更新で3級から2級に上がらなかったので、額改定請求で2級にできますか?

今回は、多発性硬化症により障害年金を受給されている方からのお電話相談事例をご紹介します。

病状が進行しているにもかかわらず更新で等級が上がらず、主治医にどのように診断書の作成をお願いすればよいかお悩みのご相談です。

ご相談者様からの質問

  • 障害年金の更新結果が3級のままだったが、2級に等級を上げる(額改定請求をする)ためにはどうすればよいか?
  • 主治医に対して、診断書を現状の不自由さに合わせて「もっと悪く書いてほしい」と角が立たずにお願いする上手な伝え方はあるか?
  • 障害年金3級と2級では、もらえる受給額にどれくらいの違いがあるのか?

ご相談者様の状況

  • ご病気:進行性の難病である多発性硬化症を患っており、3年前から障害年金3級を受給されています。
  • 身体・生活の状況:病状が進行し左足に麻痺がある状態で、室内や短距離は杖や歩行器、長距離の移動は電動車椅子を使用されています。家事や料理は一切できず、お風呂もシャワーのみで、ご主人がヘルパー並みに全面的に介助されています。
  • 経済的なご不安:ご本人は病気の進行により退職を余儀なくされ、ご主人も定年後の再雇用で収入が大きく減少しました。また、ご自宅のバリアフリー化のリフォームや車椅子の購入などでお金がかかり、生活が非常に苦しい状況です。
  • 今回の経緯:障害者手帳は2級への変更手続き中で、今回の障害年金の更新でも2級に上がることを期待されていましたが、結果は「等級変更なし(3級のまま)」でした。
  • 現在のお悩み:年金事務所の社労士に提出した診断書のコピーを見せたところ、「手の動作など正常な部分に『〇(できる)』が多くついているため、このままの診断書で額改定請求を行っても2級にはならないだろう」と言われました。

当事務所からの回答

現在の診断書の内容では等級アップは困難

ご相談者様や年金事務所の社労士の方がおっしゃる通り、現在の診断書(できる動作に『〇』が多くついている状態)と同じ内容で額改定請求を提出しても、2級への等級アップは難しいと考えられます。

障害年金の審査では、診断書裏面の日常生活動作の判定(丸やバツの項目)が非常に重要視されます。

「家事が一切できない」と大まかに伝えるのではなく、診断書の項目にある「つまむ」「握る」などの具体的な動作が、ご自身にとってどれくらいできないのか(不自由なのか)を主治医に細かくお伝えし、ご自身の感覚と主治医の認識のズレを埋めていただく必要があります。

主治医への上手な伝え方について

「先生への上手な頼み方」については明確な正解がなく、当方から具体的なフレーズ等のアドバイスをすることはいたしかねます。

常日頃お世話になっている先生に言いづらいお気持ちはわかりますが、ご自身の日常生活での具体的な困難を一つずつ丁寧にお話しし、再度ご相談していただくしかありません。

2級と3級の金額の違いについて

2級に認定された場合、基礎年金部分として年額約80万円が支給されます。

しかし、そこに上乗せされる厚生年金部分の加算額はこれまでの納付状況によって個人差があるため、正確な金額につきましては年金事務所で直接ご確認いただく必要がございます。

まとめ

障害年金の更新や額改定において、「実際には生活に大きな支障が出ているのに、診断書のチェック項目上では『できる』と判定されてしまい、本来の等級に認められない」というケースは少なくありません。

主治医の先生は診察室での様子や医学的な所見をもとに診断書を作成するため、ご自宅での生活の実態(ご家族がどれほど介助しているか、どのような動作にどれくらい苦労しているか)が十分に伝わっていないことがあります。

等級を適正に見直してもらう(額改定請求を行う)ためには、「日常生活の具体的な不自由さ」を主治医にしっかりとお伝えし、実態に即した診断書を作成していただくことが第一歩となります。

口頭で伝えるのが難しい場合は、日々の生活でできないことや介助してもらっていることをメモにまとめて診察時に持参したり、ご家族から状況を説明していただくなどの工夫をされることをお勧めいたします。

私は障害年金が受給できるの?

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