉手帳がなくても利用できる制度もあります。
例えば自立支援医療(精神通院医療)による医療費助成や、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービス(訪問介護など)は、精神障害があれば手帳の有無に関わらず利用可能です。
一方で税金の控除や公共料金の割引など多くの支援策は手帳を所持していることを条件としているため、生活上の負担軽減を図るには手帳を取得しておく意義が大きいでしょう。
障害者手帳を持つメリット
「障害者手帳を持つと何がいいの?」という疑問を持つ方も多いと思います。
障害者手帳を取得すると、経済面・生活面・就労面で様々な支援策や優遇措置を受ける権利が得られます。
ここでは主なメリットをいくつか挙げて説明します。
(※割引・減免・助成の内容や要件は、自治体や事業者によって異なり、また制度改定で変更されることがあります。利用前に自治体窓口や各社公式案内で最新情報をご確認ください。)
【メリット1】 医療費助成や福祉サービスが利用できる
障害者手帳を持つことで、医療費の負担軽減や福祉サービスの利用といった公的支援を受けやすくなります。
例えば身体障害者手帳や療育手帳を取得すると、重度の障害がある方は自治体の重度障害者医療費助成制度によって医療費が助成されたり、公費負担で補装具(義手や車椅子等)の支給・購入補助が受けられます。
自宅での生活を支えるための訪問介護サービスや日中活動サービス(デイサービス)など、障害者総合支援法に基づくサービスも利用できます。
また、障害のある子どもを養育する家庭には特別児童扶養手当、重度の障害がある方本人には特別障害者手当などの手当金が支給される制度もあります。
特別児童扶養手当や特別障害者手当は、手帳の有無だけで支給が決まる制度ではなく、原則として診断書等により障害の程度が認定されます。
なお、手帳を取得している場合は、等級等の情報が認定の参考になったり、自治体の取扱いによっては提出書類が簡略化できることがあります。
【メリット2】 税金や料金の優遇措置で経済的負担が軽減
障害者手帳を取得すると、所得税や住民税などの税金面で控除が適用されます。
納税者本人または扶養親族が障害者に該当する場合、障害者控除が受けられます。
例えば障害のある配偶者やお子さんを扶養している場合、所定の手続きを行えば税金が軽減されます。
自動車に関する税負担の軽減(例:自動車税(種別割)/軽自動車税(種別割)/環境性能割の減免)は、自治体ごとに制度や要件が設けられています。
さらに、公共料金等の割引も受けられます。
NHK受信料の免除は申請制で、全額免除は「障害者のいる世帯で世帯全員が住民税非課税」等の基準、半額免除は「視覚・聴覚障害者」または「重度の身体・知的・精神障害者」が世帯主かつ受信契約者であること等の基準があります(詳細はNHKの免除基準でご確認ください)。
そのほか、携帯電話各社は携帯電話の基本料金割引サービスを提供しており、手帳所持者なら基本使用料の割引や一部無料通話分の付与といった優遇が受けられます。
上下水道料金についても自治体によっては減免措置があり、該当する場合には毎月の水道代が安くなります。
このように、日常生活のさまざまな場面で費用負担が軽減され、障害のある方やそのご家庭の経済的な支えとなります。
【メリット3】 公共交通機関や公共施設での割引・サービス
障害者手帳を提示すると、公共交通機関や公共施設の利用料金が割引・免除されるメリットもあります。
例えば鉄道やバス、タクシーなどの公共交通運賃の割引は多くの交通事業者で実施されています。
鉄道各社では手帳を持つ本人と介護者1名までが運賃割引となり、バス路線でも運賃半額などの措置が一般的です(適用範囲や割引率は事業者ごとに異なります)。
有料道路(高速道路)の障害者割引は、要件を満たして事前登録を行うことで、通行料金が原則50%割引となります(対象車両・利用形態・手続きは制度案内を確認)。
博物館、美術館、動物園・水族館、映画館、テーマパークなどの公共施設やレジャー施設でも、障害者手帳の提示で入場料が無料または割引になるケースが多くあります。
