【事例910】左片麻痺|障害厚生年金3級

左片麻痺|障害厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 左片麻痺
性別 男性
支給額 年額 約70万円
遡及金額 約23万円
障害の状態
  • 紐を結んだりタオルを絞るなど、両手での作業ができない。
  • 歩行時には、下肢補装具を使用。
  • 階段は手摺があっても使用ができない。
  • 身体障害者手帳2級
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

突然、左半身に脱力感が現れ、救急搬送されました。

右被殻出血と診断され、点滴などの保存的治療を受け、容体安定後はリハビリ加療となります。

リハビリ加療終了後も、左半身には麻痺が残り、歩行には補助用具を装着するなど日常動作には制限があります。

そのため、仕事も事務作業に配置転換してもらい、なんとか復職することができました。

ただ、同僚の助けがないとスムーズに作業もできず、いつまで仕事を続けられるか不安をお持ちでした。

そんな時、セラピストの方から障害年金のことを教えてもらい、年金事務所に相談に行きました。

しかし、手続き方法が理解できず、ネットで弊社のホームページをご覧になり代行のご相談を頂くことになりました。

 

申請結果

脳血管障害で申請する場合は、症状固定した日がとても大切です。

障害年金は、原則、初診日から1年6ヵ月経過した日(障害認定日)から申請ができますが、脳血管障害の場合は、特例として、初診日から6ヵ月経過後に症状固定となった場合は、障害認定日を待たずとも症状固定日から申請ができます。

なお、症状固定とは医学的に、これ以上の機能回復がほぼ望めない場合に医師によって認定されるものです。(ポイント①)

ご相談いただいた際は、初診日から1年6ヵ月経過しておらず、ご相談者様はまだ申請できないと思っておられましたが、初診日から10か月経過した日に症状固定しているとのことで、すぐに、申請できることをご説明し手続き開始となりました。

手続きはスムーズに進み、診断書には症状固定日の記載も正確にされており、本来請求で申請することができました。(ポイント②)

結果は、「障害厚生年金3級」に認定され、症状固定日の翌月から障害年金が支給されることになりました。

本事例では、特例で、症状固定日が障害認定日となるため、その翌月から障害年金が支給されます。

本事例のように、障害が上半身及び下半身などの広範囲に及ぶ場合は、診断書の中でも「ものをつまむ」「シャツのボタンを止める」「片足でたつ」といった日常生活動作の項目が適切に診断されていることが審査で重要なポイントとなります。

また、これらの項目では、一瞬だけ物をつかめたり、片足立ちが出来るケースのように
瞬間的には可能でも、実用性に乏しい場合には支障があると評価をされます。

しかし、本事例では、医師が障害年金用の診断書に書き慣れていないこともあり、ほとんどの動作を瞬間的に出来たことから「できる」と評価されていました。

このままでは、不支給となることが懸念されましたたため、病院の相談員様を通して、正しい評価方法を医師にお伝えすることで診断書に正確な評価を記載して頂くことができて、受給につなげることができました。

 

【ポイント1】障害認定日の特例(脳血管障害)

障害認定日は、原則『初診日から1年6ヵ月を経過した日』です。

しかし脳梗塞などの脳血管障害の場合は、特例として以下を全て満たすと1年6ヵ月を待たずに障害年金の申請ができます。

①初診日から6ヵ月経過している
②医学的にこれ以上の改善が見込めない
③症状固定と判断されている

これを障害認定日の特例と言います。

 

【ポイント2】障害認定日から1年以内の請求方法

障害認定日から1年以内に障害年金を請求する方法を本来請求(障害認定日請求)と言います。

診断書は、原則『障害認定日から3ヵ月以内のもの』を用意します。

認定された場合は、障害認定日の翌月から障害年金が支給されます。

なお、障害認定日から1年以上経過してから障害認定日請求を行う場合は、下記の2枚の診断書が必要となります。

  • 原則、障害認定日から「3ヵ月以内」のもの:1枚
  • 請求日から「3ヵ月以前」のもの:1枚

以下の動画でも「申請方法に応じた診断書の枚数」についてご説明していますので是非ご覧ください。

 

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