【事例573】腎機能障害(人工透析)|障害厚生年金2級

腎機能障害厚生年金2級

対象者の基本データ

病名 腎機能障害
性別 男性
支給額 年額 約212万円
障害の状態
  • 15年程前から腎機能の低下を指摘されていた
  • 自宅にて腹膜透析を継続中
  • 一般企業にて就労
  • 身体障がい者手帳 1級
申請結果 障害厚生年金2級

 

ご相談までの経緯

40歳頃、ご相談者様は頭痛に悩まされていたそうです。

しばらく様子を見ていましたが改善の兆しは無く、これまで頭痛を経験することが無かったこともあり、脳機能の病気を疑い始め、医療機関へ受診したとの事でした。

診察の結果は意外だったそうで、脳に問題は無く「腎機能の低下」を指摘されました。

より詳しい検査をするよう勧められ、別の科にて検査を実施したところ腎不全との診断を受けました。

ただ、直ちに透析が必要という訳では無く、定期的に通院しながら経過観察を行う事となったそうです。

発症から約15年後、定期診察時に透析を検討する必要があると告げられ、間もなく透析となりました。

これまで正社員として就労を継続してきたご相談者様は、自宅でも実施可能な腹膜透析を選択したとの事です。

透析開始に伴い、病院から「障害年金制度」の説明を受け、ご自身が対象であることを知ったそうです。

障害年金申請を決意するも、平日は仕事のため年金事務所に足を運ぶ時間も無く、代理申請を希望。

ネットで検索していたところ当事務所が目に止まり、面談不要で自身の時間が取られないことから、ご依頼頂く事となりました。

 

申請結果

申請ではまず初診日の特定を行います。

障害年金において、初診日はとても重要な意味を持ち、例えば初診日に加入していた年金によって申請する障害年金の種類が異なります。(参照:ポイント①)

ご相談者様は約15年前に初診日があったため、初診日の証明書が取得できるか不安でしたが、問題なく取得することができ、初診日当時は厚生年金に加入したいたことが確認できました。

次に申請方法についての検討に入ります。

ご相談者様は初診日から15年程経過していますが、もし「初診日から1年6ヵ月後の認定日」において等級に該当している場合は、過去の障害年金を遡って申請することが可能です。

ここで注意頂きたいのは、認定日特例です。(参照:ポイント②)

人工透析の場合は、透析開始日から3ヵ月経過すれば、初診日から1年6ヵ月を待たずに申請することが出来る「特例」が用意されているため、認定日を確認する際は該当するかどうかを必ずチェックします。

今回は認定日特例には該当せず、また初診日から1年6ヵ月後の状態は良好であったことから、申請方法は今後の障害年金のみを申請する「事後重症請求」を行うことに決まりました。

申請方法も決定し、すぐさま診断書依頼の手続きに取り掛かりました。

診断書の作成には通常1~2ヶ月程かかるため、その間を利用して他の申請書類を整え、診断書完成とともにすぐに提出ができるように備えました。

申請手続きはスムーズに進み、審査の結果は2級と認定されました。

当初、ご相談者様は「正社員として仕事も出来ているため障害年金は難しいのではないか」と心配されていましたが、人工透析の場合は就労していても認定を得ることが出来ます。(参照:ポイント③)

人工透析以外にも就労していても障害年金を受給できるケースはありますので、自分の病気の場合はどうかな?と気になる方は、是非無料相談を活用してくださいね。

 

【ポイント1】初診日と障害年金

障害年金では初診日に「国民年金・厚生年金」のいずれに加入していたかで、請求する障害年金種類が異なります。
(※)初診:国年=障害基礎年金、厚年=障害厚生年金

障害厚生年金の方が、基礎にはない(3級、配偶者加算、給与による支給額の増加)など、有利な点があります。

 

【ポイント2】障害認定日の特例

人工透析療法を受けておられる場合は、透析開始日から3ヵ月経過すれば、原則の障害認定日(初診日から1年6ヵ月を経過した日)前でも障害年金を申請することができます。

 

【ポイント3】人工透析は働いても受給可能

人工透析の等級は、原則『2級』と定められています。(※)症状によってはさらに上位等級の可能性もあり。

仕事が出来ていると「障害年金の受給は無理かな?」を思いがちですが、人工透析を実施していることで就労や生活に制限が出てきます。

そのため、人工透析の場合は「就労の有無・生活への支障」などに関わらず、2級と認定されます。

就労と障害年金の関係に関しましては、以下の動画でもご説明していますのでご参照下さい。

 

その他の腎疾患の事例

 

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