初診日が20年以上前で障害年金をもらえますか?

初診日が20年以上前の方へ

初診日が20年以上前であっても、障害年金の受給要件を満たしていれば、障害年金をもらうことができます。

障害年金の受給要件の一つに「初診日要件」があります。

障がいがどんなに重たくても、初診日の証明が出来なければ障害年金を受給することが出来ません。

初診日の証明は「受診状況等証明書」という様式を用いて行います。

「受診状況等証明書」は、本来であればカルテに基づいて記載をしてもらう必要があります。

しかし、初診病院が廃院している場合や既にカルテが破棄されている場合等は受診状況等証明書が取得できません。

その場合には、「受診状況等証明書が添付出来ない申立書」を提出します。

詳しくは以下の「初診日が証明できない場合」をご参照下さい。

障害年金を受給するための要件

障害年金を受給するためには以下の条件を満たす必要があります。(日本年金機構ホームページ:障害基礎年金の受給要件

初診日要件

障害の原因となった病気やけがの初診日が次のいずれかの間にあること。

  • 国民年金加入期間
  • 20歳前または日本国内に住んでいる60歳以上65歳未満で年金制度に加入していない期間

保険料納付要件

初診日の前日に、初診日がある月の前々月までの被保険者期間で、国民年金の保険料納付済期間(厚生年金保険の被保険者期間、共済組合の組合員期間を含む)と保険料免除期間をあわせた期間が3分の2以上あること。

ただし、初診日が令和8年4月1日前にあるときは、初診日において65歳未満であれば、初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの直近1年間に保険料の未納がなければよいことになっています。

また、20歳前の年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件は不要です。

障害状態要件

障害の状態が、障害認定日(障害認定日以後に20歳に達したときは、20歳に達した日)に、障害等級表に定める1級または2級に該当していること。

障害年金の受給可否は、症状の重症度だけでなく、日常生活や就労への支障度を総合的に判断されます。

症状が比較的軽度であっても、日常生活や就労に著しい制限がある場合は、障害年金を受給できる可能性があります。

以下は、統合失調症で障害年金を受給できるかの目安です。

  • 1級:著しい日常生活の制限があり、常時介護を必要とする
  • 2級:日常生活に著しい制限があり、介護が必要
  • 3級:日常生活に制限があり、介護が必要な場合がある

初診日の証明が出来ない場合

障害年金は初診日主義とも言われており、初診日の証明が出来ないと障害年金を受給することが出来ません。

初診日の証明は「受診状況等証明書」という様式を用いて行います。

この「受診状況等証明書」は本来であればカルテに基づいて記載をしてもらう必要がありますが、初診病院が廃院している場合や既にカルテが破棄されている場合等は「受診状況等証明書」が取得できません。

そこで受診状況等証明書が取得できない場合に使用するのが、「受診状況等証明書が添付出来ない申立書」です。

この「受診状況等証明書が添付出来ない申立書」はご自身で最初に受けた医療機関名や場所、受診期間等を記載する書類です。

ただし、この書類を作成するだけでは、客観的証拠が不十分として、申請する初診日を認めてもらうことは出来ません。

申請する初診日が明らかに確認できる客観的な証拠書類を添付して、初めて有効とされます。

客観的な証拠書類としては以下のようなものがあります。

  • 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳
  • 身体障害者手帳等の申請時の診断書
  • 生命保険、損害保険、労災保険の給付申請時の診断書
  • 事業所等の健康診断の記録
  • 母子健康手帳
  • 健康保険の給付記録
  • お薬手帳、領収書、診察券
  • 盲学校、ろう学校の在学証明・卒業証書
  • 第三者証明

など

受診状況等証明書が取得できない場合でも、証拠書類を積み上げ認められたケースも多くありますので諦めないことが大切です。

ご自身で添付書類を集めたり整理するのが難しいという方はお気軽に当事務所にご相談下さい。

初診日が20年以上前の事例

当事務所で申請をして受給が決まった初診日が20年以上前の事例の一部をご紹介します。

結論

初診日が20年以上前であっても、障害年金の受給要件を満たしていれば、障害年金をもらうことができます。

受給要件の一つである「初診日要件」を満たすためには、「受診状況等証明書」で初診日を証明する必要があります。

初診病院が廃院していたり、既にカルテが破棄されていたりしている場合は「受診状況等証明書」が取得できないません。

その場合は「受診状況等証明書が添付出来ない申立書」を証拠書類と一緒に提出します。