【事例487】中度知的障害|障害基礎年金2級

中度知的障害|障害基礎年金2級

対象者の基本データ

病名 中度知的障害
性別 女性
支給額 年額 約101万円
障害の状態
  • 自分の気持ちを他人に伝えることが出来ず、コミュニケーションの支障が大きい
  • 炊事や洗濯などの家事はその都度出来ず、溜まったまま。
  • ATM操作や社会的な手続きも説明が理解できず、家族の援助が必要
  • 就労意欲はあるものの仕事内容が理解できない等支障が大きく、現在は就労出来ていない。
申請結果 障害基礎年金2級

 

ご相談までの経緯

幼少期より周囲と馴染めず、学業の遅れが目立っていたというご相談者様は、これまで沢山の支障を感じていたとの事でした。

ただ病院へ行くという発想には至らず、受診に至らないまま成人しました。

社会人となり就労し始めると、仕事の内容が理解できずミスを頻発し退職することを繰り返す等、より支障が大きくなっていました。

周囲から発達障害の可能性を指摘され、医療機関へと受診したところ「中等度の知的障害」であることが判明。

療育手帳の取得を勧められ市役所へ行ったところ、障害年金のことを知り申請を希望しましたが、申請方法等が理解できず途方に暮れていたそうです。

その時にネットで当事務所を見つけ、お電話にてご相談がありました。

 

申請結果

日常生活や社会生活への支障の程度から受給の可能性が高いことをお伝えし、ご家族様でご相談いただいた後に再度ご連絡いただき、サポート開始となりました。

障害年金申請の際は通常、初診日を明らかにすることが必要とされていますが、先天性の知的障害の場合は原則として初診日の証明は不要とされています。(ポイント①)

ご相談者様の場合、現在までA病院・B病院の2箇所の医療機関への受診歴がありましたが、現在受診中のB病院へ診断書の作成依頼からお手続きを始めました。

知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、日常生活や就労など様々な場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断されることとなりますので、事前ヒアリングした日常生活状況などを参考資料としてまとめ、主治医の先生にも橋渡ししました。

診断書の完成を待つ間、出生から現在に至るまでの発育歴や教育歴、就労や日常生活の様々な場面における支障について病歴就労状況等申立書に詳述し、診断書完成後さらにブラッシュアップを行い、申請しました。(ポイント②)

結果「障害基礎年金2級」として認定されました。

 

【ポイント1】知的障害の初診日

精神発達遅滞(知的障害)は、知的機能の障害がおおむね18歳までに現れることが多いとされています。

そのため、初診日が20歳未満であると推定されます。

よって、原則として初診日を証明する必要が無く、申請に必要な『受診状況等証明書』も不要です。

(※)軽度の知的障害の場合は、初診日の証明を必要とする場合があります。

 

【ポイント2】知的障がい・発達障がいと病歴就労状況等申立書

知的障がいや発達障がいがある場合は、病歴・就労等申立書(以下、申立書という)が認定の大きなカギとなります。

この場合、初診日からでなく、出生日から現在までの経緯を記載していく事が大切です。

例えば、就学前では言葉の遅れや極端な人見知りが無かったか、就学後は成績、友人関係はどうだったなどのエピソードを書いていく必要があります。

また、現在、不適応行動についても申立書に反映させてください。

 

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