障害年金に関してよくある「癌(がん)でもらえる障害年金の金額はいくら?」という質問にお答えします。
「癌(がん)」の認定基準
障害年金の受給の基準は「障害認定基準」に定められています。
癌(がん)の認定の目安は、障害認定基準の『第16節 悪性新生物による障害』で以下のように記されています。
※【令和4年4月1日改正版】国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 第16節 悪性新生物による障害
認定基準
悪性新生物による障害については、次のとおりとされています。
令別表 | 障害の認定 | 障害の状態 |
国年令別表 | 1級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状 が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生 活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの |
2級 | 身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状 が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生 活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を 加えることを必要とする程度のもの | |
厚年令別表第1 | 3級 | 身体の機能に、労働が制限を受けるか、又は労働に制限を 加えることを必要とする程度の障害を有するもの |
一般状態区分表
悪性新生物による障害の程度を一般状態区分表で示すと次のとおりとされています。
区分 | 一般状態 |
ア | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
イ | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの (例えば、軽い家事、事務など) |
ウ | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、 軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
エ | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中 の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能とな ったもの |
オ | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、 活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
各等級に相当すると認められるものの例示
悪性新生物による障害の程度は、基本的には認定基準に掲げられている障害の状態を考慮するものですが、各等級に相当すると認められるものの一部を例示すると次のとおりとされています。
障害の程度 | 障害の状態 |
1級 | 著しい衰弱又は障害のため、一般状態区分表のオに該当するもの |
2級 | 衰弱又は障害のため、一般状態区分表のエ又はウに該当するもの |
3級 | 著しい全身倦怠のため、一般状態区分表のウ又はイに該当するもの |
癌(がん)でもらえる障害年金の金額
障害年金は、大きく分けて「障害基礎年金」と「障害厚生年金」の2つがあります。
障害年金が支給される障害の状態に応じて、法令により、障害の程度(障害等級1級~3級)が定められています。
障害等級3級の場合、初診日が国民年金に該当する方は障害年金の受給対象にはなりません。
それぞれの受給額を以下にご説明します。
障害年金の金額
障害年金の支給額は、毎年4月分から翌年3月分まで同一額が支給されます。
2024年度の年間支給額は以下の通りです。
1級 | 2級 | 3級 | |
基礎年金 | 1,020,000円 +子の加算 | 816,000円 +子の加算 | 無し |
厚生年金 | 1,020,000円 +子の加算 +報酬比例の年金額×1.25 +配偶者の加給年金額 | 816,000円 +子の加算 +報酬比例の年金額 +配偶者の加給年金額 | 報酬比例の年金額(最低保証612,000 円) |
※報酬比例部分の年金額は、年金の加入期間や過去の報酬等に応じて決まります。(報酬比例部分の詳しい計算方法は、日本年金機構ホームページ『報酬比例部分』をご参照下さい。)
子の加算
障害基礎年金の受給権者によって生計を維持されている子がある場合は、 子の人数に応じて、加算が行われます。
生計の維持とは
「生計を維持されている」とは、原則次の要件をいずれも満たす場合をいいます。
- 生計を同じくしていること。(同居していること。別居していても、仕送りをしている、健康保険の扶養親族である等の事項があれば認められます。)
- 収入要件を満たしていること。(前年の収入が850万円未満であること。または所得が655万5千円未満であること。)
対象となる子
- 受給権者によって生計を維持されている 「18歳到達年度の末日までにある子」
- 受給権者によって生計を維持されている 「20歳未満で障害等級の1級または 2級に該当する程度の障害の状態にある子」
子の加算金額
1人目・2人目(1人につき) | 3人目以降(1人につき) | |
2024年 (令和6年) | 234,800 円 (月額 19,566円) | 78,300 円 (月額 6,525 円) |
※各期支払額の1円未満の端数は切り捨て、切り捨てた端数の合計を2月期の支給額に加算して支払われます。
配偶者の加算(障害厚生年金の1級・2級のみ)
障害厚生年金1級又は2級の受給権者によって生計を維持されている65歳未満の配偶者がいれる場合、配偶者の加算がおこなわれます。
障害基礎年金の受給権者と障害厚生年金3級の受給権者には配偶者の加算はありません。
配偶者の加算金額
1級・2級 | |
2024年 (令和6年) | 234,800 円 (月額 19,566円) |
(障害年金の金額に関しましては『障害年金の金額は?』のページでも詳しくご説明していますのでご参照下さい)
癌(がん)での障害年金の受給金額の事例
当事務所で、癌(がん)での障害年金申請をサポートさせていただいた方で、受給が決まったケースをご紹介します。
※年間受給金額は、支給決定された時点の金額です。
【事例1】年間受給金額:約80万円 遡及金額:約93万円 (障害基礎年金2級)
病名 | 甲状腺がん |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約80万円 遡及金額 約93万円 |
障害の状態 | ・会話による意思疎通を図る事はできない ・身体障害者手帳3級 ・抗がん剤治療も継続しており、倦怠感、易疲労感などの症状もある |
申請結果 | 障害基礎年金2級 |
事例の詳細ページ:【事例1910】甲状腺がん|障害基礎年金2級(永久認定された事例)
【事例2】年間受給金額:約160万円 遡及金額:約295万円 (障害厚生年金2級)
病名 | 舌癌(ぜつがん) |
---|---|
性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約160万円 遡及金額 約295万円 |
障害の状態 | ・部分的な失語症(会話が部分的に成立する程度) ・嚥下障害(固形物が飲み込めない) ・咀嚼障害(固形物を噛み砕くことが困難) |
申請結果 | 障害厚生年金2級 |
事例の詳細ページ:【事例1545】舌がん|障害厚生年金2級(症状を分けて併合で認定された事例)
【事例3】年間受給金額:約59万円 遡及金額:約264万円 (障害厚生年金3級)
病名 | 直腸がん |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約59万円 遡及金額 約264万円 |
障害の状態 | ・直腸がん永久ストーマ造設 ・フルタイム勤務できている ・家事や基本的な身の回りのことはできている |
申請結果 | 障害厚生年金3級 |
事例の詳細ページ:【事例1590】直腸がん|障害厚生年金3級(遡及を諦めていたけれど認められた事例)
動画で事例紹介
当事務所のスタッフが実際に申請した流れを動画で詳しく説明しています。
癌(がん)での申請のポイントを分かりやすくご説明していますので、是非ご覧ください。
癌(がん)で障害年金の申請を検討されている方はお気軽にご相談下さい。
私は障害年金が受給できるの?
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