目次
対象者の基本データ
病名 | 鬱病(うつびょう) |
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性別 | 女性 |
支給額 | 年額 約78万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害基礎年金2級 |
ご相談までの経緯
当時20歳の専業主婦Tさんは義家族と同居しながら、幼い子供を育てていました。
しかし夫の両親と折り合いが悪く、夫に訴えても一切掛け合ってもらえず、精神的にギリギリの状態だったそうです。
そんな状態が続きストレスから過呼吸が起こり、知人に助け求めたところ、心療内科を勧められ紹介された病院を受診。
「うつ病」と診断されたそうです。
病気のため家事も思うように出来なくなりましたが、同居の家族からは責められる一方だったため、子供とともに実家へ戻りました。
療養しながら実家の両親の助けを借り、育児、家事を何とかこなしていたそうです。
しばらく経過した頃、急に夫から離婚を突きつけられ、突然の離婚の申し出にパニック状態となり、病状は急激に悪化。
何もできる状態では無くなり、言われるがまま離婚。そこからほとんど寝たきりとなり、生活すべてに家族からの支援が必要な状態となりました。
発症から約20年間、治療を続けてきましたが症状が改善する兆しは無く、今でも実家で家族の援助を受けながら生活しているとの事です。
経済的に少しでも負担を減らしたいとして当事務所にご相談がありました。
申請結果
お話をお伺いしたところ、等級に該当する可能性が高いことがわかり、すぐにお続きを行う手配に入りました。
今回の課題は、発症から約20年と病歴が長いことでした。
障害年金では初診日が重要とされ、初診日を証明できる書類を必ず提出する必要があります。
しかし病院でのカルテ保存期間は5年と決められており、以降はカルテを破棄しても良いこととなっているため、初診病院で証明書を取得できない可能性がありました。
お手続きを進めると、心配したとおり初診病院のカルテは破棄されていました。
そこで病院に事情を説明したうえ、カルテ以外の資料を探してもらったところ、運よくパソコン内に受付情報のみが残っていることが判明。
また事情知った当時の主治医が、長期間継続して通院していたこともあってTさんを覚えていたため『パソコンの記録と医師の記憶』に基づき、書類を発行してくださいました。
ただしカルテ以外に基づいた初診証明書は、正式な医証とはされません。
よって上記の書類に加え、Tさんがたまたま保管していた診察券も添付してさらに証拠能力を高めることにしました。
初診日の証明に時間がかかりましたが、その後の手続きはスムーズに進み、無事申請を終えました。
結果はこちらの主張した初診日が認められ『障害基礎年金2級』の認定を得ることができました。
【ポイント1】初診日の証明
障害年金は初診日主義とも言われています。
つまり、障がいがどんなに重たくても初診日の証明が出来なければ障害年金を受給することが出来ないということです。
カルテの法定保存期間が5年と定められている為、初診日の証明が出来ず悔しい思いをする方が多くおられるのも事実です。
そんな時でも証拠を積み上げて、間接的に初診日を証明出来たケースが多くありますので諦めない事が大切です!
【ポイント2】カルテ以外に基づいた受診状況等証明書
障害年金の申請書類に、初診日を証明する書類として「受診状況等証明書」というものがあります。
これは病気で初めて受診した医療機関に記載して貰う書類ですが、必ずカルテを元に作成して貰う必要があります。
カルテ以外の受付簿や入院記録、その他の情報に基づいて作成された場合は、初診日が証明できた事にはなりませんのでご注意ください。
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