目次
対象者の基本データ
病名 | 肺気腫(在宅酸素療法) |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約159万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金2級 |
ご相談までの経緯
普段から歩いたり階段昇降時に息苦しさを感じるようになっていました。
職場では息を整えつつなんとか作業をこなしていましたが、ある日、呼吸困難で救急搬送されます。
気胸の治療を行い、いったんは帰宅。
多少息苦しさは残るものの、就労も継続できていました。
ところが、徐々に歩行や入浴などでも息苦しさを感じるようになり、就労にも支障が出るように。
通院を再開して治療をしていく中で、在宅酸素療法をすすめられましたがその時は断っていました。
やがて日常生活に制限が増え、就労継続が不可能となり、お仕事も辞めざるを得なくなりました。
その後、再び呼吸困難で救急搬送された際、とうとう在宅酸素療法が導入されることとなりました。
長期の入院により足の筋力が低下してリハビリが必要となりましたが、ようやく退院することができました。
退院後も24時間常時、酸素療法をしており、外出にも制限がある日々を送られています。
そんな中、ご親族の方から障害年金のことを聞き、対象になるかの確認をするため当事務所にご連絡をいただきました。
申請結果
24時間在宅酸素療法をされている場合は、原則として3級となります。
初診日時点で厚生年金に加入されていて保険料納付要件を満たせば受給できる可能性があります。
もし在宅酸素療法を導入した日が、初診日より1年6か月以内にある場合は、その開始した日が障害認定日となる特例があります。(ポイント①)
今回は、初診日から1年6か月以上を経過していたため、事後重症請求で進めることとしました。
現在通院しておられる病院と、初診の病院が異なっていたため、受診状況等証明書を取得することからスタートしました。
取得してみると、前医の記載があったため確認したところ、その病院は廃業となっておりました。
しかし幸いにも、取得した受診状況等証明書の中に病院名や初診日についての記載がありましたので「受診状況等証明書を添付できない申立書」とともに提出することといたしました。
次に、診断書の依頼です。
在宅酸素療法をされている場合は、診断書に在宅酸素療法を開始した日を記入する欄がありますので、忘れずに記載いただくようお願いしました。
出来上がった診断書できちんと日付が入っていることを確認して、そのほかの項目もチェックをしたところ、一般状態区分が「エ」となっていました。
日常生活への支障がかなり大きいご様子でしたので、念のため、検査結果についても確認することとしました。
在宅酸素療法をしている場合は、原則3級ですが、動脈血ガスO₂分圧などの数値次第では上位等級になる可能性があるのではないかと考えました。
診断書を作成した病院ではそれらの検査をしておられませんでしたが、障害者手帳を取得した際の診断書には検査数値が記載されておりました。
検査数値を障害認定基準に照合したところ、2級に該当する可能性があると思われましたので、障害者手帳の診断書コピーを添付することにしました。
日常生活の支障の度合いをしっかりと伝えることができた結果、無事、障害厚生年金2級と認定されました。
【ポイント1】障害認定日の特例
次の日が、初診日から1年6ヵ月を経過する前にある時は、その日が障害認定日となります。
- 咽頭全摘出・・・摘出した日
- 人工関節、人工骨頭挿入置換・・・挿入置換した日
- 切断、離断・・・切断、離断した日
- 脳血管障害による機能障害・・・初診日から6ヵ月経過後の症状固定した日
- 在宅酸素療法・・・在宅酸素療法開始の日(常時使用の場合)
- 人工弁、ペースメーカー、ICD・・・装着した日
- 心臓移植、人工心臓、補助人工心臓・・・移植日または装着日
- CRT,CRT-D・・・装着日
- 人工血管(ステントグラフトも含む)・・・挿入置換した日
- 人工透析療法・・。透析開始日から3ヵ月経過した日
- 人工肛門造設、尿路変更術・・・造設日または手術日から起算して6ヵ月を経過した日
- 新膀胱造設・・・造設日
- 遷延性植物状態・・・植物状態に至った日から起算して3カ月経過した日以後
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