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障害年金のことを知りたいけど、「説明が長くて読むのが大変・・・」「分かりにくい・・・」「私の場合、どれに当てはまるのか分からない・・・」という方はお気軽にお電話かLINEでお問い合わせください。丁寧にご説明させていただきます。
突然ですが、「障害年金」と「障害者手帳」にはどのような関係があると思いますか?
この質問に対して「1級の障害者手帳を持っていたら、障害年金1級を受給できる」のように、障害者手帳の等級に合わせて障害年金を受給できるという回答が多くあります。
しかし、それは間違いです。
「そんなこと私は思っていないから大丈夫」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、それぞれの制度についてきちんと理解されていますでしょうか?
「障害者手帳と障害年金は大体同じ制度だろう」とお考えの方は、注意してください。
2つの関係を知らないことで、「もらえると思っていたはずの障害年金がもらえなかった…」「受給できると思い、申請で手を抜いてしまった…」など後々の後悔につながってしまうことがあります。
そこで今回は『「障害年金」と「障害者手帳」の関係』について徹底解説していきたい思います。
最後までお読みいただけましたら、「障害年金」と「障害者手帳」の関係の勘違いによる後悔はなくなると思いますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
「障害年金」と「障害者手帳」の違い
まずは障害年金と障害者手帳の違いについてのお話です。
障害者手帳という名称につられて障害年金のことも障害者年金と言われる人もいらっしゃいます、年金の方は「者」がつかない「障害年金」が正しい名称です。
お互いの制度の名前が障害〇〇とすごく似ているので、似たような制度だと思われる方も多いのではないでしょうか。
しかし、この2つ、実は全く別の制度です。
当事務所にいただくご相談の中でも「障害者手帳がないから障害年金は申請できない」「障害者手帳の等級が低いから障害年金はもらえない」というご相談が多くあります。
「障害年金」と「障害者手帳」は以下のような点で異なる制度です。
①それぞれの制度の根拠となる法律が違う
②制度の目的が違う
③手続きを行う窓口が違う
④得られるメリットが違う(お金なのか、または何らかのサービスが受けられるのか)
などなど
つまり、手帳を持たれていない方や手帳の等級が低い方でも、障害年金を受け取れる可能性はあるということです。
もちろん逆もしかりです。
手帳の等級≠年金の等級
令和元年と少し古いデータですが、実際に障害者手帳を持っている方が障害年金の何級を受けているのかという統計が発表されています。
以下に精神障害を例に解説していきたいと思います。
縦軸が障害者手帳の保有情報、横軸が障害年金の受給状況になります。
この中でも一番多い「精神障害者保健福祉手帳2級」を持っている方で見ていきましょう。
「精神障害者保健福祉手帳2級」を保有されている方の数は「438」と書かれています。
単位が千人なので、438,000人が精神の障害者手帳2級を持っているということになります。
その方が障害年金何級なのかというと、障害年金の1級を受けている方で言えば、厚生年金1,000人で国民年金15,000人なので合わせて16,000人になります。
つまり、「手帳は2級で年金は1級」という方の数は16,000人ということなります。
これを見ても「手帳の等級≠年金の等級」ということがわかります。
もう一つ注目していただきたい点があります。
障害年金を受給されていて、手帳を持っていない方が118万人もいらっしゃるという点です。
この点からも、障害者手帳の有無は障害年金には関係ないということがわかります。
もっと詳しく知りたい方や精神以外に身体の情報を見たいという方は『障害年金受給者実態調査』をご参照ください。
※この調査は「年金を受けている方を対象に行われた調査」のため、手帳は持っているけれど年金を受けていない方の数字は掲載されていません。
「障害年金」と「障害者手帳」の制度の目的と性質
続いては、この2つの制度が具体的にどう違うのかについて、深堀りしていきたいと思います。
【違い1】根拠となる法律や制度
