【事例260】症候性てんかん|障害厚生年金3級

症候性てんかん|厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 癲癇(てんかん)
性別 男性
支給額 年額 約59万円
障害の状態
  • B発作が2回/年、D発作が2回/年(※ポイント参照)
  • 脳の精神神経症状及び認知障害がある
  • 視覚障害がある
  • 精神障害者保健福祉手帳3級
申請結果 障害厚生年金3級

 

ご相談までの経緯

30歳の時、突然に会社で意識を失い救急搬送をされました。

病院へ到着後にCTや血液検査を行いましたが、異常が無かったため、当日帰宅されました。

その1週間後に再度の発作が起き、救急搬送をされました。

その後は発作はおさまったものの、「ものが大きく見える」「合成写真を見ているような症状」といった視覚障害を感じられたため、何度か入院治療を行われたとのことです。

また、度重なる入院治療により仕事も解雇となり、将来への不安からご相談にこられました。

 

申請結果

てんかんによる障害年金の認定は発作の程度と頻度に加えて日常生活能力の判定が大切となります。(参考ポイント①)

つまり、発作の程度と頻度が重度であったとしても日常生活能力が軽度であれば不支給となる可能性があるということになります。

そのため、診察時に確認しきれない普段の様子について詳しく纏めて、日常生活能力評価の参考資料として先生へお渡しさせて頂きました。

例えば、入浴中も定期的に外から声掛けをしたり、移動は常にご両親の見守りをしているなどです。

また今回は『症候性』てんかんであったことから、審査では精神神経症状及び認知障害も重要視されます。

症候性てんかんによる精神遅滞やから生ずる支障や遂行機能障害等の状況などの、てんかん発作以外についても詳しく纏めさせて頂きました。

これにより診断書には、発作時やそれ以外の様子、発作以外の症状を総合的に評価された現状が見て取れる診断書となりました。

審査でも症状全てが総合的に考慮され、申請の結果は『障害厚生年金3級』に認定。

無事に障害年金をお届けるすることが出来ました。

 

【ポイント1】 てんかんの注意点

てんかんで障害年金を申請する際には「精神の診断書」を利用します。

その中でも、認定の基準として重要となるのが以下のポイントとなります。

①発作の重症度と頻度
②日常生活能力の判定

病気の特徴として、発作の起きない期間(発作間欠期)は、日常生活は問題なく見えます。

例えば、食事を作ったり、お風呂に入ったり、散歩をすることも出来るのです。

その部分だけを切り取って診断書の日常能力を「できる」と評価されてしまうと、「発作はあるけど生活には問題がないんだね」と不支給とされるケースがあるのです。

それを防ぐためにも、発作の無い期間であっても、いつ発作が起きるか分からない事から、どのような影響があるのかを、しっかりとわかるように申請を行う事が大切となります。

 

【ポイント2】 てんかんで障害年金の対象とならないケース

てんかんのうち、障害年金の対象となるのは難治性てんかんと言われるものです。

つまり、抗てんかん薬の服用や、外科的治療でてんかん発作が抑制される場合は、原則として障害年金の認定の対象外となります。

 

【ポイント3】てんかん発作の種類

障害年金では、てんかん発作を重症度別に下記の4タイプに分類します。

A:意識障害を呈し、状況にそぐわない行為を示す発作
B:意識障害の有無を問わず、転倒する発作
C:意識を失い、行為が途絶するが、倒れない発作
D:意識障害はないが、随意運動が失われる発作

当てはまるタイプによって等級も変わりますので、ご自身の発作がどれに該当するか確認しましょう。

 

その他の精神の事例

 

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