基本データ

障害年金の受給者の就労状況

政府の調査で、年金を受給されている方についての収入、支出、就業状況等の実態を調査して、年金が受給者の生活の中でどのような役割を果たしているかをとらえることを目的とした「年金制度基礎調査」というものがあります。

年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査)令和元年」では障害年金の受給者の就労状況などに関するデータが公表されています。

このデータを基に、働きながら障害年金を受給されている方の状況を分かりやすくご説明したいと思います。

この記事の監修者 社会保険労務士 松岡由将

年間2,000件以上の問い合わせがある「全国障害年金サポートセンター」を運営する障害年金専門の社会保険労務士法人「わくわく社会保険労務士法人」の代表社労士。
障害年金コンサルタントとしてtwitter(まっちゃん@障害年金の悩み解決するよ)やYouTube(まっちゃんの障害年金カフェ)などでも障害年金に関するさまざまな情報を発信している。

働きながら障害年金を受給している人の割合は?

「働いている人は障害年金を受け取れないのでしょうか?」というご質問をよく頂きます。

「働いている」という理由だけで、障害年金が受給できないということはありません。

令和元年(2019年)のデータでは、厚生年金・国民年金両方の受給者で見た場合、男女計では34.0%が働きながら障害年金を受給されています。

つまり、障害年金を受給されている方の約3人に1人は、働きながら障害年金を受け取られているということになります。

男女別でみると男性では40.1%、女性では26.7%が就業されています。

また、厚生年金での受給者でみた場合では男女計で36.2%、国民年金での受給者で見た場合では男女計で33.5%が働きながら障害年金を受給されています。

令和元年の調査の5年前である平成26年(2014年)に実施された「年金制度基礎調査(障害年金受給者実態調査)平成26年」では障害年金を受給されている方で働きながら受給されている方の割合は27.6%でした。

2014年から2019年の5年間で働かれている方の割合が約6%上がったことになります。

障害年金を受給している人は、どんな仕事をしているの?

働きながら障害年金を受給している人はどんな仕事をされているのでしょうか。

厚生年金と国民年金に分けてみてみましょう。

障害厚生年金の受給者の仕事

厚生年金計の場合、男女計では「常勤の会社員・公務員等」が38.0%と最も多くなっています。

次に「臨時・パート等」が26.4%となっています。

性別にみると、男性では「常勤の会社員・公務員等」(44.0%)が最も多く、次に「臨時・パート等」(20.6%)となっています。

女性では「臨時・パート等」(43.3%)が最も多く、次に「常勤の会社員・公務員等」(20.7%)となっています。

障害等級別にみると、厚生年金の場合、厚生年金1級、2級、3級ともに「常勤の会社員・公務員等」(1級:30.8%、2級:29.7%、3級:45.7%)が最も多くなっています。

また、「常勤の会社員・公務員等」や「臨時・パート等」の割合は、障害の程度が軽くなるにつれておおむね増加するのに対し、「自営業主」の割合は低くなる傾向にあります。

障害厚生年金を受給されている男性は「常勤の会社員・公務員等」、女性は「臨時・パート等」が多いという結果になっています。

障害基礎年金の受給者の仕事内容

国民年金計の場合、男女計では「障害福祉サービス事業所等」が36.3%と最も多くなっています。

次に「臨時・パート等」が23.0%となっています。

性別にみると、男女ともに「障害福祉サービス事業所等」(男性:35.4%、女性:37.6%)が最も多く、次に割合が多いのが、「臨時・パート等」(男子:20.9%、女子:26.4%)となっています。

国民年金の場合、国民年金1級、2級ともに「障害福祉サービス事業所等」(1級:38.7%、2級:35.4%)が最も多くなっています。

次に割合が多いのが、国民年金1級では「常勤の会社員・公務員等」(16.0%)となっていて、国民年金2級では「臨時・パート等」(26.4%)となっています。

障害基礎年金を受給されている方は男女ともに「障害福祉サービス事業所等」が多いという結果になっています。

障害年金を受給している人は、何時間くらい仕事をしているの?

それでは、働きながら障害年金を受給されている方は1週間あたり何時間くらい働かれているのでしょうか。

就業時間をみると、障害厚生年金を受給されている方の中では「30~40時間」働かれている方が24.0%と最も多くなっています。

次に「~10時間」が23.9%となっています。

性別にみると、男性では「30~40時間」(25.0%)が最も多く、次に「40時間以上」(22.5%)となっています。

働きながら障害厚生年金を受給されている男性の約半数近くはフルタイム又はフルタイムに近い時間就労されているという数字になります。

女性では「~10時間」(29.7%)が最も多く、次に「30~40時間」(21.0%)となっています。

障害基礎年金を受給されている方の中では「~10時間」が27.7%と最も多くなっています。

次に「20~30時間」が25.1%となっています。

性別にみると、男性では「~10時間」(26.2%)が最も多く、次に「20~30時間」(25.9%)となっています。

女性では「~10時間」(30.0%)が最も多く、次に「20~30時間」(23.9%)となっています。

障害等級別にみると、厚生年金1級及び2級では「~10時間」(1級:28.3%、2級:26.2%)、厚生年金3級では「30~40時間」(27.9%)が最も多くなっています。

また、国民年金1級及び2級では「~10時間」(1級:27.2%、2級:27.8%)が最も多くなっています。

障害年金を受給している人の所得はどれくらい?

働きながら障害年金を受給されている方の平成30年(2018年)1年間の仕事による収入をみると、厚生年金、国民年金ともに「~50万円」(厚生年金計:23.9%、国民年金計:52.1%)が最も多くなっています。

障害年金を受給している方で働いていない理由

最後に、障害年金を受給されていて就業していない人の働いていない理由についてみてみましょう。

厚生年金・国民年金ともに、障害等級においても「障害のため働くことが出来ない」が最も多くなっています。(厚生年金では56.5%、国民年金では60.4%)

また、障害の程度が軽くなるにつれて「障害のため働くことが出来ない」割合が減少する傾向にあります。

一方、「働きたいが、働く場がない」が厚生年金では8.3%、国民年金では5.7%となっています。

障害の程度が軽くなるにつれて割合が増加する傾向にあります。

性別にみると、男性では「障害のため働くことが出来ない」が厚生年金では58.4%、国民年金では62.2%、「働きたいが、働く場がない」が厚生年金では9.3%、国民年金では7.2%となっています。

女性では「障害のため働くことが出来ない」が厚生年金では53.1%、国民年金では58.9%、「働きたいが、働く場がない」が厚生年金では6.5%、国民年金では4.4%となっています。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

障害年金は働きながらでも受給できる可能性があることをご理解いただけたかと思います。

障害年金は初診日や障害の状態といった障害年金の支給要件を満たす場合は、受給することができます。

「私は働いているから障害年金はもらえないだろう」と諦めていらっしゃった方は、是非一度当事務所へご相談下さい。

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