「障害年金」と「障害者手帳」には、根拠となる法律や制度の違いがあります。
「障害年金」は、社会保険制度の一部で「国民年金法」「厚生年金保険法」に基づいて日本年金機構が行っています。
「障害者手帳」には、障害によって「身体」「療育」「精神」の3種類の手帳があり、これらをまとめて「障害者手帳」といいます。
「障害者手帳」は対象となる障害によって、それぞれ「身体障害者福祉法」「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」といった法令や「療育手帳制度」という制度が法的根拠となっています。
障害が複数ある方は、身体と精神といった具体に複数の種類の手帳を持たれている方もいらっしゃいます。
【違い2】申請手続きをする場所
「障害年金」と「障害者手帳」は申請手続きをする場所が異なります。
障害年金の申請手続きは年金事務所や街角の年金相談センターで行います。
手続きをする年金事務所は、どこの年金事務所でも構いません。
例えば、北海道に住んでいる方が沖縄の年金事務所に提出することも可能です。
障害者手帳は、お住まいの市区町村の福祉課が窓口となります。
【違い3】給付・受け方
「障害年金」と「障害者手帳」は給付、受け方の違い。
障害年金は障害により日常生活に支障がある方を対象として所得を保障する制度です。
障害年金は年金なので現金で2ヶ月に1度、偶数月の15日に受け取ることになります。
障害者手帳は、障害がある方が社会生活しやすいようにするための支援を目的とする制度です。
税金の軽減や公共交通機関の割引などの支援を受けることが出来ます。
「障害年金」は収入を増やす、「障害者手帳」は支出を減らすとも言えます。
お金を受けれる障害年金のほうがメリットを感じる方も多いかもしれません。
それに比べると障害者手帳はメリットを感じにくく、「私には必要ない」と思われる方もいらっしゃるようです。
しかし、支出を減らすということは、収入を増やすこと同等の効果があるとも言えます。
こういった制度をうまく活用することで、少しでも安心して暮らせるようにしていただけると良いと思います。
【違い4】その他
「障害年金」と「障害者手帳」のその他の違いでは、障害年金では強迫性障害などの神経症や薬物の後遺症は対象外とされていますが、障害者手帳では対象となります。
そのため障害者手帳のほうが障害年金よりも対象範囲が広いという違いもあります。
また、「障害年金」と「障害者手帳」では、手続きに必要となる書類も全然違います。
「障害者手帳の申請手続きは楽だったけれど、障害年金は大変」というご意見をお伺いすることもあります。
「障害年金」と「障害者手帳」の等級の基準
次に「障害年金」と「障害者手帳」の等級の違いについて見ていきましょう。
障害年金の等級
障害年金は初診日が国民年金に加入していたのか、それとも厚生年金だったのかによって変わってきます。
初診日に国民年金に加入していた場合に受け取る年金は障害基礎年金となり1~2級になります。
初診日に厚生年金に加入していた場合に受け取る年金は障害厚生年金となる1~3級が対象となります。
障害者手帳の等級
障害者手帳は対象となる障害によって以下のようになります。
身体障害者手帳の等級
身体障害者の方を対象とする手帳は「身体障害者手帳」です。
身体の障害の等級は「身体障害者障害程度等級表」によって1級から7級まで定められています。
1級が最も重く、数字が大きくなるにつれて障害の程度は軽くなります。
等級は1級から7級ありますが、「身体障害者手帳」が発行されるのは1級から6級までとなります。
療育手帳の等級
知的障害の方の障害の程度は各地方自治体において判定され、療育手帳(「愛の手帳」「緑の手帳」「みどりの手帳」「愛護手帳」など)を交付されます。
(後述しますように、療育手帳の取得は障害年金の受給のための要件ではありませんので、療育手帳を取得されていない方でも障害年金を受給できた事例はあります。)
療育手帳は、以下に書かれているように重度以外の方がBと表示するものとされています。
第3 障害の程度の判定
1 障害の程度は、次の基準により重度とその他に区分するものとし、療育手帳の障害の程度の記載欄には、重度の場合は「A」と、その他の場合は「B」と表示するものとする。療育手帳制度の実施について