加えて、郵便料金の減免など一部公共料金の免除も設けられています。(※郵便料金の減免は、手帳提示で一律に適用されるものではなく、点字郵便物(盲人用郵便物)や特定録音物等など、対象となる郵便物・条件が定められています(例:点字のみの郵便物は無料で送付できる等)。)
こうした公共サービスの優遇により、手帳を持つことで社会参加や外出がしやすくなる効果があります。
特に障害のあるお子さんがいるご家庭では、交通費や入場料の負担軽減によって積極的に外出・交流できるようになるとの声も聞かれます。
【メリット4】 就職・雇用での支援(障害者雇用枠の活用)
障害者手帳を取得することで、就職や転職活動の面でも有利になる点は重要なメリットです。
企業には障害者雇用促進法により一定割合で障害者を雇用する義務(法定雇用率)が課せられており、手帳を持っていると「障害者枠」での求人に応募することが可能になります。
障害者枠での採用は、合理的配慮(勤務時間の調整や職務内容の配慮など)を受けながら働けるケースが多く、一般枠よりも障害に対する理解のある職場を見つけやすい利点があります。
手帳を持つことで、企業に採用された際にはその方が法定雇用率のカウント対象となり、企業側にもメリットがあります。
また、障害者職業センターやハローワークの専門援助部門などから就労支援を受ける際にも手帳の有無がプラスになります。
例えば職場適応訓練(トライアル雇用のような制度)を受けたり、就労移行支援事業所で職業訓練プログラムに参加したりする際にも、手帳保持者であることが利用条件もしくは優先条件となる場合があります。
実際、「手帳がなかった時は就職活動がうまくいかなかったが、取得後に障害者雇用枠で採用が決まった」という事例も多く報告されています。
働きたいという意思がある障害当事者にとって、手帳を持つことは職業生活への大きな一歩となり得ます。
国も企業への助成金制度などを通じて障害者雇用を支援しており、手帳保持者向けの求人情報は年々充実しています。
【メリット5】 公営住宅への入居優先や生活資金の貸付など
自治体によっては、障害者手帳を持つことで公営住宅(県営・市営住宅)の優先入居枠に申し込める制度があります。
民間の賃貸住宅ではバリアフリー物件への入居支援策が用意されている場合もあります。
また、収入が限られる障害者世帯に対して、社会福祉協議会等が実施する生活福祉資金の貸付制度を利用できる場合があります。
緊急時の小口資金や生活立て直しのための貸付を受けやすくなり、困ったときのセーフティネットとなるでしょう。
その他、民間企業によるサービスにも障害者手帳を持つ方向けの特典が増えています。
例えば銀行口座の手数料優遇や遊園地・テーマパークでの待ち時間短縮サービス、美術館での音声ガイド無料貸出など、様々な取り組みが広がっています。
自治体発行のヘルプマーク(援助や配慮を必要としていることを周囲に知らせる赤いマーク)と合わせて、障害者手帳を提示することでこうしたサービスが受けられる場合もあります。
このように、障害者手帳を持つことで生活全般にわたる多くのメリットが得られます。
障害のある方の経済的・社会的な負担を和らげ、自立と社会参加をサポートする心強い仕組みと言えるでしょう。
障害者手帳の申請方法と手続き
「自分も障害者手帳を取ってみようかな」と思ったら、まずはお住まいの市区町村役所の担当窓口(障害福祉課など)に相談しましょう。
障害者手帳の申請手続きは手帳の種類ごとに多少異なりますが、基本的な流れは次のとおりです。
申請書の入手
市区町村の障害福祉担当窓口で障害者手帳交付申請書を受け取ります(多くの自治体ではウェブサイトからダウンロードも可能です)。
申請書には氏名・住所や障害の状況などを記入します。
必要書類の準備
申請書に記載の必要書類を揃えます。
共通して求められるのは本人の顔写真(タテ4cm×ヨコ3cm程度、最近1年以内に撮影)、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード等)、および個人番号(マイナンバー)が分かる書類です。
