【事例1943】膀胱がん|障害厚生年金3級(認定日の特例による事例)

膀胱がん|障害厚生年金3級

対象者の基本データ

病名 直腸がん
性別 女性
支給額 年額 約69万円
遡及金額 約6万円
障害の状態
  • 尿路変更術を行っている
  • フルタイム就労中
申請結果 障害厚生年金3級

当事務所スタッフによる事例紹介動画

当事務所のスタッフが実際に申請した流れを動画で詳しく説明しています。

当事務所の雰囲気を感じて頂けると思いますので、是非ご覧ください。

ご相談までの経緯

ご依頼者様は、膀胱がんを患い、初診日から約8か月後に膀胱全摘手術と尿路変更術を受けられました。

ご依頼者様は、病気の進行や治療の不安に加え、障害年金の申請についてもご自身で進められるか心配を抱え、当社にご相談いただきました。

申請結果

尿路変更術を受けた場合、障害認定日は「手術から6か月後」または「初診日から1年6か月後」のいずれか早い日が適用されます。

このご依頼者様の場合、初診日から1年6か月経過した日よりも手術から6か月経過日の方が早かったため、障害認定日の特例が適用されました。

手続きでは「その他の診断書」を用います。

「その他の診断書」では就労状況や日常生活状況を表す「一般状態区分表」が重要となります。

本事例では、医師の評価はイとなっていました。

イの場合は、不支給になる可能性もありますが、尿路変更術の場合は、一般状態区分表の評価に関わらず、原則、障害厚生年金3級に認定されますので、特に、問題なく申請することができました。

なお、膀胱全摘出により、全身の衰弱が著しい場合には2級に認定される場合もあります。

結果

ご依頼者様は尿路変更術を受けたことにより、無事に障害年金の3級に認定されました。

今回は、がんそのものによる全身の衰弱等は見られなかったため、原則通りの3級での認定となりました。

感想

障害年金の申請は、手続きが煩雑で不安に感じる方も多くいらっしゃいますが、今回のケースは特例もあり、比較的スムーズに進行しました。

ご依頼者様も、早期に申請が通ったことに大変喜ばれており、経済的な安心を得ることができたと感謝の言葉をいただきました。

この事例からわかるように、膀胱がんや手術後の障害年金申請では障害認定日の特例が適用されるケースもあり、タイミングや書類の準備が大切です。

当社では、ご依頼者様一人ひとりの状況に合わせた適切なアドバイスを提供し、スムーズな申請をサポートしています。

【ポイント1】がんによる障害とは?

がんは、全身のほとんどの臓器に発生するため、現れる病状は様々で、それによる障害も様々です。

そのため次のように症状を区分して評価されます。

①癌よって生じる局所の障害
②癌による全身の衰弱又は機能の障害
③抗がん剤などの副作用として生じる全身衰弱又は機能の障害

特に注目すべきは③の治療の過程における副作用もまた障害年金の対象となるという点です。

【ポイント2】障害認定日の特例

  • 咽頭全摘出・・・摘出した日
  • 人工関節、人工骨頭挿入置換・・・挿入置換した日
  • 切断、離断・・・切断、離断した日
  • 脳血管障害による機能障害・・・初診日から6ヵ月経過後の症状固定した日
  • 在宅酸素療法・・・在宅酸素療法開始の日(常時使用の場合)
  • 人工弁、ペースメーカー、ICD・・・装着した日
  • 心臓移植、人工心臓、補助人工心臓・・・移植日または装着日
  • CRT,CRT-D・・・装着日
  • 人工血管(ステントグラフトも含む)・・・挿入置換した日
  • 人工透析療法・・。透析開始日から3ヵ月経過した日
  • 人工肛門造設、尿路変更術・・・造設日または手術日から起算して6ヵ月を経過した日
  • 新膀胱造設・・・造設日
  • 遷延性植物状態・・・植物状態に至った日から起算して3カ月経過した日以後

【ポイント3】一般状態区分表について

診断書によっては、一般状態区分表の記載が必要なものがあります。

主治医の先生が、次のア~オの中で該当するものを一つ選び〇で囲みます。

どれに該当するかが、審査の上では大きなポイントとなります。(アの場合は、不支給の可能性が非常に高いです。)

ア.無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの
イ.軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが歩行、軽労働や座業はできるもの  例えば、軽い家事、事務など
ウ.歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの
エ.身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出はほぼ不
 可能となったもの
オ.身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの

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