目次
対象者の基本データ
病名 | 知的障害 |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
ご相談者様は、幼少期から言葉が遅かったり、集団生活に馴染めず、進んで友達を作ることもできませんでした。
ただ、健診では発達の遅れを指摘されることは無く、小・中学校では普通学級で過ごしますが、クラスに馴染むことはできず、苛めに合うこともあり、中学1年生から不登校になります。
何とか中学は卒業出来ましたが、高校には進学できず就職します。
しかし、職場の空気が読めず、同僚とのコミュニケーションもとれないことで、短期間での転職を繰返していました。
やがて、就労することに限界を感じ、引きこもり状態になってしまいました。
不眠や食欲不振、不安感などの症状も強くなり受診することになります。
検査の結果、知的障害と診断されます。
今では、衣食住など身の回りのことだけでなく、金銭管理、社会的手続きなども家族が全て行っており、就労もできる状態ではありません。
いつも、家族に負担をかけていることを心苦しく思われていましたが、弊社のYouTubeをご覧いただいたことがきっかけで、初めて障害年金のことを知り申請をお考えになります。
自分では手続きをすることは難しいと思い、メールにて手続き代行のお問合せを頂きました。
申請結果
ご相談者様は、20歳を超えてから知的障害が発覚し、療育手帳もお持ちではなく、障害年金を申請できるかご心配されていました。
ご相談の際に、療育手帳を取得しておられなくても、現在の日常生活のご様子や出生から今までの経緯から受給の可能性が高いことをご説明し、代行のご契約を頂くことになりました。
初めに、申請方法から検討しましたが、障害認定日頃の受診歴がないため、事後重症請求で申請することにし、手続きを始めました。(ポイント①、②)
本来ならば、受診状況等証明書の取得から始めますが、知的障害の場合は初診日は出生日となり、受診状況等証明書は不要ですので、現在の障害の程度を現す診断書の取得から始めることになります。
診断書依頼の際には、幼少期の様子、就学の状況、今までの就労状況、そして、現在の日常生活の状況について詳細な資料を作成し医師に橋渡ししました。
診断書ができるまでに、出生からの病歴・通院歴、就労状況、日常生活の状況などについて病歴就労状況等申立書に詳述し、完成した診断書との整合性を確認し申請しました。
結果は、「障害基礎年金2級」に認定されました。
【ポイント1】「事後重症請求」と「遡及請求」
本来、障害年金は障害認定日(原則初診日から1年6ヵ月後)より請求することが出来ますが、何らかの理由で請求しないまま現在に至った場合は『今後の障害年金』に加えて『過去の障害年金』を請求することも可能です。
『これからの年金』を請求する方法を事後重症請求、『過去の年金』を請求する方法を遡及請求と言い、審査の結果は、上記請求を同時に行った場合であっても、それぞれに別個に結果がでます。
つまり「これからの年金は支給」するけれど、「過去の年金は不支給」という結果もあり得ます。
注意点としては『遡及請求』は事後重症が認められて初めて認定されるため、必ず事後重症請求を『最初または同時』に行う必要があります。
遡及請求を行う時は通常よりも診断書代等の費用がかかりますので、認定の可能性や費用等を考慮しつつ、検討してみてください。
以下の動画でものポイントをご説明していますので是非ご覧ください。
【ポイント2】知的障害の障害認定日
知的障害の場合は出生日が初診日となります。
そのため、障害認定日は他の20歳前傷病と同様に「20歳の誕生日の前日」となります。
そして、認定日請求や遡及請求の際には、障害認定日前3ヵ月から障害認定日以降3ヵ月以内の診断書が必要になります。
なお、知的障害の場合、他の傷病と違い「受診状況等証明書」(初診日の証明)は不要です。
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