加えて、手帳の種類ごとに以下の書類等が必要になります。
身体障害者手帳の場合
指定医師が作成した診断書・意見書(自治体所定の様式)。
身体障害者福祉法に基づき、都道府県知事等が指定した医師による診断書が必要です。
かかりつけ医が指定医でない場合、自治体から紹介される医療機関で診断書を書いてもらうことになります。
その他、印鑑(認印)を求められる場合があります。
精神障害者保健福祉手帳の場合
精神科医の診断書(自治体所定の様式)。
初診日から6か月以上経過後に作成されたものに限られます。
診断書には現在の病名、症状の状態、日常生活への支障などが記載され、等級判定の資料となります。
既に精神の障害を理由に障害年金を受給している方は、その年金証書の写しを診断書の代わりに提出することで診断書を省略できる場合があります。
これは障害年金の受給等級が一定の障害状態を証明するものとして認められるためです。
なお精神障害者手帳の申請では、本人以外(家族や医療ソーシャルワーカー等)が代理で手続きすることも可能です。
代理申請の場合、委任状が不要な自治体もありますが、事前に担当窓口に確認すると良いでしょう。
療育手帳の場合
医師の診断書は不要です。
代わりに、申請後に自治体が指定する判定機関(児童相談所や更生相談所)で知能検査や発達検査、面接による判定を受けることになります。
申請時に必要なのは申請書、本人写真、本人の身分証、印鑑などです。
18歳未満の場合は児童相談所での判定、18歳以上は知的障害者更生相談所(名称は自治体により異なる)での判定となります。
窓口へ申請提出
必要書類が揃ったら、市区町村の担当窓口へ提出して申請します。
申請者本人が窓口に行けない場合、ご家族などの代理人が申請することも可能です(代理人が提出する際は代理人自身の本人確認書類と委任状が必要な場合があります)。
自治体での審査・判定
提出された書類をもとに、自治体や都道府県の審査機関で障害等級の判定や内容確認が行われます。
身体障害者手帳は書類審査(必要に応じ医師の意見聴取)で判定され、精神障害者手帳も各都道府県・政令指定都市の精神保健福祉センター等で審査・判定されます。
療育手帳の場合は前述のとおり医師や心理判定員による面接・検査で直接判定が行われ、その結果が自治体に送られます。
手帳の交付
審査が無事に終了し交付が決定すると、障害者手帳が交付されます。
交付までの期間は自治体や手帳種別によって異なりますが、おおむね身体障害者手帳と精神障害者手帳は申請から1~2か月程度、療育手帳は2~4か月程度かかることが多いです。
自治体から「交付準備ができました」と連絡が来たら、窓口に受け取りに行きましょう(本人または代理受領可)。
手帳の交付自体に費用はかかりません。ただし診断書作成料(医師への支払い)や写真代は自己負担となりますのでご了承ください。
申請手続きは以上のような流れになります。
各自治体で手続きの詳細や必要書類が多少異なる場合がありますので、必ず事前に自治体窓口や公式サイトで最新情報を確認しましょう。
「必要書類を揃えたのに書類不備で差し戻し…」といった事態を避けるためにも、電話や窓口相談でチェックリストをもらっておくと安心です。
もし申請方法について不明な点がある場合は、遠慮なく自治体窓口の担当者に質問してみてください。
「自分の場合は取得できるのか」「どの診断書様式を書いてもらえば良いか」など親切に教えてもらえます。
また、社会保険労務士や障害者支援センターなども相談先として活用できます。
専門家に相談することで、障害年金など他の制度も含めたアドバイスを受けられることもあります。
手帳の活用と注意事項
最後に、障害者手帳に関して知っておきたいポイントや注意事項をまとめます。
手帳の所持は他人に知られない
障害者手帳を取得しても、自分から申告しない限り他人に知られることはありません。
障害者手帳を取得しても、行政から職場や学校へ自動的に通知されるものではありません。