例えば軽度知的障害の方の判定は自治体によって「B2」「C」「4度」などのように表示されています。
関東圏を例に見てみると、軽度知的障害の方の判定は、神奈川県、千葉県、栃木県では「B2」、埼玉県、茨木県では「C」、東京都では「4度」という表示になります。
精神障害者保健福祉手帳の等級
最後が精神障害の方を対象とした精神障害者保健福祉手帳です。
精神障害者保健福祉手帳の等級は1級から3級の等級があります。
ここでのポイントは繰り返しとなりますが、障害年金と障害者手帳の等級は必ずしも一致しないということです。
「障害者手帳」と「障害年金」の具体例
人工関節を例にして「障害者手帳」と「障害年金」の違いをご説明したいと思います。
障害年金の場合、人工関節は3級とされています。
障害者手帳では人工関節の手術をうけただけでは手帳をもらうことができません。
次に人工透析の場合をご説明します。
障害年金では人工透析を行えば、数値にかかわらず2級となります。
障害者手帳では人工透析を行っていることだけではなく、腎臓の検査数値によって1級3級4級の区分に分かれています。
このように、同じ状態でも手帳と年金で等級が異なる可能性があるわけです。
「障害者手帳の等級が低いから障害年金を長い間、あきらめていたけど実はもらえた」という声を聞くことがありますが、これはすごく悔しいことだと思います。
【例外】精神障害者保健福祉手帳のスライド制
ここまで障害年金と障害者手帳は全くの別物の制度で連携しないと説明してきましたが、一つ例外があります。
それは、精神障害を理由とする障害年金を受給している場合に限っては、それを証明することで同じ等級の障がい者手帳をもらうことができる、ということです。
障害者手帳を取得又は更新する際に診断書を書いてもらう必要があります。
診断書は一般的に5,000円から10,000円くらいの費用がかかりますが、この制度をうまく使うことで節約することができます。
ここでのポイントは以下の3点です。
①この例外は精神だけなので身体や療育の手帳ではできない
②「年金から手帳」の例外なので、手帳と同じ等級の障害年金を受給できるということではない
③障害年金を受けている人が使える制度であって更新で障害年金が止まってしまった方は使えない
障害年金が3級で障害者手帳は2級という方もいらっしゃると思います。
このケースの場合、障害者手帳の更新をこの方法をつかうと当然に障害者手帳も3級になりますので注意してください。
「障害者手帳」と「障害年金」デメリット
最後に、それぞれの制度に関するデメリットについてを考えてみたいと思います。
障害年金のデメリット
障害年金のデメリットについては特にはないんですが、強いてあげるとしたら以下のような点があげられます。
- 老齢年金の減額の可能性
- 扶養から外れる可能性
- 傷病手当金などと調整
- 死亡一時金・寡婦年金が受け取れない
- 加給年金の停止
- 手続きが煩雑
- 更新が必要
- 精神的な負担
- 所得制限
障害年金のデメリットについては詳しく知りたい方も多いと思います。
障害年金のデメリットの詳細は以下の動画でも深堀りしていますので、ご参照ください。
障害者手帳のデメリット
続いて障害者手帳のデメリットです。
心理的なものとして、いざ手帳を取得してサービスを受けようとしても障害者手帳を提示することへの抵抗感や精神的なストレスを感じられる方がいらっしゃいます。
同様の話として障害年金や障害者手帳を取得すると「障害者」というレッテルを貼られたような感覚になるというご意見もあります。
それ以外にも、障害年金ほどではないのですが申請にはお金や時間や手間がかかり精神的な負担になるというデメリットがあります。
自治体によって基準や受けられるサービスが異なるので、せっかく手帳をとったのに一番欲しかったサービスが受けられないということもありえます。
さらに気になる方は、お住いの自治体のHPなどで確認をしてみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
「障害年金」と「障害者手帳」は名前は似ていても全く違う制度だということがご理解いただけたのではないでしょうか。
それぞれの目的も異なるので、両方の良いところを上手に活用していただけるとよいと思います。
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