【事例40】関節リウマチ|障害厚生年金3級(肢体障害の症状が広範囲に渡る事例)

関節リウマチ|障害厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 関節リウマチ
性別 女性
支給額 年額 約59万円
障害の状態
  • 四肢関節の痛み、こわばり、筋力低下がある
  • 症状により生活に支障をきたしており、入浴・着替え等の支援を要する
  • 就労していたが、申請時は退職済み
  • 身体障がい者手帳4級
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

30歳の頃、介護施設でヘルパーとして勤務していたとき、手関節に痛みを感じるようになったそうです。

作業で手を痛めたかと思い、湿布を貼って様子を見ていましたが、痛みは膝などにも出始め手関節にはこわばりも生じました。

不安になり整形外科を受診したところ『関節リウマチ』と診断されたそうです。

症状は緩やかに悪化していき、生活や就労に支障をきたし始めました。

34歳頃に出産を機に症状は急激に悪化し、週に数回の自己注射を開始。

就労は何とか続けてきましたが、限界を感じており退職を決意。

経済的な不安から障害年金を受けたいと考え、当事務所にご相談の連絡がありました。

 

申請結果

生活への支障があるものの、ご相談頂いた時点では就労中であったこともあり、受給の可能性が見えにくい状態でした。

正確な障害状態を把握するため、手帳申請時に提出した診断書のコピーを取得し、受給の可能性を検討。

内容をみると、筋力低下は四肢関節全体にあり、こわばりや疼痛も生活に支障をきたすレベルであることが確認できたことから、受給の可能性が高いと判断し、すぐにお手続きを開始しました。

申請において課題となるのは、以下の2点です。

  • 就労中であること
  • 症状を正確に診断書に反映すること

まず就労についてですが、仕事をしているケースでは症状が軽いと誤解される可能性もあるため、就労の制限や支障等をきちんと主張する必要があります。

しかしお手続きを始めて間もなく退職が決定したため、就労についての問題は無くなりました。

次に課題となった『診断書に症状を正確に反映する』という点については、事前の対策を要しました。

疼痛やこわばりといった症状は数値に表せないないため、正確な状態が医師に伝わっていないケースが多くみられます。

よって、疼痛やこわばりの内容だけでは無く『生活にどのような支障・制限があるのか』をヒアリングし、資料にまとめて医師にお渡ししました。

これにより、症状による生活への影響がしっかりと反映された診断書が出来上がりました。

また診断書では書ききれない部分は申立書に記載して、実態が把握できる内容にて申請。

結果は無事に『障害厚生年金3級』と認められ、障害年金を受給することができました。

 

【ポイント1】障がい者手帳申請時の診断書

障がい者手帳申請時の診断書は、障害年金の可能性を探る一つの材料となります。

申請時にコピーを取っておくことが好ましいですが、コピーを取らずに提出した場合であっても申請先の市役所等や作成した医療機関にてコピー発行して貰うことが可能です。

 

【ポイント2】障がい者手帳と障害年金の関係

障がい者手帳と障害年金は異なる制度の為、両者の等級は必ずしも一致するとは限りません。

障がい者手帳を持っていなくても、障害年金を受給できる可能性があります。

 

【ポイント3】肢体障害の症状が広範囲に渡る場合

肢体の障害が四肢全体の広範囲にわたるケースで認定は『日常生活における動作』がポイントになります。

参考とされる日常生活動作は、以下のとおりです。

 

手指の機能

(ア) つまむ(新聞紙が引き抜けない程度)
(イ) 握る(丸めた週刊誌が引き抜けない程度)
(ウ) タオルを絞る(水をきれる程度)
(エ) ひもを結ぶ

 

上肢の機能

(ア) さじで食事をする
(イ) 顔を洗う(顔に手のひらをつける)
(ウ) 用便の処置をする(ズボンの前のところに手をやる)
(エ) 用便の処置をする(尻のところに手をやる)
(オ) 上衣の着脱(かぶりシャツを着て脱ぐ)
(カ) 上衣の着脱(ワイシャツを着てボタンをとめる)

 

下肢の機能

(ア) 片足で立つ
(イ) 歩く(屋内)
(ウ) 歩く(屋外)
(エ) 立ち上がる
(オ) 階段を上る
(カ) 階段を下りる

 

その他の肢体の障害の事例

 

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