目次
対象者の基本データ
病名 | 右腕神経叢損傷 |
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性別 | 男性 |
支給額 | 年額 約58万円 |
障害の状態 |
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申請結果 | 障害厚生年金3級 |
当事務所スタッフによる事例紹介動画
当事務所のスタッフが実際に申請した流れを動画で詳しく説明しています。
当事務所の雰囲気を感じて頂けると思いますので、是非ご覧ください。
ご相談までの経緯
ご依頼者様は、平成28年6月、バイクの単独事故で右腕を負傷しました。
その後、初診の病院から一貫して同じ病院に通院し治療を継続されていました。
しかし、事故による右肩や肘の筋力消失が日常生活に大きな支障をきたし、次第に将来の生活に不安を抱えるようになりました。
治療に専念しながらも、障害年金について自分で調べる中で「自分の症状では対象外かもしれない」という疑念を持つようになります。
また、専門的な知識がないため、「どう申請を進めればよいのかわからない」「書類が揃わないのではないか」と悩まれたそうです。
そんな中、ご依頼者様はインターネットで当社の事例紹介記事を見つけられ、お問い合わせをいただきました。
申請までの状況
今回のケースでは、初診から現在までずっと同じ病院に通院されていた為、認定日請求(事故発生後1年半経過時点)と、請求日現在時点での診断書を同時に取得して申請を行いました。
認定日時点では、右肩・肘の筋力が完全に消失し、日常生活動作(ADL)は一部不自由がありました。
筋力だけを認定基準に照らすと2級相当の可能性がありましたが、ADLの状況も考慮された結果、総合的に3級と認定されました。
現在の診断書では筋力がやや改善し、ADLも好転しており、筋力とADLの状況を総合的に判断すると「非該当」の可能性もある状態で、ご本人様からお伺いしていた状況と異なる経過の診断書が出来上がってきたため、審査上どのように審査されるのか気がかりでした。
審査途中の返戻とその考察
申請後審査中に返戻があり、身体障害者手帳の診断書写しの追加提出の求めがありました。
この返戻は取得した診断書の内容から分かるご依頼者様の症状経過が一般的に想定される傷病特性の経過とは異なるため、審査上においても疑義が生じたものと思われました。
この疑義に対し適切な対応を行うことで申請前に気がかりであった点も払拭されました。
結果
返戻の対応の約1ヶ月後に年金証書が届き、認定日と現在ともに3級で認定される結果となりました。
結果を受けた後、審査内容の詳細を確認するため、認定調書を取得したところ、審査では筋力の程度だけでなく、長期的な経過や日常生活動作も踏まえ、総合的に審査されていたことが確認できました。
感想
ご依頼者様のケースでは、障害認定日請求により、認定日時点と現在時点の診断書を同時に提出したことで、障害の長期的な経過を総合的に審査してもらえたことが功を奏しました。
傷病ごとの経過や特性を踏まえ、申請書類を組み立てることの重要さを再認識しました。
【ポイント1】上肢の診断書の見逃しやすいポイント
上肢の障害では、診断書において、関節可動域及び筋力(診断書⑯)や日常生活における動作の障害の程度(診断書⑱)は認定における重要ポイントとなります。
ただ、見逃しがちですが「診断書⑭の握力」も大切です。
必ず、記載してもらいましょう。
握力が弱いということは、障害の程度が大きいと判断されますので審査において有利に働くと考えられます。
【ポイント2】申請書類の返戻
障害年金の申請が完了した後、審査途中で適正な審査を実施するために必要な書類の追加提出の求めや障害の状態について医師への確認等のために申請書類が返戻されることがあります。
申請書類が返戻されたからといって、一概に障害年金を受給することが出来ないというわけではなく、適正な審査を実施するためのご連絡ですので過度にご心配されることなく、返戻内容を確認して冷静に対応するようにしましょう。