手帳の情報は行政機関が管理するものであり、本人の同意なく職場や学校に通知されるようなことはありません。
見た目では手帳を持っているかどうか分からないため、プライバシーは守られます。
一方で、割引や支援の申請・利用時には窓口や事業者への提示が必要です。
また、就労で合理的配慮を求める場合などは、ご本人の判断で開示する場面もあります。
障害者手帳と障害年金は別制度
混同しやすいのですが、障害者手帳は福祉サービス利用のための証明書であり、障害年金は障害の状態になったときに支給される公的年金(現金給付)です。
障害者手帳を持っていても自動的に障害年金がもらえるわけではなく、逆に障害年金を受給していても手帳は自動交付されません。
両者はそれぞれ申請先も審査基準も異なる制度です。
ただし精神障害者保健福祉手帳の場合は、障害年金の証書が診断書の代わりに使えるなど一部連動する場面もあります。
自分の障害が障害年金の対象になるかどうかは、日本年金機構や専門の社労士に確認すると良いでしょう。
手帳の返納・更新
状態の改善により障害の等級に該当しなくなった場合や、障害が治癒した場合は、手帳を返納する必要があります。
逆に障害が重くなった場合は等級変更の申請(再認定)を行うことで、等級を上げてもらえる可能性があります。
精神障害者手帳の更新時や療育手帳の再判定時には、障害状況によって等級が変更されることがあります。
また手帳を紛失・破損した場合は再交付申請(再発行)が可能です。
再発行も市区町村窓口で手続きできますので、万一失くしてしまった際は速やかに届け出ましょう。
手帳取得のデメリットは基本的にない
「手帳を持つと何か不利益があるのでは?」と心配される方もいますが、障害者手帳を持つこと自体が法律上の不利益になることは通常ありません。
手帳はあくまで行政サービスを受けるための資格証明であり、それ以上でも以下でもありません。
例えば就職の際に一般枠で働きたい場合でも、手帳を提出しなければ企業側に障害の有無は伝わりません(ただし安全管理上の理由から障害のある事実を申告すべきケースもあります)。
むしろ使える支援は積極的に活用し、制度を最大限有効に利用することが大切です。
障害のある方には国や自治体の定めた様々な支援を受ける権利があり、障害者手帳はその鍵となるものです。
一方で、更新・再認定(手帳種別による)や申請手続きの手間、提示が必要な場面でのプライバシーなど、事前に知っておくと安心な注意点もあります。
まとめ

障害者手帳は、障害のある方やその家族にとって暮らしと社会参加を支える大切なツールです。
本文で解説したように、障害者手帳には3種類あり、それぞれ対象者や手続きが異なりますが、いずれも障害のある人が適切な支援を受けるための制度として機能しています。
手帳を持つことで、医療費や税金の負担軽減、交通機関や公共料金の割引、就労支援の充実など多岐にわたるメリットが得られます。
こうした支援策によって、「障害があっても暮らしやすい社会」の実現に役立っているのです。
障害者手帳の申請は多少手間に感じるかもしれませんが、一度取得すれば長期間にわたり様々な恩恵を受けられます。
「こんなサービスも使えるんだ」「もっと早く手帳を取れば良かった」という声も多く聞かれます。
この記事をお読みの方で、もし手帳の取得を迷っている方がいらっしゃれば、ぜひお住まいの自治体窓口や専門家に相談してみてください。
きっと不安や疑問が解消されるでしょう。
障害者手帳を上手に活用し、必要な支援を受けることで、障害のある方ご本人もご家族も安心して生活できる環境が整います。
本記事の情報が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。困ったときは一人で抱え込まず、行政や専門家の力を借りながら、利用できる制度を積極的に活用していきましょう。
あなたや大切なご家族が、より豊かな日々を送れるよう応援しています。
ご一読いただきありがとうございました。
もしさらに詳しい情報が必要な場合は、厚生労働省や自治体の公式ホームページ等も参考になさってください。
わくわく社会保険労務士法人

